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2017年08月17日07:31

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尋常ではない勇気-『日航123便墜落事故の新事実』を読む・最終回

青山のこの近刊で明らかにされる新事実は、以下の3つだ。
1. 123便のすぐ後ろを追尾しながら飛行するファントム機の存在
2. 123便の腹部に付着しているように赤い物体が存在していたこと
3. 現場遺体の炭化状態

順に説明する。
1の航空自衛隊のファントム戦闘機は、これまでの発表では123便墜落直後の午後7時10分に、墜落位置探索の目的で茨城百里基地を出動となっていたものだ。それを青山は、このジャンボ機墜落事故への疑問を最初に書いた前著『天空の星たちー日航123便のあの日』(10年刊)の後、それを読んで告げたくなったことがあると出版元に直接訪ねてきてくれた読者からその目撃情報として知らされた。当時22歳のこの女性は静岡の藤枝に車で通勤していたが、6時35分に、123便が異様に低く飛んでいる姿と、それのすぐ後に飛行する自衛隊ファントム2機をはっきり見たと証言してくれた。青山はこのファントムについての目撃証言をべつの2人からも得ている。前記の当時20代の女性がなぜ機種特定まで明確に述べているかというと、彼女は年少時から自宅近隣にある航空自衛隊の基地で毎年こどもの日に実施される展示やイベントによく行っており、充分な知識があったからだ。

このファントム目撃証言が重要な理由は2つ。1つはそれが政府と自衛隊の公式発表ではまだ飛び立っていない、もっと早い、123便が迷走しながらもまだ明るい時間帯に飛行している、当局発表とは根本的に矛盾する事実からだ。
2つめは、その自衛隊ファントム機が飛行している時間帯のすぐ後に、123便が、米軍横田基地を目指していたと思われるそれまでの飛行コースからは大きく左旋回し、墜落地点の群馬御巣鷹山方向に向かい始めているからだ。
2番めの赤い物体は後にして、3番めの遺体の炭化状態の問題。
これは検死に当たったうちの群馬大医学部の教授が自分が担当した4体について記録し証言しているもので、それは通常の焼死体とは炭化の進行度や程度が甚だしく違い、灯油の一種であるケロシンというジェット機燃料爆発が原因の焼死では絶対にこうはならないひどい炭化なのだという。では何がこういう炭化をもたらし得るかというと、それはガソリンとタールを混合しゲル化させたもので、それは米軍や自衛隊の火炎放射器で使用されている燃料なのだという。

さて2番めの赤い物体とは、この123便墜落事故を扱った青山の最初の著書を見て突然その出版元を訪ねてきた女性読者が22歳のとき勤務先の藤枝の企業から仕事を終えて外に出た際に異常な低空を飛ぶジャンボ機の腹部に、塗られているか貼り付いているかの印象で目撃した5−7メートルほどの長さの円筒状か楕円状の形態をしたものだ。
結論をいえば、青山はこれを、すぐ後部を追尾して飛行していた2機のファントム戦闘機から発射されたホーミング型目標追尾小型ミサイルと考えている。そういう次世代型の小型ミサイルが当時日米のハイテク企業が共同で研究開発、一部は試験運用まで来ていた事実を、青山はその技術者たちからヒアリングして知識を得ている。ターゲットの発する熱源か反射電波を捕捉して追尾する小型ミサイルは時間をかけて追い、瞬時には激突しない。ためにジャンボ機は、正体の不明なこれを振り切るためにぐるりと一回りの進路の意図的迷走もあったのではないかとの推理だ。これはあの墜落について今まで誰からも出されたことのない指摘だ。自衛隊機による524人乗りのジャンボ旅客機の撃墜とはにわかには信じがたい行為であるのはいうまでもない。そんなことをあえてやった理由は何か。それは、最初の演習用の無人標的機がジャンボ機の垂直尾翼にぶち当たってその大半を破壊したのはあくまで誤作動の結果だったが、どこかに着陸か不時着でもすると機体の損傷と残された無人標的機の残骸でそれが分かってしまう。それが明るみに出てその結果500人以上の犠牲が出たら、内閣の1つか2つが飛ぶくらいではすまない。防衛費の対GDP比率枠1%の突破を目ざす日米軍事同盟戦略も危うくなるのは必定だ。それらの思惑と判断から、中曽根総理と日米権力の最上層部は、524人の人名と自分たちの政治生命とを秤にかけて瞬時にそう判断し、すべてを闇に葬る決定をしたのだろう。

それで、羽田帰還より至近で消火設備も揃った米軍横田基地を目指していた高浜機長に、接近したファントム機から横田基地着陸は米の許可が下りないと伝え、絶望した機長は「これはダメかもわからんね」と口にする(日航の他のすべての事故の乗員と外部との交信のボイスレコーダーは全公開されているのに、これだけが遺族の心情の配慮との理由でそうなっていない)。その前後に、小型ミサイルを発射する。すぐ後ろを追尾するファントム機と赤い閃光を放って飛ぶ小型物体の姿は、今回初めて青山が発掘した上野村の当日の目撃文集234名の児童・生徒たちのうち、20名がその内容の目撃談を記している。だが私がこの結論を支持する最大の理由は、直接ミサイルを撃ち込んで闇から闇に葬るダイレクトな任務を命じられたファントム機の行動が、飛行自体は事実なのに、政府と自衛隊の文書にも発表にも、一切出てこないことだ。それは出せまい。元日航客室乗務員でその後東大大学院で学んだ青山透子が、仮名になっているゆえんと思われる。この女性がそれを書いた勇気、肚の坐りかたは、尋常ではない。いざとなればそのことで命を捨てる覚悟を決めているのだと思う。この事故の真相を薄々は感じているのであろう大手マスコミに、そうする勇気を持った人間は1人もいなかった。この女性は、あの事故発生当時、22−23歳だとして、現在54−55歳くらいであろう。
なお前記の火炎放射器は、無人標的機と小型ミサイルの残骸を早期に発見し跡形もなく葬るために使用したのだろう。墜落地点を政府が必死になって隠したのは、その地点の公式発表が当夜じつに5度も変更され、しかもそのすべてが誤りだったのは、人びとやマスコミを誤誘導し、かれらが到着する以前に、物証の消滅任務を帯びた自衛隊火炎放射器部隊が絶対に最先頭で到着しなければならない理由があったためだ。

あの出来事から32年をかけた青山の執念の努力のお陰で、この事件の謎の全容はようやく解けたと思う。青山の胸には、乗客たちの人生は当然として、先輩や同僚たち多くが乗り組み、あくまで事故と思って不時着の後の乗客たちの無事と安全と生還のために日頃の訓練を生かす時が来たと最後まで懸命に冷静に行動したことへの胸の張り裂けるような悲しみと、この決定をした中曽根、それに従った自衛隊、日航幹部たちへの、必ず地獄に堕とさずにはおかないとの怒りと口惜しさが、満ちているのだと思う。私もその怒り、悲しみ、口惜しさにくわわりたい。

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