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2015年07月12日00:18

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全文読んだ俺が安保法制をわかりやすく解説するよ。


長いけど、難しくは書かないから、ちょっとよってお行き。


■まず、何したいの?
安保法案の原文を読むと、いくつかの事態をまとめて改正しようとしてる。

1)平和維持活動について(PKO派遣法とかに近い)
2)米軍等の後方支援(テロ特措法とかに近い)
3)武力攻撃を受けた場合(周辺事態法に近い) =武力攻撃事態
4)周辺国が攻撃を受けた場合 =存立機器事態

これらを新しく変えたいってことなのね。

■平和維持活動と後方支援
これは、基本的にカンボジアPKOやイラク派遣と同じ内容。
違うのは、当時も問題になった、武器の使用に関する範囲をどうするか。
昔は、同じ宿営地にオーストラリア軍といるときに攻撃されたら、
オーストラリア軍を置き去りに逃げるしかなかったのね。
それが、オーストラリア軍と一緒に防衛したり、一緒に逃げることができるようになります。

■ホルムズ海峡ってなんだったの
一時期国会で話題になっているので、なにか関係があると思っている人がいるかもしれませんが、
厳密には今回の法案の中で特に言及はされていません。
これも湾岸戦争のときにすでにやっている内容を追認しているので、
あんまり大きな変化はないです。
安保法制的には、その国の承認があれば外国の領海でも活動できることになるのが
新しいかなという感じですが、当然の内容ですね。


■米軍の後方支援
今回の安保法制では、米軍は実はあんまり関係ないです。
というのは、米軍は旧安保条約で別に取り決めがすでにあるので。
っていうか、今回の法案を安保法案と呼ぶのはかなりミスリードを招きますね。
従来の安保条約とは名前の省略が同じだけで、内容は別。

今回の安保法制では、米軍だけではなく国連軍などの「だいたい仲間の国」に対する
後方支援ができるようになります。
以前、窮地に陥った韓国軍に銃弾を供与しましたが(個人的には不要な措置でしたが)、
あれは厳密には違法行為です。
そういうことを、違法行為にならないようにしようという法案です。

■平和維持活動の保護も含める
世界の紛争はアメリカの利益が絡んでいて日本は魚の糞みたいについて回ってる、と
思っている人もいますが、そうではない国連の平和維持活動も沢山あります。
例えば、停戦の監視や、選挙の監視、軍隊や警察の創設・教育などです。
この法案では、それらに加え、従事する人の保護もOKになります。
以前、イラクで、平和維持活動の自衛隊を外国軍隊が保護し、
その軍に死人が出るということがありました。
武力で平和を維持しに来た軍隊なのに別の軍隊に守ってもらうという、
よくわけがわからない事態は防ぐことができるようになります。

■武力攻撃事態
日本が攻撃されたら、というのが基本ですので、
唯一、日本が主役の集団的自衛権の話だと言えます。
数年前に話題になった周辺事態法とだいたい同じですが、
以前は米軍だけが対象だったものが、
「協力できる国」とは協力する、という内容に変わっています。
日本が攻撃をされた時に、協力してくれる国とは協力できるという、
まあ、当たり前の内容ですね。

■存立危機事態
これはちょっと新しいですね。
日本と密接な関係にある「協力できる国」が攻撃を受けた場合(存立危機事態)、
「後方支援」ができるというのが基本です。
ここでは、武器を使っての戦闘とか、
飛んできたミサイルを打ち落とすぜ!みたいな内容ではありません。
それは武力攻撃事態(我が国への攻撃)のほうだけです。
意図的にか、ごっちゃにしている人が多いような気がします。
あえて具体的に書けば、海に流された乗組員が漂流した場合、
彼が戦闘員であっても安全な範囲で救助活動をする(後方支援)、
というような内容がメインになっています。
(これに限らず、具体例は原文を読んでください。)

■朝鮮半島有事の際に米国艦へのミサイルを打ち落とすとはなんだったのか
この例は、武力攻撃事態の説明に使われたものです。
新しい部分は、「米国艦でも日本人が乗っていれば守るべき対象にするね」という部分。
当然といえば当然な気はします。
この法律自体には、米軍の戦闘艦に日本人を乗せて守るのだみたいな意味はなく、
(米軍の戦力のほうが自衛隊より高いのでおよそ無意味)
この場合の米国艦は輸送艦だったり戦闘能力がない船という解釈でいいと思います。

■ちょっと衝撃なのは
捕虜規定を新たに設けるようです。
ちょっと衝撃的ですが、捕虜、戦死、遺体の取り扱いなどは
あらかじめ決めておくべきでしょうね。
個人的には、徴兵制、核攻撃を受けた場合などについてもなんらかの規定をしておくべきだと思いますが、
今回はそこまでは踏み込まないようです。

■全体的に言って
全体的に言って、大きく変わるのは
「自衛官が自衛できるのは自分だけ」から、
「自衛官が自衛できるのは、自分、仲間、日本国民、協力する国の軍隊、保護下の外国人」
まで増えるという部分ですね。
米軍などの後方支援、平和維持活動、武力攻撃自体、全てで変わります。

この他では、前述のとおり「存立危機事態」が新しく、
対中国を意識して、アメリカ以外の弱小国も後方支援できるようになっています。
当然ながら、先制攻撃をしてやるとかそういうのは一切触れられていません。

■個人的に思うのは

戦争に巻き込まれるぞ!反対だ!という意見もあるのですが、
独裁的な理念を掲げた勢力に対し譲歩を続けることに意味はありません。
そういう国が、関係国を滅ぼした後日本だけ見逃して友好にできるとは思わないからです。

また、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク、アフガン、コンゴ、スーダン、
リビア、ボスニア、ソマリアなど枚挙にいとまはないほど多くのケースで
多くの国が合同で平和維持活動をしています。
停戦合意が守られるかを監視するなども、重要な活動でしょう。
戦死者(殉職者)を出した国も多くあり、
しかし彼らは戦争に巻き込まれたとは言いません。
そういった平和維持活動を日本だけがしないというのも無責任と言われれば一理ありますし、
そういった活動を否定する人が
「戦争を起こせば世界から非難されるから中国が戦争を起こすことはない」
などの理由で自衛隊を否定するのは明白な矛盾だと思います


■そもそも「安全保障関連法案」とは? 集団的自衛権をどう規定
(THE PAGE - 07月11日 17:40)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=177&from=diary&id=3511763
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