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2017年05月04日16:41

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【読んだ本メモ】読書猿『アイデア大全』(フォレスト出版)

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古今東西のアイデア発想法を元ネタを紹介しつつコンパクトにまとめている。
有名な書評ブログを書いている人が記事に書いていたるをベースに書き起こしたものっぽいです。
もとのブログのほうは小難しいこと書いててなに言ってんだかわからないのであんまり読んでないけど、この本は面白かったです。

問題に行き詰まったとき。
考えを整理したいとき。
新しい発想を得たいとき。
情報を整理したいとき。
新しい発想を生み出したいとき。
問題を違った視点で捉えたいとき。
いろんな用途に使えるテクニックがシンプルに解説されています。

仕事に活かすこともできるだろうし、クリエイティブな活動をするヒントにもなるだろう。
もしくは日常のちょっとしてときに考えを整理するにも役にたつでしょう。
なかには普段からこういうやり方してるよってのもあるかもしれないけど、その手法の応用や関連のあるほかの手法についても書いているので、次はこんな考え方でもやってみようって発展的に考えることもできる。

ひと通りざざっと読んで、こんなやり方があるんだねーって知っておくのが良いと思います。
説明を読むだけなら分量は多くない。
そうして、なにか困ったことが起きてどうにも考えに行き詰まったときにその手法のことを思い出せれば、解決に迎えるかもしれない。

問題を目の前にしてるときってその問題のことしか考えられなくなっちゃうことがよくありますけど、考え方を変えたりするとその問題の立て方がおかしかったり、その問題を避けるアプローチがあったりしますもんね。
どうすれば仕事の生産性が上がるか?
を考えると効率のいい仕事の方法を考えることしか考えられませんが、観点を変えていかにすれば他人を手柄を盗めるかってことを考えるといいカモ、みたいなことです。
たとえが悪いか。

それぞれその考え方が生まれた背景や実例が面白いんだよね。
偶然から生まれてノーベル賞クラスのトンでもないこと発見したり。
いくつか、元ネタのほうをガッツリ読んでみたくなったものがありました。

●イギリスの社会人類学者フレーザーが呪術を類似の原理に基づく類感呪術と接触・近接関係に基づく感染呪術に大別したという。
その上で呪術を宗教ではなく科学の前段階として、呪術には行為と結果の因果関係や観念の合理的大系があるのだと指摘したとか。
なんだかすっごく面白そう、『図説金枝篇』が講談社学術文庫で出ているのだね。

●ロマーン・ヤーコブソン『一般言語学』(みすず書房)
失語症にはふたつのタイプがあるのだという。
ひとつは語の言い換えができないタイプ。
もうひとつは、語を繋げて文を作ることができないタイプ。

語の言い換えは類似性に基づくことからメタファーに関係があり、語を繋げて文を作ることは近接性に基づくことからメトニミーに関係がある。
なので、「類似性(メタファー)」と「近接性(メトニミー)」が言語の主軸にあるのだ。
みたいなことが書かれているのだそうで、これまた興味深い。
※メトニミー(換喩)は、概念の隣接性あるいは近接性に基づいて語句の意味を拡張して用いる比喩の一種……たとえば「霞ヶ関」が日本の官庁表す、みたいな。


で、ものの考え方・発想の手段はこの本から学べばいいんだけども、実践するにあたって役立てることができるだろうか。
いざ問題が起きた時に、この本で紹介されている方法でやってみよう!ってのが思い浮かぶだろうか。
そこがまず問題ですよね。
無理やりでもふだんから紹介されているテクニックでいろいろ考える習慣をつけなきゃいけないだろうね。
どうやったら習慣化できるか?
ってのをさっそくこの本で紹介されている方法を以って考えを詰めていけばいいのだな。
そしてあらゆる考え方を駆使してハイパフォーマンスなソリューションをプロバイドできる、意識が天上のいと高きところにあるルーザーになるのだ。
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