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2018年07月11日09:42

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会いたくても会うことができないあなたへ(再掲)

2年前に年齢制限でドナー登録を卒業するまで年2回届いていた
骨髄バンクの機関紙に掲載されたレシピエントのお話。

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 夏もそろそろ終わりの気配となり、また秋が来ますね。この空が、大地が、
あなたのいる所まで続いていることを思うといても立ってもいられない気持ちに
なります。
 お元気でいらっしゃいますか?

 2008年初夏に突然、余命1年を告げられた私は、その現実に頭が真っ白に
なりました。正常な血液がほとんど造られていない骨髄異形成症候群という
難病でした。
 「なぜ私が?毎日のランニングが日課で、健康を疑うことなく、体力には
絶対の自信があったのに!」絶望が底を打った時、生きることだけを考えて、
どんなにつらくとも病気と闘う決心が固まりました。
  治療法はただ一つ、骨髄移植でした。

 骨髄移植は、白血球の型が一致したドナーから血液のもととなる細胞を
いただかなくてはなりません。兄弟姉妹で合わなければ、他人と一致するのは
気の遠くなるような確率です。

 骨髄バンクで、当時30万人の登録ドナーの中で、一致したのは4人。
その中であなただけが提供のための確認検査を受けてくださいました。

 毎日祈るしかありませんでした。入院中の病室に、あなたと家族の最終同意を
いただいたというFAXを持って主治医がかけつけてくれた時「私は生きられる」と
泣き崩れました。その時のことを思い出すと今でも涙が出ます。
 あなたとこの世の全てにお礼が言いたい気持ちでした。

 移植の当日、あなたの元へ主治医が取りに行ってくれた骨髄液は、
点滴バックから一滴一滴落ちてくるたびに、私に命をふきこんでくれました。
体中が温かくなりました。

 あなたのおかげであれから6年たった今も元気でいます。私は奇跡的にあなたに
助けていただきましたが、病院にはドナーが見つからず病気と闘っている仲間が
います。
  仲間のためにも一人でも多くの人に骨髄バンクに登録していただけるよう、
骨髄バンクの説明員として活動しています。
幸せなことに毎日忙しく過ごしております。

 こうして日常を送っていて、もしかして、どこかであなたとすれ違うかも
しれませんね。
その時、あなたと同じ血が流れている私は、何かピピッと感じるものがある
のでしょうか。
そんな瞬間に出会えたらうれしいです。助けてくださってありがとうございます。

 いつもあなたと、ご家族の健康と幸せを心から願っています。

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見知らぬ恩人に一生感謝していくのでしょう。

掲載されていた機関紙は下記URLで見ることが出来ます。
 骨髄バンクNEWS vol.45 5ページ目
 http://www.jmdp.or.jp/documents/file/07_about_us/banknews/vol45.pdf

吉井怜、骨髄移植から17年経過「感謝しかない」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=8&from=diary&id=5195053
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