沢木くんと馬島くんの交換日記：第6回

第6話「籠城」
監督：佐藤純彌




…いるんだ、そういう奴が。本人は一生懸命でも、どうしても流れに乗り切れなくて、はじき出される奴がな。




目黒区のラーメン屋「福力」の向かいで籠城事案が発生した。配達の失敗を店主に叱責された福力のバイト青年が、包丁を手に店を飛び出し、通行人を人質に空き家に飛び込んだのだ。現場に呼び出された沢木は、犯人を説得できる友人知人を探してきてくれと担当刑事に依頼される。真面目だが、要領の悪さから職場を次々クビになっていたという青年の過去。聴き込む先々で、青年が名前を変え、新しい気持ちで必死に生きていたことを知る沢木。青年に同情すら覚え始めた沢木だったが、他の刑事たちは青年が偽名を使っているのは何か重大犯罪を犯して逃げている身なのではと疑い説得を断念。しかも人質が政財界トップの娘であることから解決を急ぎ、突入を決断してしまう。


ゲストは下条アトム。バイト青年の唯一の理解者である町工場の旋盤職人です。クライマックスの説得シーンで泣きそうになりました。いや、本当に泣きました。

どこまでも不器用でツイていない犯人と、クズのような人質。沢木の願いも虚しく、最悪の結末を迎えるエピソード。世間はどこまでも弱者に冷たく、救いがない。そういう事実を突きつける、本当に堪らない話でした。