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2018年04月23日16:53

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謎の煙草

 昨日、午間に起きたら、机の上に買った覚えのない煙草が置いてある。

 最初、僕が寝ている間にKY君が合鍵を使って入ってきて、置いていったかと思ったが、それなら僕を起す筈だ。
 モヤモヤ考えても仕方がないので、KY君に電話すると、行っていないと云う。
「寝ぼけて自分で買いに行ったんじゃないですかあ」
 と、KY君は云うが、いくらなんでも自分で行ったなら、記憶があるに決まっている。
「待てよ、やっぱり自分で行ったのかなあ」と訝っていると、
「ほかに何か増えているものはないんですか?」
 と、訊くので、
「ない、キャスター・マイルド一個だけだ」
「それは気味が悪いですねえ、もう喫ったんですか?」
「喫ってない、気持ちが悪くて、なんだか喫う気が起きない」
「困りましたねえ……」
 出た、いつもの常套句。困っているのはこっちの方だい。
「じゃあ、また」「はい、お大事にどうぞ(これ、よく考えると失礼な話だ)」で電話を切り、煙草の箱を見詰める。
 やっぱり、記憶にない。

 そうして今、新しい煙草を喫いながら、未開封の謎の煙草の箱を眺めている。
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