今でもたまに思い出す

研修時代の研修先が、思想や宗教色の濃いどブラックで。
それはそれは、なかなかの「しごき」を受けました。

「お前が男だったら殴ってるぞ！」
「死ね！」
「中学生以下だ！」
なんて枕詞の様な。
とにかくキレまくる怒鳴りまくるボスでした。
でも恥ずかしながらわたしも経験が少なかったため、今思えば明らかに危険な職場ですが、何とか必死に頑張っていました。
しかしながら頑張れば頑張るほど叩く師匠&ボス&兄弟子により、見事にメンタルをやられましたが。

そんなゴミみたいなボスですが、怒鳴り散らしていじめ抜いた後に決まっていう言葉がありました。

「俺はこういうやり方しかできないし、しない」
「お前のためにやってるんだ」

ボスは学生時代サッカーに打ち込む青年だったそうで。
まさしくスポ根真っ盛りの時代。
気合が入ってないからお前らを殴る！とか、パイプ椅子が飛んでくるとかそういう感じとのこと。
そのせいで、才能ある選手も、キツイしごきや体罰で怪我をして選手生命を断たれたり。
そんな中で俺は生き残って来た、と、そういうニュアンスの自分語りをよくやられていました。

今思えば…
つまりボスは、そういう指導法しか知らないという、自分の未熟さを話されていたのでしょう。
怒鳴ることしか出来ない能無しでした。
自分がそうされて来たから。

自分が歩んで来た道を否定したくないから、例え自分が苦しんでその道を歩いて来たとしても、そこをまた通らせようとする。
普通に考えて、歩きづらい道は非効率です。
ましてやボスは、辛かったと話している。
そもそも優しくなんか出来ないんですよ、弟子に嫉妬しちゃうからw
スポ根にありがちな「苦しい思いをした仲間」を増やそうとしてるだけです。
仲間同士ならまだいいですが。

以前、ホリエモンが寿司職人の修業について話していました。
寿司職人になるために弟子入りして10年もしごかれながら修業するのは非効率、寿司アカデミーで3ヶ月学べば旨い寿司は握れるしすぐ独立出来る、と。
案の定「お前は分かってない」的なバッシングが多々。
ですがそもそも、何のために修業するのか？
日本の「技は見て盗め」の精神は、自分から積極的に技術習得と修練に励む素晴らしい姿勢だとは思います。
でも「旨い寿司を握るため」に10年しごかれながら育てる精神性は「旨い寿司を握るため」に本当に必要なんだろうか。


話は戻りますが、ボスは常々
「師弟関係は大切だ、師弟制度を復活させたい」
と話していました。
自分が私など「弟子」に「厳しく」するのは育てていく上での愛情、こんなに責任持ってやってる親方なんか他にいないぜ、と。
正直、技術習得のために研修を始めた側としては愛情なんて綺麗事に反吐が出ますし、研修終了したら即縁を切りたいと思って耐えていました。
(この時点で弟子を育てることに失敗している)

裏を返せば「自分について来る弟子が欲しい」だったようです。

ちなみに、わたしの結婚式のスピーチでも
「パワハラモラハラ、何でもやって来ました」
と堂々と語って大顰蹙を買い、その後の余興でもウケを狙ってただ滑り。
本人は何故自分が顰蹙を買ったのか理解できていない様子でした。
悲しいことに、自分の価値観が一般社会と大きくズレてることにすら気付かない。
自分に従順な弟子ばかりを従えてヨイショさせてお山のボスザルしてると世間から取り残される恐れがある、という良い例になりました。
でも、気付いてたら恥ずかしくて表になんか出られないよな…。知らない方が幸せなのかも。

ちなみに。
今ボスは、弟子にも嫁にも逃げられ、周辺の人間からも距離を置かれ。
唯一残ったドMの弟子から
「ボスサイコーっす！ボスに命掛けて一生付いてきます！」
と担がれ、2人でせっせと働いているとのこと。

需要と供給が合っていれば、そこはパラダイスなんですね。きっと。

長くなりましたが。新社会人の方に。
仕事は、続けなければ得られないものが必ずあります。色んな形でそれはあります。
でもそれは「どのくらい勤めれば得られる」というものではありません。
例えばわたし自身もブラック会社でしたが、そこから得たものは少なからずあります。
相手から与えられるものではなく「ここで何を得るか」を考えながら働くことが大切ではないかと思っています。
お金、技術、人間関係など。多岐に渡ります。

「何を得るか」を頭においておけば、例えブラック企業で悩んでいても、見切りを付けやすくなります。
背中に張り紙をした経験から度胸を得て、営業がしやすくなるかも知れませんw話のネタにもなりますw

何においても命が1番大切です。命は時間でもあります。
会社で命を落とすことの無いように。
わたしもまだまだ至らぬ身ですが、応援しています。


■背中に大きく「新社会人本を売る」　都内で目撃された新卒研修にネット騒然「ただのパワハラ」
(キャリコネ - 04月28日 18:32)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=210&from=diary&id=4550314