警察のいう適切な対応とは？

アイドル 刺傷事件直前に110番
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4008889

島田紳助氏が芸能界から身を引く際、記者会見で暴力団との交際について語っていたが、その時彼は確かこの様なことを言っていたのを記憶している。

あるトラブルに巻き込まれ、個人ではどうすることもできず、警察に頼ることもできず、困った末に、暴力団の方の力を借り、仲介に入って貰った、と。

僕は、今回の事件の一連の報道を読んで、その時の島田紳助氏の弁を思い出した。

トラブルの中には、警察を頼ってもどうしようもないことがある。
それは確かに存在するらしい、ということだ。

被害者の女性は、自身の身の危険を感じ、何度も警察に相談していた。
そればかりでない。
この女性の母親も、わざわざ加害者の居住地である京都まで出向いて、今回のトラブルの相談をしていた、というのだ。

これは余程の事ではないか。
警察はどの程度の緊急性を感じていたのか知らないが、僕には、この女性が相当恐怖感を感じ、何らかの危害が自分に及ぶのではないか、と恐れていたように思えて仕方ない。

そういった状況に対し、本当に警察は今回の対応が適切であったと断言できるのか。
僕には、とてもそうは思えない。

要は適切な対応ではなく、警察には、この程度の対応しか出来ないということなのだ。
本当に適切な対応というのは、こうした被害を未然に防ぐ為に、彼女から相談を受けた時点で動くことを言う。

例えば、その対象の男を呼び出すか、家に行くかして、彼女に近付かないよう警告するか、またはネットの書き込みに対し、脅迫行為で身柄を監視する。
または、彼女の身辺を警護する。

やろうと思えば出来ることだ。
単なる一般市民1人の為に、そこまで警察の人員を割くことは出来ない。
また、違法でもないネットの書き込みに対し、そこまで相手の男を監視することはできない。

まだ、実被害があるわけでもないのに、警察が動くことは出来ない。

きっと僕が思う適切な対応というのは、こうした理由で撥ね付けられてしまうに違いない。
だって、実際問題としてそうなんだから。

ならば、最初から警察は、綺麗事や建前を述べずに、相談者にハッキリとそう言ってあげて欲しい。

我々警察は、貴方が実被害に遭うまでは動きません。
なので、今の時点で、貴方に相談を持ち掛けられても、相談に乗れないのです。
身の危険を感じるのでしたら、警察なんか相談せずに、別の所で自身の身を守って貰って下さい。
警察は、貴方に危害を加えた人間を捕まえることはできますが、貴方の身を守ることはしません、と。

そうハッキリと言ってあげた方が、まだ対処の仕様を考えることができるってもんだ。

つまりは、島田紳助氏の弁は或る意味正しいということ。
警察に相談しても、どうしようもないことがある。
ならば、ヤクザに金を渡して、このようなつきまとい行為をする人間を、ボコボコにして貰い、自分のバックにはこのような人間が付いているんだ、と。
これ以上、自分に近付くようなら、これだけでは済まない。
そう脅して、身を守って貰う方がまだマシってもんだ。

だが、こうしたやり方で、プロダクションが暴力団を頼ったりすれば、大衆は黒い交際なんて言うのだろう。

でも仕方ないのでは。
警察が頼りにならないなら、暴力団を頼りにすることもある。
それが出来ないのに、警察が暴力団排除というのは御門違いだ。
アンタらが出来ないコトを、アンタに代わってやって貰っているのだ。

今の警察の対応では、つまりはそういうことになるんだと思う。