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2016年06月20日23:34

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今月のセインティア翔ネタバレ

戦う道を歩むと決めた少女たち。全てを捧げる…固い決意が小波のように静かに揺れる。
☆赤子となり降臨したアテナに迫る危機!

stage35☆決意の刻

人馬宮。射手座のアイオロスは半裸になって寝台に横たわったまま、書物を読み疲れて寝入ってしまっていた。そこに窓辺にフクロウが止まった。その気配にアイオロスの目が覚める。フクロウと視線が合う。
「アテナ…!?」
教皇の間では教皇に化けたサガがフクロウを連れた聖闘少女と相対していた。
息を荒げたサガが言う。
「どけ…。どかねば命はない」
「どきません。この先は先日ご降誕された幼きアテナ様の寝室。お通しするわけにはいきません」
「侍女ごときが…。教皇にはむかうか」
「どうかお引き取りください、教皇。あなたはアテナ様を殺めることなどできません。そしてわたしのことも」
「なに…?」
「わたしは聖闘少女(セインティア)の長オリヴィア。地上にご降誕されるアテナ様の御身にまつわるすべての情報が、「このわたしの中に」記録されております。わたしを殺せば、神話の時代より代々、口伝で継承されてきた膨大な情報をすべて失うことになる。そのような大罪を犯すことなど、教皇、あなたにはできません」
オリヴィアの小宇宙が燃える。
「貴…様…、ただ者ではないな…。侍女ごときがこのような小宇宙…。だが…このわたしは止められぬ!」
十二宮の階段を教皇の間まで上っていたアイオロスは異変に気付いた。
『今の感じ…間違いない!あそこで今なにかが起こっている!これは…アテナの危機だ!』
オリヴィアを排し、ついにサガはアテナの寝室に入った。寝台で眠る赤子に黄金の短剣を振りかざす。
マユラは聖域の下からアテナ神殿を見上げた。地面には、黒髪の少女と赤子のアテナを抱きかかえたフード姿の人物が倒れている。
そして現在。マユラは眠る翔子を見つめていた。
「マユラ様、こちらにいらしたのですね」
美衣とシャオリンが姿を見せる。
「聖域の記録を調べていてわかりました。あなたが13年前の事件に関わっていたということが。マユラ様…あなたはもしや、犠牲になった聖闘少女(セインティア)について、なにかご存じなのでは…?」
オリンポスでは。
エルダは月の神殿外の池に囲まれた「月の牢」に捕らわれていた。円形の列柱の上に丸い屋根と三日月のオブジェを乗せた建物で、中心にある崩れた柱から延びる鎖にエルダはつながれた。
意識を失ったエルダは聖アカデミー崩壊の時の夢を見ていた。
「ミト…ミト!クッ…!くそっ」
「クックックッ…」
背後で蟹座の黄金聖闘士が笑う。
「オレが憎いか?それとも…」
はっとエルダは目を覚ました。
「神殿の外…か?カティアは…?」
『ここは…。そうだ、あたしたちは、あのロボ女たちのボスに、矢を射られて』
ズキッとエルダの左胸が痛んだ。
「うぐッ…!クソッ…!ふざけやがって。こんなもの…ッ!」
エルダは自分の胸に刺さった矢を抜こうとした。
「!?」
『なんだ、この矢!?抜けない…!ぴくりとも動かない!』
「憎悪」と「羨望」
デスマスクの笑う姿が脳裏に浮かぶ。
「くそっ…」
『いやだ…。あたしはそんな…!』
「むだだよ!」
柱の陰から、リュトスがのぞいていた。
「その矢はにんげんのちからじゃぬけない!おとなしくしてろよっ!」
「おまえ…さっきのガキか。…なにしに来やがった」
「ガキじゃない、リュトスだっ。ボクをつまみあげたなまいきなにんげんがどうなったのか、ようすをみにきてやっただけさ!」
「ハッ…、残念だったな、しぶとく生きていて…。…カティアはどこだ?あたしたちを囚らえてどうするつもりだ!」
「もうひとりのおねーさんならあっちの牢につながれているよ。ほんとうならおまえたちはあのとき死んでいたはずだけど、カリスト様はやさしいから」
「あの者たちはまだ幼きアテナ様の侍女。迷い込んだ赤子が粗相をしたからとすぐに殺してはこちらも角が立つ。穢れを清めるチャンスをやろう」
カリストはそう言って二人を牢につながせた。
「清める…だと?」
「そう。その矢はおまえたちの心のフジュンブツってやつをきれいにはかいするんだ。ちょっとしばらくいたいけど…おわったら矢はぬける。そうしたらもういちど神殿にいれてやってもいいってさ!」
「…ハ…。ハハハッ!あのクソ野郎への憎しみを消し去ってくれるってのか。そりゃありがたい!」
エルダが高らかに笑う。
『かならずこの手で仇を討つと誓った…。だがあいつは十二宮の戦いで青銅聖闘士によって倒され…、あたしらの気持ちは宙ぶらりんになった。あいつは正義によって滅ぼされた…。そう納得しようとしていた。なのに』
「ハ…、ハハハ…」
『クックック』
心にデスマスクの笑いが響く。
「Shit!ふざけるな…!」
エルダの怒鳴り声にビクッとリュトスが身をすくませた。
「人がどうにかして片付けようとしていた気持ちを、ほじくり出して、これみよがしに見せつけやがって…!お上品なフリをしてどんだ下劣な嫌がらせだな!」
『許せない…憎い…!あいつが…!?』
「クッ!」
エルダは矢をつかんだ。
「な…なにしてるんだ。むだだっていっただろ!」
「うるさい!この矢から…あいつのいまいましい笑い声が聞こえてくるんだよ!死人のくせに…!わたしをこれ以上、侵食するな…ッ!」
「……!」
エルダは渾身の力を込めて矢を引き抜いた。
カリストは異変に気付いた。
『この小宇宙…月の牢の方角から。やはり間違いではなかった。あの者たちの持ち込んだ「不純物」は男の影だけではない。邪神エリスが地上にばらまいた、人の心の穢れた部分にひっそりと根付く邪神の種。宿主が気づかぬまま少しずつ成長し、なにかのきっかけで、芽吹く…』
エルダの矢傷から蔓が伸びた。シロツメクサとクローバーが舞い散る。目の前に、蟹座の黄金聖闘士が具現化した。
「……。なん…だと…」
「よう…。オレが…なんだって?」
デスマスクが笑う。
「正義の味方気取りの小娘が…。そんなにこのオレに会いたかったとはな!クックック…」
☆冥界はオレの庭!デスマスク登場!


作者コメント:コミックス8巻発売中です!どうぞよろしくお願いします!付録も楽しんで頂けましたら幸いです!


表紙は射手座聖衣の星矢。チャンピオンの描き下ろしイラストもそうだったが、最近の原作者は青銅一軍in黄金聖衣がブームなんかな。
巻頭カラーはエルダ&カティア&カリスト。
駆け付けたアイオロスが半裸だった理由が分かりました(笑)。半裸でベッドで読書してたら寝落ちしてて、そこにアテナからの救援依頼があったらしい。
オリヴィア、何者なんでしょうね?LCのパルティータみたいなアテナの眷属?マユラが見つけたフードの人物と黒髪の少女は…オリヴィアと響子?響子と翔子は血が繋がってないのかな?うーん、いろいろと過去の因縁や謎が出てきましたね。
そしてラストでデスマスク再登場!いやー、エリスの種は良い仕事しますなw!
岡田&手代木&久織の合作付録はこれから読みます。岡田先生の原作小説はチャンピオンクロスにWeb掲載のよう。
次号も楽しみです。

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