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2015年03月18日23:16

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今日はインバルでブルックナー維新

今日は放課後にFBお友達の評価が高かった下記の演奏会に行きました。

○都響第784回 定期演奏会Aシリーズ(東京文化会館)
開演:2015年3月18日(水)19:00
会場:東京文化会館ホール
曲目:
ワーグナー/楽劇《トリスタンとイゾルデ》より「前奏曲と愛の死」
ブルックナー/交響曲第4番 変ホ長調 WAB104 《ロマンティック》 (ノヴァーク:1878/80)
管弦楽:東京都交響楽団
指揮:エリアフ・インバル

じゅ。がブルックナーの有料公演に行くのはじゅ。の若いFBお友達(このたびめでたく藝大コントラバスに合格)が前日に絶賛したスクロヴァチェフスキ/読響に急遽行った2013年10月14日以来です。

ワーグナー/楽劇《トリスタンとイゾルデ》より「前奏曲と愛の死」
濃厚だけれどディテールがはっきりと際立った演奏で、ワーグナーの思惟というよりは管弦楽の構築性に重きを置く。ユダヤ人指揮者らしいとも言えるが、どろどろした予断を許さず筋を忠実に敷衍しているとも考えられる。演奏は濃厚であっても都響らしいブルー系の清透さを持っている。

ブルックナー/交響曲第4番《ロマンティック》
一転、ワーグナー以上の激しさをもってブルックナーの(特に第4番《ロマンティック》の)イメージを完全に一新した爆裂演奏。
管楽器は木管完全倍管にしていて厚いイメージで金管は瞬発的に凄まじい風圧を送ってくるが、それにもましてすごかったのは金管群を完全に圧倒し去ると思われる弦楽器群の超絶激烈さであろう。
一糸乱れず弦の圧力を直線的に巻き上げて叩きつける様は言語に絶し、盟友ピロシも腰を抜かすほど椅子ごと釣り上がらんばかりの力演。
とにかく若々しいブルックナーだ。
第4楽章などは時にマーラーの嘆きの歌を思わせる。
激烈ではあるが、この演奏を聴いて、やはりブルックナーはマーラーの延長線上(遡延長上)にはないな、と思った
全奏による塊の音楽だ。
それよりやはり3月8日に聴いた同じインバルのシューマン(第4番)は全くマーラーらしいところはなかったものの、シューマンこそマーラーの遡延長上にある。
思惟が高度に絡まった繊細で緻密な構成物なのだ。
たぶんユダヤ人というより第3者的に非当事者的に観察してこのようなブルックナーとシューマン・マーラーの描き分けとなったものであろう。
ただじゅ。的にはブルックナーには大家的なものよりもこのような熱い塊のような、マーラーとは別の観点の熱さを、ひいては音楽に対して熱い何かを求める傾向があるので、このような演奏を目の当たりにしたのは大きな満足であった。じゅ。の苦手とするR.シュトラウスも何かまた別の熱を感じるようになったら好きになることもあるのかもしれない。
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