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2016年04月19日22:51

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今月のセインティア翔ネタバレ

それぞれがつきつけられる選択…。
運命に抗うことになろうとも、私たちは戦う道を歩みます!
☆エリスは去った…。しかしそれは新たな闘いの始まりだった…。

stage33☆星降る丘にて

エリス神殿の最上部が上昇していく。ムウはそれを見上げていた。
『エリスと…もうひとつ巨大な小宇宙が、邪霊たちを連れて天にのぼっていく…?ここでの目的はすでに果たしたということか…』
「…沙織様!?」
美衣が叫ぶ。彼女が見まもる沙織は眠ったまま涙を流していた。
「翔子…さん…。響…子…さ…」
「沙織様ッ…」
「落ち着きなさい。大丈夫です。アテナは戦いを見ていたのでしょう。つまりアテナの魂はまだ意識を持って生きている。そして今もエリスの力に抗い続けている…。ですが現状では、アテナの力よりエリスの力が優っているということです」
「どうしたら良いのですか…?」
「今はアテナの力を信じるしかありません。そして力を尽くしてアテナと地上を守るのみです。おそらく…本当の戦いは、これからです」
やがてエリス神殿は完全に崩壊し、争いの邪樹がむき出しになった。
聖域。アテナ神殿の奥のベッドに沙織は横たわっていた。侍女の衣装に着替えて水盤を運んできたシャオリンが眠る沙織に毛布をかける。
一方、翔子も意識を失って聖域の家の一つに収容されていた。美衣が彼女の看護を続ける。
「翔子の様子はどうだ?美衣」
「エルダ」
エルダが姿を見せる。
「ひどくうなされていましたけど…先ほど、ようやく落ち着きましたわ」
「そうか…。エリスと直接対峙してこの程度の外傷ですむとはな。強運なヤツだ」
「あるいは…響子の意志かもしれませんわね」
「なに…?」
「わかりませんけれど…。神が人を依代とする場合、元の人格を残すことも多いといいます。もしそうならば…翔子さんは再び、ひどくつらい思いをしたことでしょう」
「たしかにこいつは最後まで響子の…人の心を信じてた。それを裏切られたのかどうかは知らないが…気の毒でたまらないな」
「大切な人を守るためじゃなく倒すために拳を向けるなんてこと、私にはきっとできませんわ」
「あの双子座もどき…あれもエリスが蘇らせたのか?まるでもうひとりの邪神のようだったぞ…!」
「ええ…おそらく。対峙した黄金聖闘士のお話によれば、教皇サガの悪の人格の成れの果てだと…。もし本当にそうならば沙織様にとってもお辛い戦いになるでしょう」
「……。クソっ…。エリス…!」
「でもまあ、良かったじゃないですか!皆さん無事で帰ってこれたんですから!」
シャオが明るく言って入って来た。彼女は大きな皿を持っていた。
「…シャオリン」
「敵が姿を眩ましているうちに…次の戦いにそなえて、まずは元気!出しましょう!」
エルダと美衣はシャオが運んできた料理を口にした。
「おっ、なんだ、これは?」
「レモンスープとオリーブの塩漬けです!どうぞ召し上がれv栄養たっぷりで元気出ますよぉ」
「ん…美味いな!ありがたく頂くよ!」
「シャオ…あなた大丈夫なの?戻ってからほとんど休まず、動いているのではなくて?」
「大丈夫ですよ!センパイたちと違ってわたしは…気を失っていただけですから!これくらいさせてください」
シャオはそういって盆を持って下がっていった。
「おい…あいつは?カティアはどこだ?」
「え?ここには来てませんわ。身を清めた後、どこかに行ったようですけれど…」
「……」
カティアは白羊宮でムウの前にひざまずいていた。
「どういうことでしょうか。スターヒルへの立ち入りを許可して欲しいとは…?冠座(ノーザンクラウン)のカティア。教皇しか立ち入ることのできない聖域最大の禁区スターヒル。そこになんの用があるのです?」
「エリスの小宇宙は依然として地上を覆い…予断を許さない状況です。ですがアテナ様が目覚めない今、エリスへの対抗手段が不足しているのは明白かと。その解決の糸口はスターヒルにあるはずです」
「なるほど。たしかにあなたの言うとおり…今のわたしたちには足りないものがあります。神の力を宿す「神器」。不滅の魂を持つ「神」を確実に倒すための手段です。アテナや聖闘士たちはしばしばこれを使い、強大な神々に勝利してきました」
ポセイドンを封印した壺、双子神を封印した箱、黄金の短剣、射手座の黄金の矢…。
「エリスを倒すため有効ななんらかの神器…。スターヒルにその記録が残されている可能性はあります。しかし…なにか確実な根拠でもあるのですか?」
「サガ様のお言葉です」
「!」
「わたしは一時期、聖域にてサガ様のお側に仕えておりました。そして聖域を離れるとき、あの方は私に仰ったのです」
『アテナが聖域に戻るとき、おそらくわたしはここにいないだろう。その時アテナに伝えてほしい。スターヒルを訪れるようにと。そこにわたしの大いなる罪と、アテナにお返しせねばならぬすべてがある』
「…サガが…そんなことを?」
「…はい。わたしはサガ様のお言葉を信じています。彼の地には必ず今のアテナ様に必要な何かがあるはず…。それを必ず探し出して参ります!」
「……。わかりました。ですが本当によろしいのですか?お分かりのようにスターヒルは聖域最大の禁区。黄金聖闘士でも立ち入ることは困難と言われているのですよ。そして無事、辿り着いたとしてもそこにあるのは聖域の膨大な記録。一介の聖闘士が知ってはならぬ情報の在り処とも言えます。…これがどういう意味がわかりますか」
「承知の上です。無事に成し遂げたあとはこの命…切り捨てられてもかまわぬ覚悟です。今、聖闘士たちにはエリスの侵攻に備え、アテナ様を万全に守護していただかなくてはなりません。この役目は聖闘少女(セインティア)がふさわしいのです!」
「…あなたひとりの力で成し遂げることができるでしょうか」
「やってみます。ですからどうか」
「わたしども聖闘少女(セインティア)にお任せくださいませ。このカシオペア座のエルダも同行しますゆえ」
カティアの横にエルダもひざまずいた。
「エルダ…!?」
「このカティアが一人で挑み、もし道中でのたれ死んでは全てが台無し。ふたりで力を合わせ必ず役目を果たして見せます」
「わかりました。ではあなたたちに任せることにしましょう。それと…禁を犯す罪をさばくのは私ではなくアテナです。誤解なきよう。頼みますよ。アテナの聖闘少女(セインティア)たちよ」
「はい!」
二人は白羊宮を辞した。
「すまない…。付き合わせてしまうことになった」
「気にするな。神殿での借りを返しただけさ。それにお前の話が本当なら協力すべきだと判断した…。そんなことより、なんでこんな重要なことを相談もなくひとりでやろうとした?」
「……。アリシアは怪我をしているし、シャオリンには荷が重い。お前は…聖闘士たちと同じようにアテナ様を護るため残るべきだ」
「はっ。そんなもっともらしいこと言ってお前…。あたりたちにまだ負い目を感じていて言いだせなかったんじゃないだろうな?」
「……。それもある。わたしはお前たちに対しても償いきれないことをした…。それに、これは結局はわたしの…個人的な願いが含まれてるかもしれないからだ」
エリス神殿で見たサガの姿がカティアの中にはある。
「……。まぁお前があの教皇についていたと聴いた時は怒りに燃えたさ。まだ納得できていないことだってある」
デスマスクに破壊された聖アカデミーのことがエルダの記憶には残っている。
「…だがな、これだけは言っておく。信じたなら信じろ!自分は正しいと堂々と貫け!そうすりゃいくらでも腹を立てられる…!コソコソ動かれてあげく死なれたらこっちはたまったもんじゃないんだよ!」
カティアが笑う。
「…フッ、その通りだな。お前に気を遣われても気色悪い」
「…ハッ。二度とお前の肩は持たないからな!」
二人は聖衣を着て、美衣とシャオリンに挨拶をした。
「…では行ってくる。かならず無事に戻る。それまでアテナ様を頼む!」
「はい!お気をつけて」
「いってらっしゃいませ」
カティアとエルダを見送った美衣とシャオは神殿の下でたたずんでいた。
「シャオ?」
「…悔しいです。わたしの元気は有り余っているのに、またお役に立てないことが悔しいです」
「…シャオ。あなたにだって私たちは十分助けられているのよ。昨日だって…」
「ありがとうございます、美衣センパイ。でもわたしだって、アテナの聖闘少女(セインティア)なんですよ?」
スターヒル。
エルダとカティアは断崖絶壁を上っていた。
『体が…ひどく重い』
『強大な結界のような力が上からのしかかってくる…!』
『ふたりの小宇宙を最大に燃やして、押しのけていくしかない…!』
二人はとうとう頂上についた。
「うう…」
「なんとか…頂上にたどり着いたな」
頂上には塔と書斎小屋がある。
「建物がある…行ってみよう」
「教皇の書斎があるはずだ。おそらくそこになにかが…」
その時、二人は小宇宙を感じた。
「うっ」
「!?」
『これは…小宇宙!?』
『なにかとても気高く清廉な小宇宙が…わたしたちを包んでくる…!』
二人の頭に声が響いた。
「聖闘少女(セインティア)たちよ…。あなたたちの訪れを待っていました」
『小宇宙で直接語りかけてくる…』
『この声は一体…!?』
「こっちか…?」
『建物の方からではない…』
『あたしたちを静かにいざなっている』
『これが…サガ様の遺したもの…?』
一羽のフクロウが空を飛んだ。美しい満月が輝いている。
「…梟?」
「……。…エルダ。わかった気がするぞ…。わたしたちを呼ぶこの声の主は…」
カティアの視線の先には月がある。
「!?」
美衣とシャオは沙織の世話をしながらカティアとエルダを気遣っていた。
「気になりますわね」
「え?」
「カティアの言っていたことですわ。スターヒルにある教皇がアテナ様に返すべきものとは…なにかしら」
「つまりアテナ様からなにかを奪い、スターヒルに隠していたということですよね?黄金の杖のように、お傍に持つ道具みたいなものでしょうか?」
「つねにお傍に…。……!」
『まさか』
エルダとカティアはどこかに飛ばされていた。
「…うっ」
「な…なにが起こったんだ…?」
「わからん。突然、時空がゆらいだような…」
「!?」
「ここは一体…、どこだ…!?」
二人の視線の先には、巨大な満月を背にした長い道のりと雄大なピラミッドのような建物があった。
フクロウが二人を案内するように飛ぶ。
「さあ…行きなさい、月の神殿へ…」
☆まさか向かう先は月の女神…!?


作者コメント:初めて靖国神社でのお花見を体験しました。賑やかだった!


セインティア、新章突入です。今月は通販でREDを買ったので発売日に入手できました。
キトン姿のセインティアたち、華やかですが…エルダ、ボーイッシュすぎてなんか似合わないw
そしてまさかのアルテミス神殿!?アルテミスお姉様も参戦するの!?
サガがスターヒルに隠したもの…なんでしょうね。「隠した罪」はシオンのことだよなぁ…。なんか善のほうのサガも残留思念かなんかで出てきそうな気がする。っていうか、出てきてほしいw

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