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2017年03月29日14:22

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ヤマブドウ

3月26日(日)
夜のゴチソウらしき食事より、朝ごはんがおいしい。東北の旅館あるある。

レンタカーで移動。

小岩井農場へ行く。
冬季は入場無料。
その代わり、動物はほとんどいない。馬に触れる程度。
ソフトクリームを食べる。
牛乳の味わいが素直に伝わる。
おいしい・・・が何かが物足りない。素直すぎるのかな。
多少ジャンキーさが加わったとしても、もう少しコクがあるといいなと思ってしまった。

紫波町を通りかかった際にワイナリーを発見、寄り道する。
町長さんが発起人となって始めたという。十勝ワインと同じですな。
紫波町は、朝と夜の寒暖差が大きく、夏季の雨量が少ないため、ブドウの栽培に適しているとのこと。ヤマブドウとマスカットベリーAの赤ワインと、ヤマ・ソーヴィニョン(ヤマブドウとカベルネソーヴィニョンを掛け合わせた品種)の赤ワインを買う。

(翌日)
大迫町のワイナリー「エーデルワイン」にも寄り道する。つい寄ってしまうな。
シードル(リンゴの発泡酒)、リースリングリオン種(リースリングと甲州の掛け合わせ)の白、ヤマ・ソーヴィニョン種の赤、カベルネフラン種の赤を買う。

シードルがもっとも好奇心ありあり。

カベルネフラン・・・ボルドーにおいてはカベルネソーヴィニョンの補助品種で脇役のイメージ。
なぜ、ソーヴィニョンじゃなくてフランを栽培してるか尋ねたところ、なぜか元々この地にあったとのこと。経緯は分からないが、誰かがいつ頃かにカベルネフランの樹を植えたのだろうとのこと。
これも面白そうだ。


さて、ヤマブドウ種。
T室先生いわく、古くから東北の奥羽山脈沿いに自生するブドウ品種。
本当に意味での「日本の固有種」だ。
おそらくは、縄文人はヤマブドウを収穫してワイン造りを行っていた。
縄文物語では、主人公二人がワイン造りを行う描写がなされる。
中世のヨーロッパのワイン造りとほとんど同じで、ブドウの破砕を足踏みで行い、野生酵母で発酵(要するに、ほったらかし)するというもの。
ヤマブドウそのものの糖分だけではアルコール度数が不足するため、シャプタリゼーション(補糖)が必要と思われるが、縄文物語においてはハチミツで用いていた。

今回、偶然訪れたワイナリー二軒に、ヤマブドウ種100%のワインがあることを期待したが、他品種との混醸か、掛け合わせであるヤマ・ソーヴィニョンを入手したに留まる。

エーデルワイン店長さんが言うには、ヤマブドウ種は寒冷地に強い。
八幡平で栽培が盛んである。
紫波町周辺は、おかげさまでワイン用品種に適する土地なので、ヤマブドウはあまりないとのこと。

日本のワイン造りの起源は、明治初期、なんとか善兵さんが勝海舟にそそのかされて始めたとされる。
当時は、食糧対策の一環という認識であった。つまり、兵站や飢饉に備えた「保存食」としてワインの生産を進めたと、ものの本に書いてあったように思う。
嗜好品としてのワイン造り、町おこしの施策、ツーリズムという考えがでてきたのは、つい最近で30年くらいのことだろうと思う。
シリアスなワイン造りの歴史は驚くほど浅いのだ。

そうすると、確立されたノウハウに頼らざるを得ない。
そのこと自体は問題ではないのだが、フラッグシップワイン(看板となるワイン)に国際品種を採用したり、現代的な製法が主体で、「個性に欠ける」方向を進んでいる印象を受ける。
国内の多くのワイナリーは、ワイン文化の唯一無二の魅力である「土着文化の表れ」と「多様性」が見られない。(もちろん例外はある)

そこで、僕からの提言。
伝統製法によるヤマブドウ種100%のワインを造ってはどうか。
原日本人が、1万年前(?)から造ってきた、本当の日本ワインだ。
日本の真の固有種であり、東北のテロワールを映すワイン。
これは、実に魅力的だ。
コアなワインファンなら一度は買って飲むだろうし、輸出してもっとも成功が期待できるワインとなりうる。

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