『末長く』

『末長く』
あいにくの雨の中、友人の結婚式が始まり、花婿の友人のテーブルは男同士で話もあまり盛り上がらず、隣の花嫁の女性の友人達の話が耳に入る。花嫁は友人を、自分が間に入って最後まで、花婿に勧めていたが上手くいかず、結局、自分が付き合うようになり、花嫁の友人は、それを花嫁のせいにして怒り、仲違いした。だから、今日は呼ばれていないのだと言う。女性達は、花嫁は友人思いで優しい、花嫁の友人が悪い、いや、花嫁が友人から略奪したのだなどと、盛んに話している。花婿の話では、花婿もその友人の方に最初から好意を持っていて、付き合いたかったのだそうだ。花嫁と花婿の様子を見ると、花嫁が花婿をしきりに見ている。惚れているのは、花嫁の方らしい。本当に悪いのは花嫁の友人なのだろうか。付き合うように勧めていても、二人の間に割って入っていた事には変わりない。途中で退席しない仲人はいないのに。式は順調に進み、花嫁の友人達が花嫁の優しさを讃えるスピーチを始めた。