昌平橋ビルの鑑定をする前に、基本的なことを踏まえてから本題に入りたいと思います。
さて、土地の価格は何個あるのでしょう?
例えば、缶コーヒー1缶100円といったように、一つの物に1つの価格が付けられています。
しかし、不動産は、一物四価、一物多価といったように、4つも5つも価格が付けられます。
その代表的なものを列挙しますと、
・売買価格(時価)
・公示価格
・地価調査
・路線価
・固定資産税路線価
・不動産鑑定士による鑑定評価額
の6つがあります。
其の6つについて、説明しますと、
1、売買価格はおおむね今迄の売買の相場から、形成されます。(時価)
株価・為替みたいなものです。
2、不動産鑑定士による、鑑定評価額
不動産鑑定士は不動産の価格を査定する、専門家です。
後に書きます、公的な価格の指標となる物を査定ます。
その他の4つの価格は、公的な価格です。
これは何のためにあるのか?
ズバリと一言でいうと、徴税目的のために作られています。
3、地価公示(公示地価ともいう):国交省
1月1日が評価基準日 3月20日ごろ発表
土地の適正価格を判断する客観的(公的な)な指標となるものです。
先日発表されました。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS20H2C_S6A320C1000000/
なぜ、1月1日か。
1月1日(三が日)は土地取引は普通有り得ないので、その日とされています。
実際の鑑定は、クリスマスごろには終わっています。
此れが後で述べます、路線価・固定資産税評価額の基礎となります。
4、地価調査(基準地価):都道府県
7月1日が評価基準日 9月半ばに発表
先程の地価公示は国交省でしたが、これは都道府県が発表します。
地価公示と似たようなものです。
地価公示から、半年後の基準日(7月1日)です。
5、路線価:国税庁
1月1日が評価基準日 7月1日発表
先程の、地価公示と同じ1月1日を評価基準日としています。
これは、相続税・贈与税の算定基準になるものです。
先程の地価公示の80%程の価格が路線価です。
なぜ、7月1日発表か?
税務署の年度始まりが7月1日だからです。(別ページに記載予定)
また、3月半ば発表の地価公示から3か月は作業に必要なので、7月1日発表になるかと思います。
http://www.rosenka.nta.go.jp/
6、固定資産税路線価:地方自治体(総務省)
3年毎の1月1日に価格が見直されます。
これは、固定資産税・都市計画税・不動産取得税・登録免許税の算定に使われます。
先程の地価公示の70%程の価格が固定資産税路線価となっています。
以上の6つが、不動産の価格の代表例です。
普段不動産になじみのない方が多いかと存じますので、かなりさらっと書きました。
で、私がいつもしている舞台地価探訪では、その公的な価格を用いて算定しています。
今回のにこちゃんの自宅(昌平橋ビル)の地価鑑定は、路線価を使っています。
使っているサイトは、
国税庁 路線価図
http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm
地価マップ:一般財団法人土地情報センター
http://www.rosenka.nta.go.jp/index.htm
標準地・基準地検索システム :国交省
http://www.land.mlit.go.jp/landPrice/AriaServlet?MOD=2&TYP=0
なお、私の地価探訪は、路線価図・地価マップを主に使用しています。
長くなりましたが、お付き合いいただき有難う御座います。
今日はここまで。
ログインしてコメントを確認・投稿する