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2018年05月22日03:47

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富樫館2

教家は自らが加賀守護に復帰する事を望んだが、管領細川持之の支援を受けた泰高はこれを譲らない。持之は派閥強化のため泰高に恩を売ったのだ。反発する教家に対し今度は有力大名で細川氏と対立する畠山持国が支援。泰高に守護職返還を要求した。こうして再び代理戦争が勃発し、加賀嘉吉文安の乱、加賀両流文安騒動とも呼ばれる内戦となった。嘉吉2年(1442年)、持之が管領を辞職し持国が管領となった。持国は泰高を廃し、成春を加賀守護に任命する。しかし泰高は国人たちを率いて頑強に抵抗し続けた。文安2年(1445年)、持国に代わり持之の子である勝元が管領となると泰高を支援したためついに教家、成春親子は加賀から追放されたのであった。文安4年(1447年)に幕府の調停で6年に及ぶ内戦は終結したものの、結果はまたしても半国守護を置くことであった。泰高が南加賀守護、教家の子、成春が北加賀守護に任命された。しかし泰高と成春の対立は続いたのであった。泰高派には斯波満種の子である持種がいたが、混乱に乗じてあわよくば加賀守護を取り戻さんと画策していたという。そんな中、長禄元年(1457年)に長禄の変が発生。懲りない勝元は翌年に功のあった赤松政則に北加賀守護を兼任させ、追い落とされた成春は一時的に11代目南加賀守護となるも最終的に教家と成春は再び追放となった。赤松氏の本国は播磨であり、北加賀には守護代を置いた間接統治であった。
教家は出家しその後の消息は不明。成春は寛正3年(1462年)、失意の内に死去したのであった。そのため成春の死去を受け、泰高が今一度10代目北加賀守護となる。しかしこれ以上の中央政権の介入を警戒した泰高は病弱であった嫡男の泰成を家督継承者から外し、幕府との取り次ぎ役として京に在住させた。そして成春の嫡男であった政親を養子とし、分裂していた富樫氏を統一したのであった。寛正5年(1464年)、泰高は幕府に願い出て隠居した。そして政親が12代目加賀守護となったのであった。

応仁元年(1467年)、京では全国を巻き込んだ応仁の乱が勃発。政親は東軍、細川方に属していたが突如として弟の幸千代が西軍、山名方に属して守護の座を狙ったため内戦が発生する。

そんな中、文明3年(1471年)越前国吉崎の地に1人の僧侶が訪れる。浄土真宗本願寺派の法主、蓮如である。このあたりの河口荘は本願寺派の領土であったが越前守護、朝倉孝景の横領激しくこれに対抗するためであった。蓮如は吉崎御坊を建立し、多くの坊舎や多屋(門徒宿泊所)が建立され寺内町が形成される。熱心な布教活動の元に信者は急速に増えていき遠く奥羽からも人が集まった。

文明5年(1473年)に幸千代は真宗高田派や越前守護代、甲斐敏光と同盟して政親を追放。13代目加賀守護となった。
幸千代に敗れた政親は国人の指示を集めた上で急速に勢力を拡大する吉崎御坊に協力を申し入れた。蓮如は政教分離を訴えており、これを渋っていた。しかし本願寺派と対立する真宗高田派と幸千代が同盟していたため文明6年(1474年)に政親と同盟して幸千代を滅ぼすに至った。本願寺派の強大さを目のあたりにした政親は次第に政策転換し、国人と本願寺門徒を統率し、本願寺派を弾圧し始める。これに対し蓮如配下の下間蓮崇(れんそう)が蓮如の命と称して一揆を発生させた。しかし蓮如が無関係であったかは定かでない。翌年、蓮如は蓮崇を破門し吉崎を退去した。そして畿内での布教活動に勤しみ、京の山科本願寺や紀伊の鷺森別院を建立していった。

応仁の乱終結後、9代将軍となった義尚は従わない近江の六角氏征伐を発令する。長享・明徳の乱であった。政親はこれに従った。そして一揆を抑えるために将軍の力を借りようとしたのであった。しかし出陣中の最中、長享2年(1488年)に加賀一向一揆は国人たちを巻き込み、前々代の守護であった泰高を総大将に挙兵した。長享一揆である。泰高は自身の苦い経験から幕府を頼らずに門徒たちとは協調路線で統治していくべしとしていた。知らせを受けた政親は急きょ戻り高尾城に籠城した。義尚は隣国に援軍を送るよう命じたが一揆軍は既に国境を固めており援軍は撃破された。大軍に囲まれた高尾城にて奮戦空しく政親は自害して果てた。翌年、義尚も大義を成せないまま長期化した陣中で死去した。

戦後、実に3度目ながら泰高が守護に返り咲いて15代加賀守護となる。しかし既に富樫氏の権勢は地に堕ち、傀儡に過ぎなかった。京にいた嫡男の泰成は高尾城の戦い前には死去しており泰高は泰成の子である恒泰を後継者とした。明応2年(1493年)、室町幕府は赤松政則に対して改めて北加賀守護を安堵した。これを受けて今日にいた恒泰は加賀に帰国している。
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