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2016年07月05日11:10
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今月の各省人事で、オレから見て「国有財産」とも言うべき優れた官僚が霞が関を去ることになってさ。厚生労働省で年金局長や雇用均等・児童家庭局長を歴任した香取照幸氏だよ。 オッ、彼は違うなと思ったのは1990年代後半。首相になる前の小泉純一郎氏が二度目の厚相になり、オレが政務秘書官として役所に乗り込んだころだな。 まだ課長にもなっていなかったけど、懸案だった介護保険制度創設の中心人物の一人でね。今も若々しい風貌で、ちっとも年を取った印象がないけどさ。当時はマジ若いのに、相手が上司でも誰でも構わず、鋭い筋論を歯に衣着せずにガンガン述べているわけよ。 人呼んで「介護保険の鉄人」さ。生意気だけど本質を突くから、こりゃデキる男だなと思ったね。そこで小泉内閣で各省課長級を集めた「特命チーム」にいの一番に引っ張ったんだよな。 首相官邸でも苦楽を共にしたぜ。ハンセン病訴訟で小泉首相が控訴を断念して原告団と和解するコペルニクス的転回を決断した時も、「反省とおわび」を示す首相談話を半日かけてひそかに準備したのは香取氏だよ。厚労省の省益より国益優先で対応してくれたんだよな。 厚労省に戻ってからも、福田、麻生両内閣や民主党政権が社会保障と消費税の一体改革に官邸主導で取り組むたびに内閣官房に出向さ。手ごわい財務省とも互角に渡り合い、増税とセットで子育て支援など社会保障の充実への道筋をつけられた人物は、香取氏をおいてほかにはいなかっただろ。 そうやって鍛えられたから、厚労官僚という小さな枠を超えて内閣全体、国全体から政策を考え、行動できる数少ない「内閣官僚」の一人なわけよ。彼を慕い、目標とする若手も多いし、永田町と霞が関で彼の名を知らなきゃモグリだぜ。 局長になっても、安倍官邸の方針に沿って企業年金制度改革や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の改革などに汗をかいたしね。最近は首相肝煎りの一億層活躍社会の柱である少子化・待機児童対策でも腕を振るっていたしさ。 度量の狭い政治家 どんなポストでも結果をきちんと出してきた男が、道半ばで霞が関を去らなきゃいけないのは残念でならないな。一番、彼のスゴさを知るのは、長年、切磋琢磨してきた他省の仲間たちさ。現役・OBを問わずオール霞が関が人事に注目していたし、こんなのおかしいってのが声なき声だぜ。 小泉厚相は就任と同時に岡光序治事務次官の高齢者福祉絡みの汚職事件に遭遇し、オレも対応に追われたけどさ。県政絶頂だった頃の「岡光天皇」が業者との癒着を背景にいくらネジ込んでも「筋が通らない」と断固はねつけた課長が埼玉県庁にいたと聞いた。それが若き日の香取氏その人さ。 そんな武勇伝もあるくらいだから、政治家相手でも言うべき筋論はズケズケ言っただろうと想像がつくけどさ。最近は政策論争を自分への批判と勘違いして逆恨みする度量の狭い政治家が、大臣でございと威張ってるから、始末が悪いぜ。 各省人事は大臣主導、さらに官邸主導が強まる流れだけど、官邸と大臣の考えが食い違い、ある官僚が官邸の意向に従ったら大臣の不興を買った、こんな時はどうするの?厚労省じゃ官僚がトバッチリを食う例が続出で、おかしいよ。 努力した者、結果を出した者に報いる人事をしないと、面従腹背はしても政治家を信頼して身を粉にする官僚はいなくなるぜ。「重要人事が大臣の好き嫌いで左右された」なんて風評が立つようじゃ、安倍内閣にも甚大なマイナスだな。
民進党は27日、英国の欧州連合(EU)離脱決定に伴う株価下落で、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用にどれだけの損失が出ているか明らかにするよう求める質問状を塩崎恭久厚生労働相に送った。30日までの回答を求めている。
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