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2018年03月23日20:08

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日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか

「日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか」を読んだ。
1930年代後半にアメリカの最先端の油田探索方法は導入したものの、軍事機密の名の下にアメリカ人の技術者を使わず、陸軍だけで油田を探索しようとした。
いくら優れたハードがあってもそれを使うノウハウたるソフトウェアが無いのだから、元も子もない。
結局は戦後は中国が見つけた満洲大油田は見つけられなかった。

他にも戦争を始めたら石油が無くなる事ははっきりしていたのでドイツの石炭液化技術を導入したものの、試験精製→試験工業精製→小規模実用精製→大規模実用精製という、工業では当たり前な段階を踏まなかったためにうまくいかない。
戦前の日本の化学工業はこんなに低レベルだったのか、と驚く程だった。

また当時の日本は原油の8割をアメリカから輸入していたのに、その当のアメリカと戦争を始めるなど全く正気の沙汰でなかった。
また戦争が始まればどのくらいタンカーが沈められるのか、という情報をイギリスのロイズの第一次世界大戦での統計結果を仕入れて、2年ほどで日本にはタンカーが無くなるとはっきり分かっていた。

戦争末期は藁をも掴む思いで松根油を作ろうとしたものの、これまた当たり前な工業化の手順を踏まなかったため上手くいかず、航空機燃料に使われたという記録はない。

こんな泥縄的なやり方では日本はアメリカに到底勝つはずは無かったと実感した。

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