mixiユーザー(id:30080993)

2018年09月23日09:35

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遺伝率

今遺伝学の論文読んでるので(https://www.researchgate.net/publication/276922271_Meta-analysis_of_the_heritability_of_human_traits_based_on_fifty_years_of_twin_studies)、ウィキペディアの遺伝率を見たら、

「遺伝率は、身長や体重などの、多くの遺伝子が関与する量的形質おいて、集団内での差異を遺伝要因と環境要因に分割したときに、遺伝で説明できる割合を指す。集団内での差異は数学的には分散で表される。

実用的には、遺伝率は平均への回帰の程度を表す。例えば、ある動物の体重の遺伝率が60%として、この動物の中から、集団平均よりも平均して10kg重い個体を選抜して掛け合わせると、子の平均体重は集団平均よりも6kg重くなる(ここでオスとメスの体重の分散は同じとしている。異なる場合は補正する必要がある)。遺伝率はあくまで集団としての統計値として意味があり、特定の個体に対して遺伝の影響度を示すものではない。例えば体重が小さい個体がいたとして、その原因の60%が遺伝だとはいえない。遺伝的には大きくなりやすい個体なのに、たまたま栄養状態が悪い環境で育ったため体重が小さくなったのかもしれない。」

とあった。ウィキペディアにしては簡潔でわかりやすい説明。

まず、遺伝率は何を説明しているか、という視点を持ってみよう。ある集団内の個体間にある差異はどうして生まれるのか。例えば、身長の高い低い人はいるけど、その違いは何によって生じるのか。割合を計算するのに、集団全体でその差異をあらわす必要がある。それが分散という数学的な値になる。だから、あくまで集団を単位として考える。個人を単位とはしていない。

平均への回帰の程度をあらわす、というのは、集団平均より10kg重い個体は、その重さが全くの偶然によるものであるならば、10kg重い個体群の子の平均はほぼ、集団平均に戻るだろう。しかし、遺伝率が60%あるのならば、偶然による体重への影響は+4kgで残りの+6kgは遺伝による影響なので、平均への回帰は+4kgだけに影響し、結果子供の体重の平均は集団平均+6kgとなる。
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