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2011年07月04日11:27

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【東日本大震災】南三陸町ボランティア活動2011年6月(5)

　6月29日は朝から陽射しが強く暑い日となった。肉体労働には辛い天気。
　この日は『災害ボランティアセンター』内での写真清掃作業であった。
　『思い出探し隊』が被災現場から探し当てた津波に浚われ泥だらけになったアルバムや思い出に繋がる品々を展示公開する前の仕上げの清掃作業である。既に洗って乾かしてはいるのだが、それでもアルバム等を開いてみると海の匂いがした。泥がこびり付いているのを刷毛で落とし、濡れたのを紙で拭いた。それをテント内の暑さで汗をかきながら行った。
　ちゃんと画像が残っている写真もあって、アルバムに赤ちゃんの頃、入学式、結婚式などの人生が写されていた
　濡れて画像が溶けてしまった写真は、何かが薄っすらと残っているが何か判らないのも多い。部分的にかろうじて残るのを消さないように清掃した。
　しかし、それら写された内容には興味を持たずに、ただ汚れを落とす事に専念した。この作業を行う者として個人情報を漏らさない事は責任と義務であるが、それだけでなく、人としても興味を持つのは許されないし、まして見てしまったのを話す事は出来ないと思いながら作業した。また、想像したら作業は出来ない。

　お昼は、『思い出探し隊』として被災地に入って収集作業を3月下旬から行い、一時的に離れたが、今もボランティア活動を続けている大分県日出町の尾畠さんに食事を誘われた。　尾畠さんは4月の時に既にスーパーボランティアとして知られていた。

　今までの人生や、この南三陸町に来た理由を話された。60歳まで魚屋を営んでいたが、引退して65歳の頃に九州最南端の佐多岬から太平洋岸を歩いて宗谷岬まで向かう日本縦断中に、南三陸町で声を掛けてくれて、飯をごちそうになり泊まらせてくれたおばあさんがいて、そのおばあさんが心配で恩を返すためにやって来たそうだ。幸い、そのおばあさんは生き残られていて再会を果たされている。
『被災地で支援１ヵ月「思い出探し隊」』【大分合同新聞】(2011年5月14日）

　日出町川崎の尾畠春夫さん（７１）が、東日本大震災の津波で多くの家屋が流された宮城県南三陸町での支援活動を終え、このたび一時帰宅した。尾畠さんは被災現場でがれきの中を歩き回り、写真やアルバムなどを回収する「思い出探し隊」の一員として活動。「困っている人に手を差し伸べるというただ当たり前のことをしただけです」と約１カ月間の日々を振り返った。

　尾畠さんが現地に向かったきっかけは、２００６年に日本縦断の旅をした際に世話になり、その後親交を深めていた南三陸町の牧野八千子さんと、震災後に連絡が取れなくなっていたため。「このままではらちが明かない」と３月２４日、自身の軽乗用車で単身現地へ向かった。同２７日に南三陸町に到着し、その日のうちに牧野さんと再会。人目をはばからず大泣きし、喜びを分かち合ったという。
　翌２８日からは「何か被災者の役に立てないか」と気持ちを切り替え、町が被災者の気持ちを少しでも癒やすために発足させた同隊に加入。自前の赤い作業着で探索に当たった。
　その後は、異臭の立ち込める現場でがれきをかき分ける毎日。目を凝らし、廃材や泥に埋もれたランドセルや賞状、写真などの所有者の分かる品物を探し集めた。「震災前は何げないものでも、今となっては持ち主にとってかけがえのない宝物のはず。一つでも多く持ち主に渡したかった」
　活動期間中は、持ち込んだ米や水などの食料で生活。現地では何一つ受け取らず、４月２６日、「また帰ってくるで」と言い残し、町を後にした。「被災者の気持ちを思うと動かずにはいられなかった。また近いうちに現地に向かいます」と話している。

　ちなみに、この日本縦断・3300㎞を90日で歩き通したそうだ。単純計算で1日40㎞である。また、こういうのでは都会を避けそうなものだが、大阪梅田では歩き難ったや東京日本橋で旧友に会ったなど、都心を押さえながら歩いていたのはお茶目に思った。
　他にも四国遍路を弘法大師の足跡を辿って1400㎞歩いたり、九州一周も当然していて、60歳からの十年は日本全国を歩き回っているそうだ。
　ちなみに、今頃は、また南三陸を出発して北海道い向かう頃だ。大雪山等の23山を23日間で縦走するそうだ。

　これだけでも凄いのだが、この南三陸町では、ずっと1BOXの車暮らしで1円も使っていなくて、町や社協からの申し出も断わっているそうだ。
　食事は持ち込んだ米や缶詰だけではなく、そこら辺に生えている草である。車を留めている場所周辺の雑草が刈られていたのは尾畠さんが食べちゃったからだった。
　そして、特製のお浸しをごちそうになったのだが、何か当ててみろと言われて、幾つかヒントを頂いてからもしやと思って答えたのが「桑の葉」であった。柔らかそうな葉を刻んで醤油を掛けて作ったもので、御飯に合って美味しく頂いた。お返しに茹で卵を1個差し上げた。

　尾畠さんに、日本縦断は思い立ったらすぐに出来ると奨められた。なんでも思い立つのが大切だと話されて、勇気を頂いた。
　JHP・学校をつくる会『南三陸町活動レポート』

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