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2017年08月22日23:59

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ローカルニュース之雑談帖(その204)―オーディオ愛好家の遺産

世の中にオーディオ愛好家は大勢いるか、と思います。そのうちの一人に五味康祐氏が居りまして。この人は作家として、剣豪小説の分野で有名な人であり、作家業の他にも手相占いやオーディオ評論を手掛けて居りました。わたくしはオーディオ方面には疎いので、良くは知らないのですが相当なお金を投じて、各種オーディオ機器を揃え、自らが描く「良い音」の再現に随分血道を挙げた人でありました。

尤も所謂オーディオ評論家が、「所詮素人が何を抜かす」と、白眼視されていた部分もあった様ですが。現在その五味氏のオーディオ方面の遺産は、公共のものとなっているそうです。

<引用開始>

音響遺産 昭和を聴き継ぐ  オーディオ・レコード 公立施設が活用探る


文人が愛したオーディオ、時代の息吹を伝えるレコード。昭和の音楽資料を貴重な文化遺産ととらえ、収集・保管を進めながら公開の方法を探る公立施設が増えている。

 「音響遺産」。そう称される品々が、東京の練馬区立石神井公園ふるさと文化館分室にある。剣豪小説で知られる作家、五味康祐(1921〜80年)が愛用したオーディオの名器とクラシックのLPレコード約900枚だ。音楽を愛した五味は美しい音を追求し、機器とレコードの収集に生涯没頭した。求道ぶりを音楽評論に書き、昭和の音響ブームをけん引して「オーディオの神様」と呼ばれた。8月上旬、「神様」の遺産は生き生きと動いていた。愛聴したベートーベンのピアノソナタ「悲愴」のレコードがプレーヤーにかけられ、「貴婦人」と呼んで親しんだ英国製タンノイの大型スピーカーが音を響かせる。週に2日行われるメンテナンスのための「音出し」だったが、音に魅了された人々が次々とスピーカーの前に集まり、みずみずしい音楽に聴きほれた。

五味の遺族の死後、練馬区に譲渡された遺産を同分室が受け継いだ。2014年に開設以来、専用の展示室を設けるだけでなく、聴く機会を増やす努力をしてきた。音出し以外にも、レコードコンサートを夏季を除いて毎月開催。定員20人の募集に2〜3倍の応募が殺到し、北海道から九州・沖縄まで日本中の愛好家が詰めかけるという。

山城千恵子分室長は「今は会えない数十年も前の演奏家の名演を、磨き上げたオーディオで聴いてほしい。五味先生からのすごい贈り物だから、見せるだけでなく音に触れられる『生きている音響遺産』として活用したい」と語る。自治体がオーディオや周辺機器を文化的な財産ととらえ、保管と公開に取り組むのは異例だ。美術品や工芸品なら芸術とみなされるが、オーディオは、持ち主がいかに心血を注いで収集・調整したものでも「工業製品」とみなされ軽んじられがちだった。

だが山城分室長は「オーディオは昭和の生活文化を見る上で重要な資料になる」とみる。「どのように価値づけて活用するかは定まっていないので、私たちが経験を蓄積して1つのモデルになれればいい」東京の文京区立小石川図書館は、音楽遺産活用の先輩格だ。区の方針で1960年代からレコードの収集を開始、2万枚に上る。公立図書館では他にない規模だ。山田万知代館長は「CD化されていない貴重な音源も多く、価値のあるコレクション。広く公開するやり方を探っていきたい」と語る。

これまで貸し出しと、館内での試聴という2通りの方法で運用してきたが、今年1月から新たな試みを始めた。毎週水曜の昼、スタッフが選んだ音盤をレコード室でかける「図書館のレコードの時間」だ。批判も覚悟したが、おおむね好評で、8月から日曜にも実施することにした。

「息吹感じて」
「まったりレコード」と題したレコードコンサートも昨夏から館内のホールで開いている。スタッフのほか、東京・下北沢の中古レコード店の店主らが厳選した名盤をかけて曲の解説を加える。今年も26日に3回目を開催する予定だ。レコードの最盛期は日本人が総中流の夢を持てた昭和中〜後期の60〜80年代。「レコードの音には豊かだった昭和の時代の息吹も込められている。それも感じてもらいたい」と山田館長は話す。

北海道でも97年に開館した新冠町立レ・コード館が地道な活動を続ける。レコードの散逸を憂えて、全国に寄贈を呼びかけていたが、今年5月に目標の100万枚に到達。館内で来館者がお目当ての1枚を探しやすいようにと、現在は全てのレコードの曲名や作曲者名をデータベース化する作業に力を注ぐ。曽我和久施設管理係長は「20世紀の音楽文化を記録した歴史遺産を多くの人に届け、後世に引き継いでいきたい」と意気込む。

<引用終了>

出典Web:http://www.nikkei.com/paper/article/?b=20170821&ng=DGKKZO20119630Y7A810C1BE0P00

蔵書・蔵音盤の類は、集めている人が他界すると、その方の遺族に取りましては大半が邪魔物、という烙印を押されて古本屋に売られるならまだしも、どうかすると廃品回収に出されて散逸していまう事が少なくない訳でありまして。
わたくしもあれこれ本や音盤やらを買い込んでいるのでありますが、カミサンからは「あんたが先に死んだら、皆ブックオフ辺りに叩き売ってやる」と、誠に身の毛がよだつ様な発言を繰り返して居りまして。裏を返せば、「長生きしないと知らないよ」というツンデレであろうと(そうではない可能性も高い、のでありますが、其処は目を瞑って)思う様にして居ります。

CDに左程の天下の珍盤もある訳でもないのですが、あっさり「叩き売ってやる」と明言されると、聊か物悲しいものがありますねえ……嗚呼…・・・・
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