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2018年05月26日13:55

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(産業経済)投資効率を冷静に評価せよ

神戸の街には、魅力的なスイーツショップが軒を並べている。神戸はスイーツの名所なのである。このことから「神戸スイーツ」という言葉が生まれた。しかしこの記事を読んでいると、労働経済学の重要なテーマが2つほど見つかる。

ひとつは、「人材育成の歩留まり」というテーマだ。記事の中に「1年で8,9割の人が離職する年もある」という。つまり、1,2割の人しか残ってくれないということだ。途中で辞めていった8,9割の人についていえば、これらの人たちにかけた教育投資はパアになったということになる。新規に採った人材の10割が立派な職業人に育てば、「人材育成の歩留まり」は10割だったということで、育成の投資効率は非常に良かったということになる。しかし逆に8,9割の人が育成の途半ばにして挫折したのなら、「人材育成の歩留まり」はせいぜい1割前後ということになろう。教育投資をする事業主側の目線に立った場合の投資効率は極めて悪いと言わざるを得ない。

もう一つは、教育投資の対象となる本人の立場からみた投資効率の悪さだ。神戸ファッション協会の調査によると、パティシエ養成のための専門学校の費用は、材料費などがかさむため、入学金含め年間160万〜200万円かかるという。しかも技術を身につけるのに10年かかるという。パティシエ業界に就労する人は、自分自身にかなり大規模の教育投資をしなければならないということになる。しかしこの教育投資は報いられるのか。パティシエとして1人前になったあと、高い収入を得られる期間が長期間続くことが保証されるのなら、この投資にはリターンがあったということになろう。しかし、過当競争で収益が伸びない、などのリスクも潜在している。かなりリスクのある投資なのではないだろうか。

【関連項目】

人材育成の歩留まり

http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1966515173&owner_id=3879221

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■神戸スイーツ 人手不足深刻化
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=5127783

 「神戸スイーツ」の華やかさとは対照的に、兵庫県内の洋菓子業界で人手不足が深刻化している。小学生がなりたい職業でもパティシエはランキング上位だが、業界関係者によると、厳しい下積みなど理想と現実のギャップに耐えられないことや、専門学校で学ぶ際の経済的負担の重さなどが背景にあるという。業界では合同就職説明会の開催やインターンシップ(就業体験)を始めるなど、人材確保に懸命だ。【峰本浩二】

 神戸ファッション協会の調査によると、県内の洋菓子業界の従業員数は2014年度が6278人で、前回調査(11年)から約50人増加した。しかし県洋菓子協会の山本一人常任理事は「増えた実感はない。人手不足はここ数年で拍車がかかっている。1年で8〜9割が離職する年もある」と声を落とす。

 県内のある専門学校の就職担当者によると、親や学校を説得して本気でパティシエを目指す学生は少数で「学力など消去法で業界を選んだ学生も多い。肉体的、精神的に弱く、コミュニケーションが苦手な生徒も多い」と危惧する。神戸市内の洋菓子店社長は「華やかな世界と思われがちだが、大変な重労働がある。労働環境の改善もしているが質も落とせない。これが神戸スイーツの強さとも言えるのだが」ともらす。

 もう一つの悩みが、経済的負担だ。協会によると、専門学校の費用は材料費などがかさむため入学金含め年間160万〜200万円かかるといい、私大理系と同程度の負担だ。約4割の生徒が奨学金を受けている。高卒時に就職する道もあるが、生徒本人や親、教員の大半が「まずは進学」との志向が強く、協会は高校生への情報提供を模索している。

 協会は昨年6月、初の企業合同説明会を実施した。若手パティシエの説明は参加者に好評で、採用にも結びついた。さらに、昨年12月からインターンも始めた。

30日に説明会

 今年の説明会は、30日に神戸市産業振興センター9階(神戸市中央区東川崎町1)で開く。参加企業は33社(24日時点)で昨年の1・5倍。高校生や社会人にも積極的に呼びかけている。山本理事は「技術を身につけるのに10年かかるが、やりがいのある仕事。ぜひ頑張ってほしい」と話す。説明会の問い合わせ先は県洋菓子協会(078・871・5938)。
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