「若さ」第４５７号
※ 四方山話 ※
◎ 「五十三次のツアー」 ◎
江戸と京都を結び、人や物が行き交った旧東海道（４９２ｋｍ）を、２年余りかけて五十三次を歩くツアーが人気となっています。
紀行番組の人気やウォーキングブームもあって、宿場町や沿道の自治体も、町興しにつなげようと動き出しています（１０月１０日・朝日新聞から）。
ツアーを運営する「旅人企画」（大阪市）によると、日本橋から京都・三条大橋まで約４９２ｋｍを２６回に分けて歩く（京都〜日本橋の逆コースもある）。
平成２４年から５年間で当初の１０倍を超える約６万人が歩いています。
全２６回の料金は約９０万円で、ツアーにはスタッフが同行して、名所・旧跡を解説しています。
道中の地元住民の生活にも配慮しながら、回を重ねていると参加者同士の連帯感が生まれるのもこのツアーの特徴ともいう。
五十三次は、江戸と京都を結ぶ太平洋沿いの道で、古代からあった道を整備して「東海道」としたもので、現在の国道１号は、一部を除き旧東海道を踏襲しています。
因みに徳川家康が全国支配のために江戸を起点とする主要道路を整備しました。
それが五街道と呼ばれる「東海道」、「中山道」、「甲州街道」、「日光街道」、「奥州街道」です。
東海道五十三次の街道筋には、３千軒近くの旅籠があったと言われています。
一番多かった宿場は、４１番・尾張国の「宮宿」で２４７軒で、名古屋市熱田神宮周辺でした。
東海道唯一の海上路で「桑名」へ航る美濃路との分岐地でもありました。
４２番・伊勢国の「桑名」も１２０軒、 ４３番・伊勢国の「四日市」も９８軒と多い宿場です。
川や地形などの難所では、大水などで足止めとなるために旅籠が多くなっています。
９０軒を超える所では、１番の武蔵国「品川」９３軒。 ９番の相模国「小田原」９５軒。
１０番の「箱根」は、今でこそ旅館・ホテルがひしめく観光地ですが、当時は険しい峠の関所（国境）でした。 （１１番の伊豆国「三島」は７４軒）。
大井川に関しては両岸４つの宿場が関連しており、 ２３番の駿河国「島田」（島田市）、２４番の遠江国「金谷」（島田市）、 ２５番の遠江国「日坂」（掛川市）、 ２６番の遠江国「掛川」（掛川市）となっています。
２９番・遠江国「浜松」９４軒。 家康の育った３８番の三河国「岡崎」（愛知県）は１１２軒です。
もう一つの視点として区間の距離があります。
正月の箱根駅伝を想起しますが、 「大磯」・「小田原」は４里、 ９番「小田原」・１０番「箱根」は４里８丁で最長の難所です。 ２番が２８番「見付」・２９番「浜松」の４里７丁です。（船便の「宮」（尾張）・「桑名」（伊勢）の７里は別格）。
逆に短距離は、１５番「蒲原」〜１６番「由比」の１里、 ２３番「島田」〜２４番「金谷」の１里、 ３０番「舞坂」〜３１番「新居」の１里、 最短は三河国・３５番「御油」〜３６番「赤坂」の１６丁となっています。
◆ 日本橋を表に ◆
東京・中央区の日本橋川に架かる現在の日本橋（１９代）は、明治４４年（１９１１）に完成した国の重要文化財です。
また、日本の道路元標があり、日本の道路網の始点となっています（東海道五十三次の始点）。
石造二連アーチ橋で橋の長さ４９ｍ、幅２７ｍ、設計は米本晋一。橋柱銘板の「日本橋」揮毫は徳川慶喜です。
初代の橋（木造の太鼓橋）は、慶長８年（１６０３）３月３日、家康の全国道路網整備計画に際して架けられました。
明暦３年（１６５７）〜安政５年（１８５８）明暦の大火から明治維新までに１０回の火災があり、明治５年（１８７２）に木造で最後となる橋が、日本橋魚河岸の魚問屋組合が負担して改架されました。
その後、明治初期となって石造の橋が、肥後の石工・橋本勘五郎によって架けられ、明治４４年完成の石造橋が昭和２０年の東京大空襲にも耐えて現存しています。
昭和３８年（１９６３）東京オリンピックの前年に首都高速道路が完成した結果、「日本橋」が高速道路の下に隠れる格好となっています。
本年５月に国土交通省が、首都高の「日本橋」（神田橋ジャンクション（ＪＣＴ）〜江戸橋（ＪＣＴ）間の約１．２ｋｍ）を地下へ移す案を、同省と東京都、中央区、首都高速道路会社による検討会で示しました。
工事は、２０２０年の東京五輪・パラリンピックの後に着工予定としています（約６０年間に及ぶ首都高のルートが東京五輪の関連で建設と移設の工事が行われることになります）。
国交省の地下ルート案では、片側２車線でＪＲ東京駅の北側から地下に入り、日本橋下を通過して江戸橋（ＪＣＴ）の高架部分と接続します。
現在、この区間にある高架道路は取り壊し、呉服橋インターチェンジ（ＩＣ）と江戸橋ＩＣも無くなります。
地下化の最深部は地下２０ｍ以上になる見込みで、事業費は、数千億円となります。
コスト削減を図るため、既設のＪＲ「八重洲線トンネル」の約５００ｍを組み込むことや、日本橋周辺で計画されている再開発の民間事業者との連携により事業費の縮減をも想定されています。
☆ 将棋の最年少新人王 ☆
１０月１７日、大阪市の関西将棋会館で行われた第49期新人王戦で藤井聡太七段が１６歳２カ月の最年少記録で優勝しました。
これまでの第18期（昭和62年）に１７歳０カ月で優勝した森内俊之九段（当時四段）の記録を３１年ぶりに更新しました。
今次の新人王・決勝三番勝負では、若武三段（23歳）に２連勝しての快挙でした。
新人王戦は、「２６歳以下」で「六段以下」という条件があり、藤井七段は今年に四段から七段までスピード昇段しているため、今期が最後のチャンスでもありました。
※ 今日は何の日 ※
２０日 昭和４２年（1967） 吉田茂逝去（８９歳）・戦後初の国葬。敗戦後、７年２カ月総理を務め、平和条約や日米安保条約に調印。
２０日 平成１６年（2004） 練習帆船「海王丸」（2,556総ﾄﾝ）富山湾で走錨・防波堤に漂着破損、（池田重樹船長以下１６７人乗組み）実習生ら１８人負傷。10/２船の科学館桟橋出港・台風２３号（奄美〜土佐清水〜泉佐野〜彦根〜甲府〜つくば〜房総沖へ）。（11/24クレーン船２隻で離岸、損傷検査・修理へ）。（18.1.5.修理完了・横浜で披露。1/10〜実習航海出港・海技学校5校生）
２１日 寛政１２年（1800） 伊能忠敬・延亨２年（1745）〜文化１５年（1818）が日本全国図を作り始めた。文化１３年（1816）に「大日本沿海興地全図」を完成。
２１日 昭和３２年（195７） 「宗谷」が、第二次南極観測のため日の出桟橋から出港。松本満治船長ら８０人、永田武観測隊長ら５０人（全１３０人）。前部マストを門型に改造。随伴船（一次は「海鷹丸」）なし。
２１日 平成２２年（2010）羽田空港の国際便復活（昭和５３年５月２０日、成田空港の開港で羽田空港は主として国内線空港となる）。新ターミナルの供用開始で日本初の２４時間空港となる。
２２日 平安遷都の日。延暦１３年（794）桓武天皇が平安京へ都遷り。翌年朝賀の儀。
２２日 平成２２年（2010）羽田空港・国際便運航開始（国際線新ビル開業）。
２４日 昭和１９年（1944） 戦艦「武蔵」６万４千�鼎�撃沈される。（フｲリピン・レイテ海戦・米魚雷１１本など）。（太平洋戦争16.12.8.〜20.8.15.)。
２４日 昭和２０年（1945）国連憲章に基づき国際連合（国連）発足。国連デー。
２４日 平成２１年（2009） 漁船「第１幸福丸」（１９�邸■舷余菫箸漾法Ｈ�丈島近海で消息絶つ。転覆漂流の該船を発見するも人影なく台風２０号接近で一旦捜索中断、２８日午後改めて捜索の結果、転覆遭難船の中から９０時間ぶりに３人の生存者を救出した。（遭難後の生存新記録。巡視船「いず」特殊救難隊（ウミザル）の活躍。全国からの賞賛。）
２５日 昭和１９年（1944） フｲリピン・レイテ海戦。レイテ湾突撃、総力決死作戦。第二艦隊司令長官・栗田健男中将（旗艦・重巡「愛宕」、空母４隻「瑞鶴」「瑞鳳」「千歳」「千代田」を失う）敗退。（太平洋戦争16.12.8.~20.8.15.)。
２５日 昭和２３年（194８）「宗谷」第２５次引揚業務（10/25小樽〜10/31函館）ソ連・カラフト真岡から（第１４回目）８３９人を収容・引揚げ帰国。
※ 季節の句 ※
滊船過ぎて 波よる秋の 小島かな 正岡子規
海の上に ゆらゆらとあり 月の道 松尾康乃
石段に 腰掛け紅葉 陽明門 若さ
「若さ」第４５７号
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