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2018年10月20日09:54

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ポール・オースター著・柴田元幸訳「インヴィジブル」を読んで

照る日曇る日 第1148回

今回の特徴は小説のお話の中身よりも、その構成への徹底的なこだわりでしょうかねえ。

未完の原稿を2つ並べておいてから、3つ目でその原稿の曰く由縁の解説が入ったり、章ごとに話者が変わったり、あえて完全に推敲されない文章を投入したり、かと思えば、その不完全部分を修復して読者に披露するとか、さまざまな手練手管を次から次に披露して、はてさて今度はどうなっていくのだろうと、ハラハラドキドキさせてくれるのです。

だが、その結果、肝心要の物語のあれこれがもうどうでもよくなってきたりするのが欠点といえば欠点なのでしょうが、かというて、そんな著者の飽くなき新小説創造への挑戦と作家根性を、おとしめたりしようとするケチなわたくしめではござんせん。

それにしてもポール・オースター、71歳なのに若くて元気だなあ。ちいと見習わなくっちゃ。

 おこがましくもジャーナリストを名乗る君 生きながら殺される覚悟はあるか? 蝶人


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