mixiユーザー(id:4632969)

2015年05月12日22:28

2926 view

今月のLC外伝ネタバレ

◆聖域に降り立った時の神カイロスに牡牛座のテネオは!?
絶望を希望へと変えるため、その思いは紡がれてゆく。

シオン編第6話 反抗者たち

カイロスの言葉にテネオは怒りに震えた。
「育ちつつある聖域を時の牢獄に封じただと…?おまえの身勝手な野望のために…!?許さない…」
「許されるんだなァ、これが…!なんたって、神だからなァ…」
カイロスがテネオを吹っ飛ばす。
「ぐあ…ッ」
「さぁ、これから俺ァ迎えに行かなきゃなんねェんだよ。俺の可愛い息子のテンマをなァ!」
中国、五老峰。滝に打たれる天秤座の聖衣が共鳴した。
「…これは…、天秤座の聖衣が共鳴している…。それに…今またはるか時空の彼方から感じるこれは…。懐かしい小宇宙…」
それはアテナ・サーシャと、天馬星座の…。
「シオンよ、聖域は今どうなっておる。わしの声はまだ届いておるか…?」
教皇の間で黄金聖衣の聖衣箱に取り囲まれているシオンに、童虎の声が届いた。
「ああ。届いてる、童虎。こちらでも突然、聖衣達がざわつき始めた。皆感じ取とっているのだ…。あの二人の小宇宙を…。こんな感覚、あの時以来だ」
「…ああ。あの聖戦の最後の戦い」
「この懐かしい小宇宙も…!」
「…そうじゃ…。生きていて欲しいと…ずっと思っておった…。聖戦において行方知れずとなっていた彼らが…、天馬星座(テンマ)と戦女神(アテナ)様がこの聖域に帰還しようとしているのだ…!。テンマは…奴は地上でまた会おうと死地へ消えた。もし本当に生きているのならば、今度こそ三人で穏やかに生きて欲しかった」
「ああ。彼らは聖戦であまりに傷つき多くを失いすぎた…。…だがこれで分かった。あの悪魔が何故今のタイミングで聖域へやって来たのかがな。奴の狙いは聖域の消失と今また帰還する天馬星座のテンマ!神聖衣を纏った神殺しの天馬星座を今度こそ奪い操る為だ…!」
「!?どういうことじゃ…!?」
「聞け童虎。多くの聖衣達が語ってくれたことだ。奴は天界から地上へ追放され半神半人で流浪する存在よ。奴は自分を追放したクロノスと天界そのものへの復讐を企ててきた。テンマはその企ての為、奴の息子に生まれさせられたのだ。自分が好きに綾るれる神殺しとして天界を混乱の渦に巻き込むためにな!」
「…な…!」
「奴の目的はハーデスや巨人達との聖戦どころではない。天界のゼウスもクロノスも巻き込んだ神々の戦いとなる…そうなれば、恐らく地上は消し飛ぶ」
「…ッ。シオンよ…!」
「いいや、童虎、お前はそこを動いてはならん!それが務めよ!」
立ち上がろうとした童虎をシオンがとめた。童虎の拳が震える。
「だが黙っていられるか…。そ奴、地上も天界も…テンマの運命も弄ぼうというのだぞ!」
「……。そうだ、奴は絶対に許されるべきではない」
牡羊座の聖衣箱にシオンが触れる。
「だがお前はお前の務めを果たさねばならん。聖域を守り天馬星座を守るのは私の務めよ。未来は消させん。聖戦(あ)の時のようにな」
『シオンの小宇宙が途絶えた…』
 童虎は悔しさに震えた。
時の牢獄に封じられた聖域ではあらゆる人々の動きが止まっていた。テネオがまとっている牡牛座の黄金聖衣の共鳴に気付いた。
「今…、聖衣から共鳴音が…」
『それに…懐かしい小宇宙が近づいてくるのを感じる…。…まさか…』
その小宇宙は、アテナとテンマのものだった。
「!」
カイロスがテネオに蹴りを食らわせた。
「ぐ…、あ…」
「オイオイ、余所見すんならハナから立ち上がろうとすんじゃねェよ。言ったろうがよ、俺ァ早く可愛いテンマちゃんを迎えに行きてェってよ」
「黙れ…!これ以上その口でテンマさんの名を汚すな…!テンマさんを操って天界を引っ掻き回すだと…!?あの人が聖戦でどれだけ多くの「死」に…戦いに苛まれたのか分からないのか…?
「お、お?」
テネオは立ち上がり、カイロスを投げ飛ばした。
「これ以上…あの人を苦しめることは許さない…!」
「うおっとォ…!」
カイロスは柱にぶつかる寸前で動きを止め、逆さまになったまま空中に浮いた。
「んははははは。面白いこと言うじゃねぇか。人間なんざポコポコ生まれて死んでくもんじゃねえか。!苛まれただ!?苦しいだ?それを喜劇に見れねえテンマ(あいつ)がどうかしてるだけさ!何でそれに俺が気ィ遣わにゃいけねえの!」
「…ッ。それが神の理屈か…」
テネオの手に光球が現れ、カイロスを襲った。次々に繰り出される光球をカイロスはよけた。
「おほっ…。んははは、怖ェ怖ェ!そんだけ気合入ってりゃ、時の牢獄(ココ)の中でも数十年は退屈しないぜ!ああそうだ。外からサーシャ様(アテナ)の死体くらいは投げ込んでやるよ。テンマ以外には用はねェんだわ」
「逃がしはしない…!」
「ああ?」
テネオの撃った光球はそのまま宙に浮いていた。七つの光球から放たれた雷がカイロスを襲った。
「プレアデスノヴァ!」
「ぎゃあああーッ!さっき投げた衝撃波か、これは…?光球…スターダストレボリューションか!・」
「いいや!だがこれはシオン様に師事し編み出した技。七つの星が雷と共に縦横無尽に大気を裂くのだ。お前のような神をおれは絶対に許せない…。必ず…お前はここで倒す…!」
雷とともにカイロスは地面に叩き付けられた。
「やってくれたじゃねえか…クソガキが。調子に乗るなよーッ」
だがその時、カイロスの足元の地面が割れた。
「あ?っておい…。まさか…」
「タイタンズノヴァ!」
「ぎゃあああ!外道か、テメエはー!」
割れた地面の中にカイロスは沈んだ。
「ハァ、ハァ。やったか…?」
テネオは自分の両手を握りしめた。
『怒りがまだ収まらない。あれが神の傲慢さ…人の命を何とも思わない』
呼吸を整え、拳を開く。
『…いや…。冷静になれ。相手は神。油断するな。今はただ聖域を…皆を守る為戦う…』
カイロスのシルクハットが落ちているのをテネオは見つけた。
「!」
闇が渦巻き、テネオを取り囲んだ。
「なにィ…!?お前…まだ…」
カイロスが姿を現す。
「んはははは。気が済んだかよ。こちとら体は生身なんだからよ!ちょーっとやりすぎだぜ!でもまあ嫌いじゃねェぜ。テメエみたいなわかり易い真面目君!だってよォ」
『まさか…!』
カイロスは動きを止められている候補生たちに狙いを定めた。闇が彼らを襲う。
「いくらだってつけ入れるからなァーッ!」
「卑劣な…!」
テネオは走り、カイロスの攻撃から身をもって候補生たちをかばった。
「んはははは、やっぱり止めに入りやがったな!?テメエみたいな真面目君は大抵これでケチがつくもんなァ!ほらほらそのガキ共は未来の聖域を担うんだろ?アルデバランとかいうデカブツに誓ったんだろ>?だったらしっかり守んねゼとなァーッ!」
「うおおぉおお」
「ケッ。手こずらせんじゃねえよ」
だがテネオはカイロスロスの攻撃から仲間達を守り通した。
「お前…みたいな神に、これ以上…好きにさせるか…。あの時のように、あの時のように…!」
ハーデス、いやアローンに誘い込まれて、仲間たちを全滅させられた時のように。
「この聖域はシオン様が、テンマさんや皆が残してくれた場所だ…。お前のような神に…唯一抗える場所。テンマさん達の…俺達の帰る場所」
候補生時代のテンマとの思い出が脳裏をよぎる・
「壊させな…い…」
そしてテネオは立ったまま気絶した。
「んはっ。ろくに意識もねェのに大したもんだぜ!美しいねえ。格好良いねえ!ぐっちゃぐちゃにしてやりてェ!」
カイロスが指先に力を込める。
「テメエみたいな奴の人生狂わせるのが一番面白ェ。このまま闇植えつけてシオン様の隣に置いといたらどうなるか。考えただけで笑いが止まらねェぜーッ!」
カイロスが闇の一滴をテネオに落とそうとしたとき、星の光が彼らを包んだ。
「なにィ!?何だこの光…。体が消える…!」
「テネオよ」
シオンの声がテネオに届く。
「シオン様」
「遅くなってすまなかったな。よくこの悪魔を引きとめてくれた」
「いえ…この俺が至らないばかりに、シオン様のお手を煩わせてしまうことに…」
「良い。その悪魔とは因縁がある。後は私にまかせてくれ」
シオンの手が二人を包み込む。
「聖域は、私が守る」
星の光が消える。カイロスは、アテナ神殿に転移させられていた。最奥にあるはずのアテナ像は、今はない。それはサーシャとともに行方不明になっていたままだった。
「!」
アテナ神殿で法衣姿のシオンがカイロスを待ち受けていた。
「んははははは。テネオ君を救う為にスターライトエクスティンクションでテレポートさせたか。しかもアテナ神殿たァ厚待遇だ。演出もばっちりじゃねえか。テメェが殺される為のなァー!」
カイロスの闇がシオンを襲う。シオンはそれを片手で払った。
「勘違いするな、カイロス。私がお前をここへ呼んだのは私がテンマとアテナ様を迎える為よ。お前は多くの人間の運命を踏みにじり、そしてあの聖戦の歯車すら狂わせた。お前だけは絶対野放しにはできん。その罪、今ここで償わせてやろう」
「ハッ!人間のテメェが?神である俺を裁くってのかよ」
「いいや。お前を裁くのは私ではない」
「!?」
「お前を裁くのはテンマとアテナ様よ。私はその場を整え、見届けるのみ」
アテナと天馬星座の帰還が近づいていた。
◆次号、シオンvsカイロス最終決戦ッ!センターカラーで登場!


作者コメント:インターステラーが最高すぎます。サントラも素敵!


シオン外伝、最終局面に向けて盛り上がってきました。次回で終わりとは書いてないし、あと二話くらい?
カイロス、アスプロスを悪魔呼ばわりしたのに続き、テネオを外道呼ばわり。なんというお前が言うなw
テネオ…立派になって…(涙)。シオンもさすがの貫禄。この二人の聖域復興に関する苦労は並大抵ではなかったろうなぁ。
それでアテナ神殿が出てきましたが、女神像(アテナの聖衣)がありません。サーシャとともに行方不明っぽいです。聖衣が聖域に帰ってこなかった=生死不明、ってことみたい。次回…ひょっとしたら天馬星座とアテナの聖衣だけが聖域に帰って来るって展開もあるのかな?
LC外伝13巻、6月8日発売予定。「シオンは、聖戦の裏で暗躍する神の目論見を超え、その聖衣を纏えるか!聖衣との高い同調能力が故に、師より牡羊座の黄金継承を認められぬシオン。その聖衣が纏う絶望の記憶とは…!?」

次へhttp://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=4632969&id=1943067289
前へhttp://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=4632969&id=1940905630
一覧http://mixi.jp/view_diary.pl?owner_id=4632969&id=1923060427
4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2015年05月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

最近の日記