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2016年06月28日10:53

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「将来悲観」息子絞殺の母逮捕

「将来悲観」息子絞殺の母逮捕
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4065195

散見される、「正しい」行動を説く声。

私は、多分この母親と近しく、35で子供を産んだ。
今3歳の娘が30年後、私はこの母親と同じ歳の頃。
これを踏まえる。

子供を育てるのはそれだけで難しい。
20になってくれて、やっと肩の荷が下り、
それでもやっぱりいつも心配だろう。
社会に溶け込めるのか、
厳しさと威圧を履き違えた馬鹿に、尊厳を傷つけられる様な扱いを受けてないか、
恋人に「好き」という気持ちだけを利用されたりはしないか、
友人達に迎合を強制されて苦しんではいないか、
きっとそういう心配は大人になってもしてしまう。
私が、子供が、幾つであっても、その想いは何時だって同じ。

67になり、
子供も一端の大人になって、社会に幾ばくかの貢献をして、生きてくれていたら、万々歳だろう。
少なくとも今現在、私は自分の子供にそういう未来を想像してしまっている。

きっとこの母親もこの息子が3歳の時分、
そうだったろう。

そういう未来をやっぱり想像していただろうし、そうであって欲しいと望んでいた筈。

でもこの親子にはそういう希望する未来は訪れなかった。

だからみんな、こういう苦難の時苦しんでしまうんだし、死を選ぶ人もいるだろう。
未来の希望を何も信じて疑わず、
苦難の可能性を一片たりとも考えた事のない人にとっては、
この絶望は如何ばかりだろうか。

自分が衰えていく中、
体の自由もどんどん効かなくなって、
日々衰えを実感し始める年齢に差し掛かったこの母親にとって、
33歳の失明する息子を支える、というのは、どの位の絶望だったろう。

母親の健康状態によっては、その絶望の深さは計り知れないだろう。
また育児をするのと変わらない。
新しい事を覚え、あらゆる所に付き添い、
支え歩き、常に補助する。
食事の世話、風呂、着替え、トイレ。

67歳だと人によっては、自分が付き添いが必要になって来てるかもしれない。

親も子も、どちらも誰かに助けられなきゃ生きていけない。

それを、「希望を捨てるな」と言える程、
皆は社会に沢山いる、こういう立場の方々に、協力し、助けてあげられてる?

備えてないのが悪い、自己責任だ。

ですか?

本当に?

じゃあ、そういう人は、

自分が失明した時に、ちゃんと自分を保持できる程の蓄え、ある?
点字ブロックの上に自転車止めたりしてない?
盲導犬にイタズラしたり触ったりしてない?
障がい者優先のエレベーターに五体満足のピンヒールの若者やその彼氏が乗り込んでたりしない?

社会に所属する皆は、そういう人達に「失望するな」と勇気を持って正論を振り翳せるほど、自身を律し、行動出来てますか?


自己責任を唱えるならば、
障がいを持つ人や、
妊婦や、
小児連れや、
ベビーカーや、
怪我人や、
病人に、

キッチリ席を譲ったり、補助の手伝いをしたり、点字ブロックの邪魔をしない様にしたり、
バリアフリーの道を塞がない様にしたり、
交通ルール守ったり、
店で走り回る子供を注意したり、
堂々とタバコ吸ってる中高生に注意したり、
歩きタバコの人に注意したり、
etcの、

そういう大人としての社会に対する責任を果たせてる?

…私自身は、全てを果たせてるとは思えない。

全てを自分で完結できる事は、
そりゃ美しいし正しい姿なのかもしれない。
で、人は理念として、そういう理想的な姿を目指すべきなんだろう。

でも自分の事を自分でスマートに済ませるなんて、本当に「理想」で、
実際は人間なんて誰かに助けてもらわなきゃ生きていけない。

その位の格好悪い生き物だから、美しい理想の姿を目指しましょう、
な訳で、
何がなんでも自己責任で押し通しなさいって話じゃない筈なんだけど、

何を履き違えてるのか、そうじゃなきゃ落伍者、甘えだ!
とか、極端な意見になり始めた。

過激な言葉に振り回されて、
それが唯一無二の在り方で、そうじゃなきゃ許されない、許さない。

いつか自分も必要とする筈の、互助なのにね。

社会の在り方が、とてもじゃないけれど、この親子に報いてあげられる状態に無い。
幾らでも差し伸べてくれる手があったなら。

自己責任という重い重い正論を押し付けておいて、
今度は、「希望」という正論で、この母親を責めるんだ…。


死を選ぶ事は悲しいけれど、
そしてそれは確かに間違ってはいるけれど、
だったらこの結果を防ぐ為には、


今後の私達はどう変わればいいの?


そろそろ、そういう風に考えなきゃ、
子供もいない、
障がい者を排除し、
老人に老人を殺させ、

そしていつか自分も伴侶に殺すか殺される

そんな未来しかやってこないと思う。
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