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2018年02月22日13:17

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『シェイプ・オブ・ウォーター』恋、官能、SF、寓話、スリル、ミュージカル…映画ファンに愛される要素全てを有す傑作!異種間映画でこれ程官能にむせぶ映画はなく感涙もの必至。デルトロとサリーにオスカーを!

こんにちは。試写室情報です。『シェイプ・オブ・ウォーター』★★★★★
世に傑作、秀作映画があるとしたら、これは何度でも観直したい”愛され映画”の筆頭に違いない。恋愛、官能、SF、コメディ、ファンタジー、ミュージカル、寓話、サスペンス、スリラー、友情、郷愁、政治、切なさ、ハラハラドキドキ、共感と涙…、映画ファンに愛される全ての要素が詰まっているのだ。それらの何れもが高いクオリティを示す。
脚本・製作も兼ねるギレルモ・デル・トロ監督の脳内世界に浸り切れる至福の時間だ。

謂わば「ノスタルジック版『ラ・ラ・ランド』」であり、「『パンズラビリンス』ラブストーリー」でもあり、「『美女と野獣』官能編」とも言える。説明するともどかしくなるので、とにかく絶対観て!と叫ぶしかない。

『キングコング』『モスラ』など、怪獣、モンスター、クリーチャー、異形の生物に美女が絡む物語は今までもあったが、本作ほど恋する者同士の官能の高まりを伝える映画はなかったのではないか。男子の皆さんは、冒頭5分で度肝を抜かれるだろう。

題名のように「水が形を変える」如く、2人(?)の関係性、恋の高まりも形を変えながら、発展して行く。ファンタジーやSFには、とかく「無理があるんじゃない?」と言いたくなる節もあるが、本作ではそれが呼吸をするように、とても自然。相手は異種の生き物とはいえ、神として崇められてきた生物だからか…。
特異な意匠に関する技術的課題を難なくこなし、種を超えた恋愛を誰もが応援したくなる物語を紡いだギレルモ・デル・トロに平伏したい。

主役イライザのサリー・ホーキンス、友人役のリチャード・ジェンキンス(『扉をたたく人』などの名優)、オクタビア・スペンサー(『ドリーム』)、博士役のマイケル・スタールバーグ(『メッセージ』など)らの設定が、社会的マイノリティであることも興味深い。何度も観返し、深読みしたくなる人物造形を内包しているのだ。

往年のミュージカル映画ファンには嬉しい旧作もたくさん登場するし、劇中、TVで放映されるのは、”馬が喋る”「ミスター・エド」!懐かしく心踊るエンターテイメントに仕上がっているため、そうした細部の仕掛け・ディテールもお見逃しなく。

オスカー13部門ノミニーも納得の出来映えだが、最も授賞を望むのはデビュー作から応援している英国女優のサリー・ホーキンスだ。手話や表情でこれほど豊かな感情をしなやかに表現した演技に心を撃ち抜かれてしまった。官能シーンも決してイヤらしさはなく、寧ろ清々しい。熱演を避け、抑制的な演技は本当に魅力である。本作でホーキンスを知った方には、ぜひ過去の作品にも接してほしい。

本作のように、俳優陣のアンサンブル演技と、美術や音響、特撮などの技術部門が巧みに同調し結実した映画は稀有な例である。3月1日(木・映画の日)より、TOHOシネマズシャンテほかにて公開されます。今年、見逃せない1本、絶対絶対ご覧くださいね。
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