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2015年01月20日16:45

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今月のセインティア翔ネタバレ

颯爽たる戦乙女!5人目の聖闘少女、見参!
☆戦う乙女たちの学舎がここに…。

stage18 エルダ

中央ヨーロッパ、スイス、アルプス地方。
グラード財団設立“聖(セント)アカデミー”
表向きは世界中より選抜された優秀な特待生たちによる全寮制の教育機関。
だがその実態は、戦いの女神アテナに仕える“聖闘少女(セインティア)”を目指す少女たちが、厳しく学び競い合う実務訓練所である。
可憐な制服を着た少女や尼僧が庭を散策する一方では、訓練着姿の女学生たちが戦闘訓練に励んでいた。
そんな聖アカデミーの上空に怪しい光が現れた。
「……?」
「なに…?」
「あの光?」
候補生たちが空を見上げる。
その光は次第に近づき、大きくなってきた。
カン、カン、とアカデミーの警鐘が鳴る。
「警鐘!?」
「この…小宇宙は…!」
訓練中の上級生が指示を下した。
「敵襲だ!一等候補生は防衛体制を!それ以外の者はただちに退避!」
アカデミーを見下ろす崖の上に一人の男がいた。
「ククク…、逃げろ逃げろ。逃げ足の遅い奴は巻き込まれても知らんぞ」
男が指を一本上げる。
その瞬間、アカデミーの校庭や校舎がそこにいた生徒たちもろともに吹き飛んだ。
一人の少女がバイクに乗って疾走していた。バイクの後部には聖衣箱が載せてある。段差をバイクで飛んだ彼女は破壊されたアカデミーに駆け付けた。
「…くそっ!なんてことだ!」
「う…」
がれきの下に候補生が埋まっていた。先ほど指示を下していた上級候補生だ。
「ミト!大丈夫かっ!?」
「う…っ。エルダ…?あんた…、こんなヤバイ時に戻ってきちゃったんだね…」
「喋らなくていい…!今、手当を…!」
「いいから…逃げろ…!敵は…警告もなしに攻撃…してきた…。アカデミーは…もう…」
「ミト!」
ミトは絶命した。
「クッ…」
「クックック…、この燐気の中にみずから飛び込んでくるとは…、命知らずな虫もいるものだな」
先ほど崖の上にあらわれた男が降りてきた。黄金聖衣をまとい、人魂を漂わせている。
「この蟹座のデスマスクの目にとまっちまうとは…、運の悪い奴め!」
「貴様…。なぜこんなやり方をした」
「…ン?」
「ここにはまだ戦闘能力の未熟な少女たちもたくさんいた。黄金聖闘士であるお前が…そのことに気づかないわけないだろう。巻き添えを承知で攻撃するとは…、正義を掲げる聖闘士のすることか!?」
怒りと共にエルダが振り向いた。
「…ハッ。ハハハハ!」
デスマスクは笑った。
「!?なにがおかしい…!」
「“正義”か…。久しぶりに聞いたぜ、その言葉。…オレはできるだけゆっくり近づいて攻撃の意志を伝えてやった。多少の猶予は与えたつもりだぜ?だいたいお前らは全員、聖域の教皇への反逆者!関係者全員殺されても文句は言えん立場だ…。ノロマなガキが避難し終わるのを待ってられるほど、オレもヒマじゃねえってことだ!」
「なるほど…。蟹座のデスマスク。聖闘士にあるまじき冷酷非道かつ残忍な性格というのは情報通りのようだな」
エルダは上着を脱いだ。
「貴様のような者が聖闘士の頂点に立つ黄金聖闘士とは笑わせる…!」
エルダの聖衣箱が開く。聖衣が彼女の身体に装着される。
「このカシオペア座のエルダが…、お前の踏みにじった仲間たちの無念を晴らしてやるよ!」
「ハハッ…。お前…正気か?アカデミーとやらで教わらなかったのか?黄金聖闘士と他の聖闘士とは神と虫けらほどの実力差があるとな!」
「そりゃ一般論だ。全員があてはまるわけじゃないだろ?他の連中はどうだか知らねえが…、あたしはずっとあんたらと戦うつもりでいた!」
「…ほう」
「喰らえ…、大地の怒りを!グレイテストイラプション!」
火山が咆哮する。熱い炎がデスマスクめがけて飛んだ。
「すげえじゃねえか、お前…。今の技で…、俺の髪の毛が三本抜けたぜ!」
「くっ…」
『まともに正面から受けても微動だにしないとは…』
「まあ…青銅にしてはなかなかの技だ。カン違いしちまうのも仕方ねえか。…だが、中途半端な力と過信は身を滅ぼすぞ、小娘!」
「うっ」
デスマスクの指の先から放たれた衝撃波がエルダの両肩と胴にヒットする。
「ガハッ…!」
「ククク…井の中の蛙とはお前のことだ。黄金聖闘士の力を今さら知っても遅いがな。蟻のように潰される己の弱さと、力を正しく計りえなかった未熟をうらめ!」
エルダの炎が舞い上がる。
「なに…?」
「あいにく…貴様のような外道に指一本で潰されるほどヤワじゃないんだよ。この命はアテナ様のもの…、簡単にくれてやるわけにはいかない…!」
「…ハッ。威勢だけは一人前だな。よかろう…お前の図太さに免じて、このデスマスクの力を見せてやろう!そら…死界の入り口が口を開けているぞ!」
『あれは…!』
「積尸気冥界波!」
「うわああああーッ!」
エルダの魂は積尸気に吸い込まれた。
荒涼とした空間で横たわったエルダの魂が気づいた。
「…はっ!どこだ…ここは…」
『蟹座の「積尸気冥界波」…。相手の魂を肉体から分離させ「積尸気」を通じてあの世に送り込むという技だ。ということはここが…冥界への入り口ということか…?』
人魂がエルダに近付いてくる。
『なにかいる…』
「…力が…、欲しい…?」
「誰だ?」
「あの聖闘士を倒せる…力が欲しい?憎き聖域の聖闘士を…倒したいでしょう?あなたに眠る…争いの力。目覚めさせて…あげる…」
「ミト!?」
死んだミトの姿が現れる。
『いや…違う!こいつは…。なんだこれは…!』
エルダの足元から花が咲き、彼女の身体にまとわりつく。
『わたしの聖衣が…、黒く…!?』
「さあ…エルダ。わたしたちの仲間として生まれ変わるのよ…」
『気持ち悪い…!』
「う…っ、やめ…ろ…」
その時、エルダの体にまとわりつく花が弾きとばされ、ミトの姿も消し飛んだ。
『…!?』
「ハハッ…馴染みの面に化けて油断させるとは、オレよりよっぽど外道な連中と見える。ようやく尻尾をつかんだぜ…。化け物ども!」
デスマスクが現れた。
「デスマスク…!?どういうことだ…?なぜお前が…!こいつらは一体…!?」
「フン…こいつらこそオレの本当の獲物。エリスの手下の残党だ!」
「エリスの残党だと…!?まだ…生きていたのか!?」
「ここはこの世とあの世をつなぐ“積尸気”の一部の空間だ。邪神エリスを討たれたことによって実体を保てなくなったこいつらが身を潜ませ、復活の機会をうかがいながら力を蓄えるには絶好の穴場なのさ。オレがかぎつけた通り、お前をはじめアカデミーの連中もこいつらの新しい寄生先として狙われてたってわけだ」
「……」
「お…のれ…。こんな場所でわれらに干渉できる人間がいるとは…な…」
「ククク…常人にはとらえられないだろうが、あいにくこの辺りはオレの庭みたいなもんなんだ。残念だったな」
「フ…フフ…。黄金…聖闘士…か。お前からは母様の悦ぶ殺戮と血のにおいがする…。お前は我らの同類ではないか…?その力…母様の復活に捧げよ…!」
「冗談じゃねえ。オレの庭で鬱陶しい匂いを撒き散らした連中の親玉になんざ誰が仕えるか。とっとと失せろ!化け物が!積尸気冥界波」
デスマスクの一撃でエリスの残党たちが積尸気に吸い込まれていく。
「オォアア…ギャアアア」
「さて…。お前がまだたて突くというならもう一度冥界送りにしてやるが…、なにか言い残すことはあるか?」
デスマスクがエルダに向きなおる。
「…エリスの残党をあぶり出し始末するためには、アカデミーの犠牲は必要だったということなのか…?平和のために殉ずるのは聖闘士の宿命。それは分かっているつもりだ…。他の方法がなかったのなら、貴様も苦渋の選択を…?」
「……。ハハハハ!」
デスマスクが笑い飛ばす。
「まったくおめでたいヤツだぜ!ああするのが一番手っ取り早かった。だからまとめて殺してやったのさ!:
「な…、き…貴様!」
「ククク…言ったろ?オレに目をつけられたヤツは運が悪いとな!髪の毛三本に免じて死体処理くらいはさせてやるぜ!」
「待て!」
次の瞬間、エルダの魂は肉体に戻った。
「…う…」
気づいたエルダの前には崩壊したアカデミーがあった。
『蟹座の…デスマスク!』
エルダは拳に力を込めた。
☆エルダは再起を決意する!


作者コメント:アクシデント続きの年明けでした。2015年もよろしくお願いします。


アカデミー襲撃犯はデスマスク。デスマスクかシュラかどっちかと思ってたら、やっぱデスマスクか。
アカデミーがグラード財団設立って設定もはっきりしたね。
黒サガも真面目にエリス討伐をやらせてるらしい…まあ、基本「自分が地上を守る」な人だし。
しかし手段の選ばなさがデスマスク流。近いうちにサガ派の黄金ってことでシュラも出てきそう。
来月は巻頭カラー。
単行本4巻が2月20日発売。「ついに「銀河戦争」が開幕する。姉を失い、生きる方向を見失った翔子は星矢の戦う姿に強く心を動かされ再び聖闘士を目指す決意を固める。一方、沙織は聖域よりの刺客に襲われ…。黄金聖闘士魚座のアフロディーテ、参戦!」
車田水滸伝1巻、エピGA2巻も同日発売。

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