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2015年02月12日18:16

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今月のLC外伝ネタバレ

◆封印された牡羊座の聖衣。その首謀者はやはり…!?
聖戦という至高の大舞台(ステージ)!突如現れた狂気の演出家がその序幕(プロローグ)を高らかに謳う!

シオン編第3話 クロス・ロード

シルクハットにタキシード姿の男が名乗った。
「俺の名は「カイロス」。案内してくんな」
「カイロスだと…」
「な…何人だ…?」
「だから何回も言わせねェで貰いてェなァ。牡羊座の聖衣だって、言ってんじゃねェのかよオォ!」
タキシードの下から時計の針が現れる。闇をまとったカイロスが人々を吹き飛ばす。
「なんだお前…!」
「敵か…!?」
闇は人々の時間を止めて行く。
「んははははは!何処だ何処だァ!?牡羊座の聖衣はよォーッ!メッキ剥がして粒子にしてやんよォーッ」
カイロスは地下室への入り口を見つけた。
「んははっ。かすかに感じだぜ…。黄金と…、あのクソ野郎の小宇宙だ…。んははは、ゴール!」
地下室に飛び込んだカイロスを炎が襲った。
「んぎゃ!ぶはっ。何だァ!?」
「これ以上アヴニール様の眠りを荒させはしない!このケンタウロス座のユーゴがな!」
チベットの民族衣装を着た炎を操る男が立ちはだかった。
「ああ?おい兄ちゃん。人がせーっかく気持ち良く踊ってんのによ。邪魔すんのは野暮じゃねェのか?」
「減らず口を…!」
「リワインドバイオー!」
ユーゴの時間が巻き戻され、彼は子供の姿になった。
『体が子供に…?馬鹿な…!』
倒れたユーゴの背をカイロスが踏む。
「ぐああ!」
「んははははァ。今テメェの体内時間を戻した。胎児まで戻しゃあ、もちっと可愛い気あったろうがよ。…だがデッケェ花火にゃあ、観客が必要だ。そう思わねェか、んははは!」
「やめ…、やめろー!」
カイロスが力を発動させる。空間に時計の文字盤が現れた。
「…っ」
「ケッ!やっぱ護られやがる…破壊には至らずか…。だが、この聖衣、時間の狭間に封じてやったぜ。これでもうこいつは過去にも未来にも逃がせねェ。これ以上テメェの良いようにはさせねェぜ、クロノス!」
「封印だと…。お前は…?」
「んはは?テメェも可哀想になァ。クロノスに一杯食わされて牡羊座のまきぞえでこんなとこに来て…。だけど喜びな。この封印はテメェとこの土地に華ァ供えてくれるぜ。「時よ留まれ」だ。美しかねーがな」
「…!」
「好きだろ?人間はこういうの!感謝しろよ、永遠にな!この俺(カイロス)の名と共になーッ!」
「…やめてくれ。これ以上はもう、僕たちを翻弄しないでくれェーッ!」
そしてシオンとマニゴルドの前に現れた少年ユーゴが語る。
「その日からこの町は時間の流れから隔絶されました。この牡羊座の聖衣と共に…」
「おい…、ちょっと待てよ」
マニゴルドが青ざめる。
「その話だとこの封印にゃあクロノスとカイロス、時の大神二人がからんでるってのか?こんなの俺とこんなガキ二人で何とか出来るわきゃねェだろ!?」
「……」
シオンは沈黙している。
「…だけど貴方方はここへ来た」
「!」
「神に閉ざされたこの場所にですよ!?確証はありません。無茶なことを言っていると分かっています。…だけど!こんな絶望的な場所からアヴニール様は貴方を呼び、貴方は実際をそれを受けてここへ来た。私たちにとってこれは大きすぎる奇蹟なのです…!」
「…私も、それを信じたい…!」
シオンが言う。
「クリスタルローブ!」
シオンは体の周囲に防御壁をまとった。
「おい…。待て!そんな薄膜の防御で突っ込む気か!?相手は「時間」だぞ!効くかどうかも分からなねェ!」
「…だけど他に策があるわけでもない…!私なら聖衣に触れれば何か打開策も分かるかもしれない…!」
「どうか気をつけてください。少しでも気を緩めると時空間に引きずる込まれます」
「…ッッ。くそっ…、分かったよ!勝手にしろ!だかヤバイと思ったらすぐ引き返せよ。ハクレイのジジィに俺がぶっ殺されちまう!」
「…ああ」
シオンは結界の中に入った。
『…凄い…。まるで熱のない炎の中にいるみたいだあ。近くにあると思った聖衣が遠く近く感じる。もう時間の感覚がなくなりつつある。早く…早く聖衣に…』
その時、聖衣を封じていた結界が光った。
「…!」
「オイ…!何だあれは…!」
「分かりません…!こんな現象初めてです…!」
時計の文字盤が回り、消える。
「んはっ…。んはははは。用心して分身置いていったかいがあったわけだぜ。まさかシオン様自らやってきてくれるなんてなァ…。ようこそ、シオン様。望まれねェ役者さんよォー!」
封印されたカイロス本体の姿が浮かび上がる。
「なに…。何だこいつは…!?」
シオンの周囲の時間が進み、彼は急激に青年の姿になっていった。
「これは…。体が急激に変化していく…!」
「いけない…、時間の渦に呑まれているんだ…!」
「やっぱりワナかよ。戻れ、シオン…!」
「逃がさねェぜ、シオン様…。テメェが作る未来は俺には都合が悪ィ…。ここはテメェの本来の分岐点の一つ。未来は変えさせて貰うぜ…!このまま置いて朽ちてもらうぜ、シオン様ーッ」
「うわああああーッ」
シオンの姿は急速に青年から老人へと変わっていった。
『マズイ、体がどんどん老いていく。このままでは本当に死体まで時間を進められてしまう。だけどその前に…、その前に聖衣まで。牡羊座へ』
「くそ…!連れ戻す!」
マニゴルドが駆け寄る。
「待ってください…!共に入ったところで同じように呑まれるだけです。肉体が消えればやがて魂も時空間のどこかに消える…。そうなればもう」
「あー、そうかよ!だったらこれしかねェじゃねェかよ…!」
マニゴルドはシオンの体から魂を引き抜いた。
「!?崩れた体から魂だけ抜きやがった…!」
「行けるか、シオン!?」
シオンの魂が手を伸ばし、牡羊座の聖衣箱に触れる。その瞬間、前代の牡羊座アヴニールの姿が現れた。
「待っていたよ。君に伝えたいことがある。どうしても」
「……。そのためにここへ来ました」
「感謝する。受けとってくれ…。この記憶」
シオンの魂は聖衣箱の中に消えた。
「アヴニール様とシオンさんの魂が、聖衣箱へ消えた…?」
「…まあ…、あっちはあっちで話しつけてくると思うとして…、必然的にあいつが戻るまで俺がこいつの相手、と。なるほどなるほど」
マニゴルドが指先に力を込めた。
「上等だぜ!神様退治の予行演習ってか!?まあ一丁、気楽に戦(や)っか!」
マニゴルドはカイロスの分身と対峙した。
シオンの体に牡羊座の聖衣が装着される。
『う…』
見知らぬ光景がシオンの前に広がった。高層ビル群が炎に飲まれている。
『ここは何処だ?見たことのない街並み』
人々の死体が倒れている。双子神の巨大な影が空に現れる。人々が血を吐き倒れる。
『絶望的な光景』
アテナと教皇が捕らわれの身となり鎖に縛られている。その周囲をスケルトンが取り囲む。冥衣をまとったハーデスが現れ、剣でアテナと教皇の首を斬り飛ばした。
『まさか、まさか…』
牡羊座の聖衣を着たアヴニールがアテナの首を抱えて絶叫した。その時、巨大な砂時計が現れ、生き残りの聖闘士、アヴニールとユーゴを別に時空に飛ばした。
『なんだ、この記憶は。滅びるのか、この地上は。このままでは、私達は滅びるのか…!』
場面が変わる。聖域のアテナ神殿。アテナ像の元に、若き日のセージとハクレイ、先代のアテナ、そしてアヴニールがいた。
『場面が変わった…。ここは聖域…?師とセージ様…、まだ若い。そして…』
先代のアテナが話す。
「アヴニールと言いましたね。貴方がいったい何処から来たのか、そして何故その牡羊座の聖衣を纏っているのか、私達は理解しなければなりません。今は冥王軍との聖戦の最中。私達の同志、牡羊座は既に戦死しています。貴方は何者なのです。…そして貴方からかすかに感じるその小宇宙は、まさか…」
「……。私は正真正銘、牡羊座の聖闘士です」
「まだそんな世迷言を…!」
「不審に思われるのも仕方ありますまい…!…ですが…」
アヴニールは両手をついてアテナに頼んだ。
「聖戦の熾烈さも、貴方方がきっと死に物狂いだろうことも承知です。ですがあえて望みを言わせてほしいのです。私を共に戦わせて欲しいと!」
「!?」
「アテナ様の無念を晴らしたい。ハーデスを倒したい…!もはや復活できない程に…!」
涙ながらにアヴニールが語る。
「それが無理なら次の聖戦で、せめてあの二神だけでも…、どうか…、私達の時代(みらい)に平和を…!」
◆先代(アヴニール)は聖戦に敗れた未来の牡羊座。その重すぎる事実にシオンの心揺れる!


作者コメント:身近な人たちの変化が多いです。時は移ろっているのだなぁ。


アヴニールはアテナが敗れた未来のパラレルワールドから、クロノスの介入で過去に来た聖闘士でした。…これ、前聖戦時代に牡羊座の聖衣が二つあることになるんじゃあ…。クロノスが介入したってことは、クロノスはアテナの敗北を望んでないのかな?
いつもは四話完結だけど、シオン編は長くなるって話もあるし、もうちょっと続くのかな?
にしても外伝も終盤になって、どんどん話が広がるなぁ。前聖戦時代の話とか読みたいわ〜。

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