素人考えは危険です。

大阪は地震で大変ですね。崩れた塀について、少しは専門知識がある立場から書かせて頂きます。

オジイサンが潰された石を積み上げた塀には、鉄筋が入ってるようには見えませんでしたね。立派な石を、モルタルで付けただけですから、あれは確実に崩れます。

小学校のブロック塀に潰された女の子は気の毒です。あそこは鉄筋が入ってましたが、高さがあり過ぎて、ブロックの自重で鉄筋がせん断してました。プールを覗かれないように高いブロック塀を積んだのがアダになりましたね。中継動画で検証した限り、控え壁もありませんでした。あんな高さにしたら、倒れますね。

必要があってブロックを高く積む場合は、控え壁を作るのが常識です。また、そうすることが建築施行令によって定められています（ただ、控え壁はジャマ臭いです。なので戸建て住宅のブロック塀には、控え壁がほとんどありません）。ブロックではなく、金属製の仕切りにすれば、強度が高まる上、重量も減らせるので安全性を高めることが出来ます。

石やブロックの塀は、しっかり鉄筋を入れて、建物をぐるっと囲むようにコの字あるいはロの字に造ってれば、ある程度丈夫なんですけど、それでも万全じゃありません。ましてや、事故が起きたブロック塀のように一直線の一の字で、控え壁が無くて、高く積んであって、高所にあったら...　危険物そのものですよ。

以下は、個人的推測です。

建設当初はフェンスだったのが、ある時期以後、変質者対策の声が高まり、高いブロック塀を設置したのではないでしょうか。何故、そう考えるかと言えば、プールの周囲でさえ、通路に面してない部分は鉄製のフェンスだからです（だから別面の連結が無くて崩れてしまったとも言えるんですけど）。

その場合、ブロック塀に鉄筋を入れても、基礎との接合が弱くなりがちなので、造り的にはかなり脆弱になりますね。安全性を重視した場合、あの場所にあんな形で高いブロック塀を作るってのは、あり得ない考えなんです。少なくとも建築の専門家なら。

某事件の後、PTAがヒステリックに騒ぎ始めて、学校がそれにやっつけで対応したら、ああなりましたって臭いがプンプンします（豊洲市場の基礎騒動と同じ悪臭です）。専門知識がある人間が介在した痕跡が見えないんですよ。だとしたら、無知故の悲劇ですね。

以上は、あくまで個人的推察です。でも、結構当ってると思います。ちょうどこの記事書いてる途中に、崩れる前の写真も見ましたが、やはり、あのブロック塀は後付けだと感じました。構造的連続性が見受けられません。

基本的に石やブロックで出来た塀は危険です。阪神・淡路大震災の直後、建築学科の仲間と現地を見に行きましたが、しっかり鉄筋が入ったブロック塀も倒れまくってました。また、石やブロックの塀は、外からの視線が遮られるので、空き巣にも狙われやすくなります。これから家を建てる人は、低めの塀かフェンスで仕切るようにして下さい。

追記
やはり、ブロック塀は後付けでした。 ド素人の考えって恐ろしいですよ。子供の命すら奪ってしまうんです。やっつけで作られたのは、宮崎勤の事件の影響だと思われるのですが、もしそうだとしたら、勤に殺されたことにもなりますね。


■塀倒壊で死亡の女児、「あいさつ当番」へ１人で登校中
(朝日新聞デジタル - 06月18日 17:59)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5161319