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2017年08月22日23:58

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隙間を埋める学習

受験生のムスコはしばしば「勉強は何の役に立つの」などと言っていました。さすがにこの期に及んで来ると「なんで」とは言わなくなり、「やりたくねー」とだけ言っています。私自身はやりたくない勉強はあっても問題を解けるようになること自体は好きなので、勉強自体が「何の役に立つのか」と思ったことはありません。ただ、詰込み系の知識を頭に入れるだけの学習には確かに疑問を持っていて、それでテストの成績が良くても仕方ない、と言う考えには賛成です。しかしながら(息子にとっては残念なことに)、憶えるだけよりたくさんのことを知らないと「役に立つ」知識にはならないという現実があります。

いわゆる受験対策の授業は、結局のところ役に立とうが立つまいがそんなことを知っても面白くもないし、最低限のことだけでできるだけの点数を取りたい、と思っている人向けの授業であり、まさしくムスコのように「できるだけ勉強したくない」と思っている人にこそ必要な授業です。それを、私のような人間の目の前で「そんなことしても役に立たない」とか言うものだから、「だったら、ちゃんと理解できるまでじっくり勉強したら」とか、言われることになります。勉強だけが役に立つことではないし、勉強ができなければ役に立つことを知らない、と言うことでもありませんが、それでも、勉強が役に立たないなどと言うことはありません。あるのは、「役に立たないような勉強の仕方」です。

生きていくうえで「役に立たない」勉強の仕方が必ずしも受験で役に立たない勉強の仕方ではない、と言うのが微妙なところで、一般人には受験が最も勉強が役に立つ場面なので、受験対策の勉強が勉強方法の主流になります。私は残念なことに受験対策の勉強では頭に入らないので、一般的な受験対策とは違う勉強方法ととっていたと思います。と言うのは、結局、他の人がどういう勉強をして頭に入るのかわからないから、「と思う」としか言いようがないわけで、実際には記憶力の良い一部の人を除いては普通に順を追って理解してゆくのが一番頭に入る勉強方法ではないかと考えます。

大人になってから、「ちょっと違っていたかも」と思う唯一の点はいわゆる詰込み教育で「とにかく憶えろ」と言って記憶させるのはおかしい、と言う考えです。知識はネットワーク構造で成り立つものですから、最初にある程度以上の知識がないとそれを構造化することもできません。子供の興味の範囲が狭く、大人の方が広いのは、経験によって得た知識が多いと、それだけ興味をもって理解できる範囲が広くなるということでしょう。クイズ番組などを見ていても、「これとこれは知っていても、その間のこれは知らなかった」と言ったことが出てくると本当に面白く感じます。知識は、自分の持っている知識と知識の間を埋める知識が一番面白く感じます。
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