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2015年04月11日16:20

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今月のLC外伝ネタバレ

◆神(カイロス)の支配を振り払えッ!

シオン編:第5話「リターン」

シオンが言う。
「去れ、カイロスよ。これ以上アヴニールの…牡羊座の聖衣に巣食い続けることは許さない…!たとえ貴様が神でもな…!」
星屑が回転する。
「ち…ちくしょおおおーッ!」
カイロスの分身が撃破された。
その影響はマニゴルドと戦うカイロスの分身にも表れた。
「カイロスの動きが止まった…」
分身が歪み、中から星屑が吐き出された。
「これは…星クズが…!内からカイロスを引き裂く…ってことは…!戻ってこい!シオンー!」
マニゴルドが積尸気を放つ。牡羊座の聖衣箱の中から黄金聖衣とシオンの肉体、そして彼の魂が現れた。
「オラ、入れェ!」
シオンの魂が肉体に戻る。彼の体に牡羊座の聖衣が装着される。
「よし!戻ったな…!」
「良かった…!牡羊座の聖衣も…、また…」
だがカイロスの分身がうごめいた。
「やりやがったな、ガキ共…。だがこのままシオン様を帰すわけにゃいかねェんだよ…!んははははは!分身と花火は使いようってな!この辺一帯サッパリするぜ!」
「こいつ…、早くこっち来い、シオン!」
「効かねェことは分かってたろうが、蟹ィ…、そら、ドカーンだーッ!」
カイロスの分身が膨らむ。
「くそ…逃げ切れねェーッ!」
その時、透明な壁がカイロスの前に出現した。
「なにィ!?」
「…!?」
「何だ…このアメ細工…。邪魔くせェ〜ッ!」
「クリスタルウォール!お前はこのクリスタルの壁からこちらへは決して来られはしない。去れ、カイロス!もう私達を翻弄することは許さない…!」
「この…、くそガキャ〜」
そしてクリスタルウォールの向こう側でカイロスの分身は爆発し、消失した。同時に時間の止まっていた村の人々は、急速に老化し、ミイラとなり、倒れた。
そこから遠く離れた彼方の地、メフィストフェレスの杳馬は大樹の上で笑った。
「んは?んはははははは!んはははは!オイラの分身、無駄死に!んはははは!流石シオン様!」
杳馬は木の枝を蹴り飛ばした。
「…なんて笑って許すばっかじゃねェのよ、俺も。あんのクソガキがァ〜。まあ、良いさ。テメェを消す物語の分岐点はまだあるんだ。テメェら人間には見えねェ並行世界のつなぎ目よ。神に目ェつけられるってなァ、怖ェことなんだぜ?これで終わりなわけがねェ」
マニゴルド、シオン、ユーゴはクリスタルウォールの中でカイロスの分身の爆発をやり過ごした。
「耐え切れたか…?」
「…ああ…」
ユーゴが倒れる。
「ユーゴ!」
彼の手は急速に干からび、老いはじめた。
「マニゴルド…、ユーゴの腕が…!」
「…仕方ねェ。カイロスの止めてた時間が戻って体が急速に老いていってるんだ。何百年も時の牢獄(ここ)に閉じ込められて生きたこいつらには分かっていたことさ」
「…ッ」
「その通りです、シオン。これは私達がずっと望んでいたこと…。貴方方はただそれを叶えてくれただけのことですよ」
「ユ…」
ユーゴの老いは顔にも表れ、深いしわが刻まれていった。
「泣いてはいけません。これから先こんなこと沢山起きます。貴方はこの聖衣と共にそれらを超えていかねばならない。あの悪魔に多少やられたようですが…」
「…ッ。この程度…。すぐに修復してみせます。いくら欠けても砕けても、永い時間を渡れるように」
「そうでしたね。貴方方はハクレイとセージの弟子なのですから…」
『ああ。このまま目を閉じれば会える予感がする。過去にいる仲間達。未来にいる仲間達。僕は、やっと還れるのだろう』
そしてユーゴは白骨と化した。
シオンが骨となった手を取る。
「慣れていると思っていた…」
「ああん?」
「私は聖衣を通して多くの聖闘士の生涯を見た。アヴニールの過去にも胸が引き裂かれそうだったのに…。私は何にも理解(わか)ってはいなかった。現実の人との別れなど…ッ…」
そうしてシオンは涙を流した。
「やめろ!だからってあんまり引きずるな!」
マニゴルドがシオンの頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「ユーゴ(こいつ)も言っていたろ!こんなこと、これから俺達には何度だってある!早く慣れろ!」
「……。これは慣れるものなのか?」
「知らねェよ。だけど皆どっかに押し込めて何とかやってる。「死」に奪われた奴らへの気持ちはな」
「……。お前はどうなんだ、マニゴルド」
「うるせーよ!余計なこと勘繰ってねェでとっとと聖域に帰るぞ!このこともお師匠に報告しなきゃなんねェ!」
そしてマニゴルドは真剣な顔になった。
「あんたの弟子のマニゴルドは、神の分身にすら歯が立ちませんでしたってな」
「……」
『これが聖戦』
ジャミールの館でハクレイは事態の収束に気付いた。
「消失していたシオンとマニゴルドの小宇宙が戻った。そしてアヴニールの小宇宙も…」
それは聖域のセージにも伝わった。
「…ええ。シオンはついにアヴニールの牡羊座の聖衣を手にしたようですま」
「セージよ…、アヴニール達は未来へ帰れたのじゃろうか」
「…さて。それが彼ら時を超えた者らの願いでしたからね。たとえ平和に生まれ変わっていても、滅んだままにしても、最後はあの未来に帰りたいと」
「そうじゃ。だからわしらは語ったのじゃ。我ら一族に伝わるムーの文明と遺産の話を。時を超える技術など夢物語に等しい。だが神の力と高度文明の融合したムーにはそれを実現する技術があるやもしれぬと。アヴニールは大層その話を気に入っていたの」
「ええ。この時代での自分達の、最後の場所に選ぶほどに」
「結局時を超える術はそれこそ時の神達にしか分からぬ。わしら人間はただ与えられた世界と命の中で時間を辿るしかない」
「それが唯一の未来を変える方法」
「そうじゃ。望む未来を強く願い(イメージ)しながらな。かつてのわしらやアヴニールのように」
それから約20年後。五老峰。
滝の前に坐した童虎は流星が空をかけるのを察知した。
「…!今、魔星を封じた塔から何か飛び立った…。気のせいか…いや…。気のせいではない…!早過ぎる…!聖戦が終わってからまだ14年しか経っておらんのに…」
童虎はすぐさま聖域のシオンに呼びかけた。
「シオン…!聞こえているか、シオンよ…!今まさに聖域に邪悪な小宇宙が向っておる…!早々に臨戦態勢に入るが良い…!シオンよ!」
教皇の玉座の上でシオンは目を開けた。
「聞こえているよ、童虎。この小宇宙、多少馴染みがある。育ちつつある聖域の新芽を踏み散らかせぬ!あの薄汚い悪魔にははな!」
そして流星は聖域に落下した。金牛宮のテネオが気付く。
『敵襲か…!?巨大な流星のようなものが十二宮近くに落ちた…。あそこではまだ弟子たちが習練しているはず…!無事でいてくれ…!』
テネオは宮を駆けだした。
「テネオ先生…!」
「牡牛座様、大変です!」
「何事だ!?」
「わ、分かりません!目の前が光ったと思ったら…。皆急に石像のように動かなく…な…って…」
「レナー!?」
テネオの目の前で白銀聖闘士や候補生たちが動きを止めた。
「ど…どうした皆…!?…そんな…。皆凍てついたように停止した…。この状態…まさか…。シオン様が聖衣継承の時に迷い込んだという…」
「んははははは。死に損ないのテネオ君は流石に真面目だねェ」
石柱の上に男がいた。シルクハットをかぶり、壊れた冥衣を身に着けている。
「教皇シオン様の話は一言もらさず覚えてるってか」
「…この子達の動きを奪ったのはお前か…。何者だ!?この子達に何をした!?」
「俺は何もしてねェよ。こいつらの時間が止まったのはこいつらの小宇宙が弱いせいさ」
「!?」
「今やこの聖域は俺の結界「時の牢獄」の中よ!何者かって言ってくれたな」
男は立ち上がった。
「俺は神!時の神カイロスだよ!これでこの聖域は現世から完全に隔離されたぜ!んはははははは…!」
「…な…。そんな…カイロスだと…!?お前…確か先の聖戦で双子座のアスプロス様に封じられたと…」
カイロスが冷や汗を流す。
「おいおい、あいつの話はするんじゃねェよ。思い出したくもねェ…あの悪魔…!神の道でズタズタにされたこの体の時間戻すのも、あのクソ数珠玉から抜けるのも苦労したんだぜ…」
「馬鹿な…だが何故今頃…」
「ここが最後の分岐点だからよ」
「!?」
「今育ちつつあるこの聖域を消せば、未来の天馬星座は誕生しない。いや…それどころかアテナは自分も持たずハーデスに殺(や)られて一巻の終わりさ。そうすりゃ神聖衣を持つ天馬星座はこの時代のテンマで決まりだ」
「何を言ってる…?テンマさんは聖戦ですでに…」
「いいや、奴の小宇宙はまだ感じるぜ。流石はオイラの可愛い息子ちゃん」
「…!」
「そうすりゃ今度こそ奴を引き連れて天界を引っかき回す。今度こそしっかりプロデュースしてやるぜェーッ!んはははははーッ!」
「くっ…。そんなこと許されるはずがない…!」
テネオは拳に力をためた。カイロスの立つ石柱を打ち砕く。
「許されるんだな、これが…。何たって、俺ァ神!だからな!」
◆自戒せぬゆえに神か!?


作者コメント:うーん、『聖闘士星矢-黄金魂 soul of gold-』、楽しみだ!


まさかのカイロス復活です。パルティ―タちゃん、ちゃんと監視してなきゃダメじゃん…。
悪魔に「悪魔」呼ばわりされるアスプロス兄さんwどんだけトラウマになってんだ、カイロスwww
そんでテンマも生きてるらしい。まさかの展開。
カイロスの最後っ屁が「サガの乱」につながるとか?
シオン外伝、まさかまさかの展開で目が離せん!

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