■本郷和人「壬申の乱と関ケ原の戦い」2018年2月祥伝社新書
副題は、“なぜ同じ場所で戦われたのか”。
日本のヘソはどこかという談義があって諸説あるのですが、歴史的に
後世を画する戦いの起きた場所は、やはり歴史のヘソかもしれません。
日本史の啓蒙書やエッセイは、以前は、司馬遼太郎の本をたくさん読んで
ましたが、最近は、磯田道史さんの本を信用しています。
本書も、帯に磯田道史さんの言葉がありましたので、信用して手に取り
ました。
早速、惹句を紹介。
“なぜ、この地だったのか古代最大の内戦・壬申の乱、室町幕府を確立
させた中世の戦闘・青野ヶ原の戦い、近世最大の会戦・関ヶ原の戦い。
三つの戦いがいずれも同じ地(不破=青野ヶ原=関ヶ原)で行なわれた
のはなぜか?”
“また、その結果が歴史を大きく動かしたのはなぜなのか? この謎解きに、
中世政治史を専門とする著者が挑む。考察の過程で、天武天皇が始めた
「固関(こげん)」の意図について、新説を導き出した。”
“歴史の醍醐味を味わえる、スリリングな1冊。国際日本文化研究センター・
磯田道史准教授も絶賛! ”
目次と小見出しの抜粋も紹介。
序 章 なぜ関ヶ原(不破)だったのか
・日本はひとつではない
・東と西がぶつかる場所
第一章 壬申の乱
・大海人皇子は戦いを欲していた
・日本国の誕生
第二章 青野ヶ原の戦い
・後醍醐天皇と北畠親房
・そして武士の世が到来した
第三章 関ヶ原の戦い (1)その構造
・戦国大名の誕生
・戦略家ではあるが、戦術家ではない三成
第四章 関ヶ原の戦い (2)歴史的意義
・大阪城開城の意味
・なぜ家康は幕府を京都に開かなかったのか
終章 歴史が転換する時
・三つの戦いから見えてくること
・外圧が歴史を動かす
いやぁ、面白かったです。
磯田先生の推薦も、伊達じゃないですね。
日本国の歴史的な成り立ちの原理も、理解できました(^^♪
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