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2015年06月30日16:55
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【解説】ランボルギーニ・カウンタック２５ｔｈアニバーサリー(１９８８〜１９９０)
カウンタックＬＰ４００(１９７４〜１９７８)
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カウンタックＬＰ４００Ｓ(１９７８〜１９８２)
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カウンタックＬＰ５０００Ｓ(１９８２〜１９８５)
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カウンタックＬＰ５０００クワトロバルボーレ(１９８５〜１９８８)
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最後を飾るのは２５ｔｈアニバーサリーです。
パトリック・ミムランは次なる一手として、最後のカウンタックとなるはずだった試作モデル『Ｌ１５０』を１９８６年に完成させていました。
前後ともブリスターフェンダーとされた新しいボディは、空力性能の向上を目的としてデザインされたもの。
エンジンは全車インジェクション仕様となり、燃料タンクを右側、ラジエターを左側に配置するなど改良され、リヤフェンダー左側のルーバーは自動開閉式(右側はダミー)、ドアウインドウは大きな１枚ガラスのパワーウインドウを採用するなど、走行性能と快適性の向上を目的とした様々なモディファイが加えられていました。
世界に１台のランボルギーニＬ１５０は日本にあります。
ところが１９８７年にランボルギーニの経営権はアメリカのクライスラーへ移り、これらの計画はすべて白紙撤回され、次期モデル(＝ディアブロ)の誕生までのつなぎとなる新型車の計画は、クライスラー社の会長であったリー・アイアコッカの指揮のもと、新たにスタートすることになります。
この状況下で活躍したのは、当時ランボルギーニのデザイナーだったホラチオ・パガーニ氏です。
新しいカウンタックは主に北米での市場拡大を目的としてデザインされ、これまでのモデルで不評だった北米仕様特有の不格好なバンパー類(州によって基準が異なるため、デザインは様々)は、スタイリングの面で多くの不評を買っていたため、これを解消するのが１つの大きな目的となりました。
こうして１９８８年９月の『ランボルギーニ・デイ』で発表されたのが、カウンタックの最終モデルである２５ｔｈアニバーサリーです。
アウトモビリ・ランボルギーニＳｐａの創立２５周年記念モデルとして誕生したカウンタック２５ｔｈアニバーサリーは、新デザインのフロントバンパーとスポイラー、ＱＶ後期モデルから正常進化したサイドスカート、スポイラーの役割も果たす大型のリヤバンパー、デザインが一新されたエアボックス、リヤの表情を一変させたリヤガーニッシュの追加など、ホラチオ・パガーニ氏の手によってガンディーニ・デザインを継承しながらも、空力性能の向上が図られたのが特徴です。
パワートレーンはＬＰ５０００ＱＶから踏襲され、４５５ｐｓを発生する５１６７ｃｃのＶ型１２気筒ＤＯＨＣ４８バルブエンジンと５速マニュアルトランスミッションの組み合わせです。
サスペンションは新たに採用された『ピレリＰゼロ』タイヤのグリップ力への対応と、乗り心地の向上を目的としてチューニングし直されています。
インテリアでは新デザインのステアリングホイール、リクライニング機構を持つパワーシートやパワーウインドウの採用、オートエアコンのバージョンアップ、細かいところでは新しいヒューズボックスの採用なども行われています。
車両重量は１６８０ｋｇと重くなったものの、高速走行時の安定性が向上したおかげで快適性はこれまでのカウンタックとは比較にならないものになりました。
アニバーサリーになってもリヤウイングの装備された個体が多く観られますが、実は２５ｔｈアニバーサリーにリヤウイングのオプションは用意されていませんでした。
これは空力性能の向上に伴って必要性が薄れたことに起因していますが、ＬＰ４００Ｓ以降のカウンタックのアイデンティティでもあるリヤウイングは、やはりオーナーの間では人気があり、後付された例が多く見受けられます。
キャブレター(上)とインジェクション(下)のフード形状の違い
２５ｔｈアニバーサリーでもＫジェトロニックのインジェクションエンジンがオプションで用意されており、エンジンフードの形状がキャブレター仕様とは異なっています。
新しいバンパーを採用した２５ｔｈアニバーサリーですが、アメリカの一部の州では衝突安全基準をクリアできずにいたため、これらの州では再び不格好な大型の５マイルバンパーの装着が余儀なくされました。
１９９０年７月４日、最後のカウンタックがラインオフしました。
このシルバーの２５ｔｈアニバーサリーは、当初オリジナルのデザインを担当したマルチェロ・ガンディーニ氏へ寄贈される予定でしたが、自分のデザインしたカウンタックへのプライドか、それとも完成したディアブロが自分の理想とは全くかけ離れたものになってしまったからなのか、ガンディーニ氏は受け取りを拒否、この最終生産車はムゼオ・ランボルギーニに今も展示されています。
特別限定車として誕生したカウンタック２５ｔｈアニバーサリーですが、最終的に歴代モデルで最多となる６５７台が生産されました。
ランボルギーニ・カウンタック２５ｔｈアニバーサリー 車両諸元
全長：４１４０ｍｍ
全幅：２０００ｍｍ
全高：１０７０ｍｍ
ホイールベース：２５００ｍｍ
トレッド(Ｆ／Ｒ)：１５３６／１６０６ｍｍ
車重：１６８０ｋｇ
エンジン形式：水冷６０°Ｖ型１２気筒ＤＯＨＣ４８バルブ
ボア×ストローク：８５．５×７５ｍｍ
総排気量：５１６７ｃｃ
圧縮比：９．５
燃料供給装置：ウェーバー４４ＤＣＮＦ×６
最高出力：４５５ｐｓ／７０００ｒｐｍ
最大トルク：５１．０ｋｇｍ／５２００ｒｐｍ
燃料タンク：１２０リットル(６０×２)
トランスミッション：５速マニュアル
�。押ィ横械�
�■院ィ僑横�
��１．０８６
�ぃ亜ィ牽毅�
�ィ亜ィ沓娃�
Ｒ：１．９６０
最終減速比：４．０９０
ステアリング形式：ラック＆ピ二オン
サスペンション形式：前後ダブルウィッシュボーン＋コイル／スタビライザ
ブレーキ形式：前後ベンチレーテッドディスク
ホイールサイズ(Ｆ／Ｒ)：８．５Ｊ×１５／１２．０Ｊ×１５
タイヤサイズ(Ｆ／Ｒ)：２２５／５０ＶＲ１５ ／ ３４５／３５ＶＲ１５ ピレリＰゼロ
アニバーサリーと言えば、ランボルギーニの歴史を変えた偉大な１台があります。
１９９４年の全日本ＧＴ選手権に参戦したレインＸアート・カウンタックです。
世界で唯一のレーシングカウンタックは、寺井エンジニアリングで製作されたもの。
もちろんレーシングパーツは存在しないため多くの部分はノーマル(ノーマルクラッチだったためレーシングスタートは禁止だったとも…)であり、戦闘力は残念ながら低いものでしたが、この時代にキャブレターを搭載したエンジンでレースをするというのも、ヒストリックカーレース以外では考えられないことであり、その特有のエキゾーストノートは人気を博しました。
ドライバーは漫画『サーキットの狼』の作者である池沢さとし氏とベテランの和田孝夫選手でした。
引退後はこのカラーリングのままロードカーに戻されました。
その後、長らく寺井エンジニアリングでレストアが行われていましたが、２０１６年末に完了し、オーナーの元へ戻っています。
ここからはおまけです。
１９８７年、究極のカウンタックとも言われるカウンタック・エボルツィオーネが製作されました。
シャシーやボディは専用のもので、カーボンファイバーの多用によってベースのＬＰ５０００ＱＶとは比較にならない９８０ｋｇという超軽量ボディを構成、ヘッドランプ、ワイパー、ホーン、エアコンといったあらゆるものが省かれており、まさに走行実験のためだけに製作されたカウンタックです。
５１６７ｃｃのエンジンは基本的にはＱＶのものと同じでしたが、４９０ｐｓまでチューニングされ、最高速３３０ｋｍ／ｈを記録したと言われています。
当時テストドライバーだったバレンティーノ・バルボーニ氏によれば、その走りは『ベリーエキサイティング！！』だったといいます。
このカウンタック・エボルツィオーネについてはクライスラー傘下になってもテストが繰り返されていましたが、『クラッシュテスト後に廃棄された』という説と『長年放置されていたがレストアされた』という説があり、真意は不明です。
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カウンタックＬＰ４００Ｓ(１９７８〜１９８２)
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カウンタックＬＰ５０００Ｓ(１９８２〜１９８５)
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カウンタックＬＰ５０００クワトロバルボーレ(１９８５〜１９８８)
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最後を飾るのは２５ｔｈアニバーサリーです。
パトリック・ミムランは次なる一手として、最後のカウンタックとなるはずだった試作モデル『Ｌ１５０』を１９８６年に完成させていました。
前後ともブリスターフェンダーとされた新しいボディは、空力性能の向上を目的としてデザインされたもの。
エンジンは全車インジェクション仕様となり、燃料タンクを右側、ラジエターを左側に配置するなど改良され、リヤフェンダー左側のルーバーは自動開閉式(右側はダミー)、ドアウインドウは大きな１枚ガラスのパワーウインドウを採用するなど、走行性能と快適性の向上を目的とした様々なモディファイが加えられていました。
世界に１台のランボルギーニＬ１５０は日本にあります。
ところが１９８７年にランボルギーニの経営権はアメリカのクライスラーへ移り、これらの計画はすべて白紙撤回され、次期モデル(＝ディアブロ)の誕生までのつなぎとなる新型車の計画は、クライスラー社の会長であったリー・アイアコッカの指揮のもと、新たにスタートすることになります。
この状況下で活躍したのは、当時ランボルギーニのデザイナーだったホラチオ・パガーニ氏です。
新しいカウンタックは主に北米での市場拡大を目的としてデザインされ、これまでのモデルで不評だった北米仕様特有の不格好なバンパー類(州によって基準が異なるため、デザインは様々)は、スタイリングの面で多くの不評を買っていたため、これを解消するのが１つの大きな目的となりました。
こうして１９８８年９月の『ランボルギーニ・デイ』で発表されたのが、カウンタックの最終モデルである２５ｔｈアニバーサリーです。
アウトモビリ・ランボルギーニＳｐａの創立２５周年記念モデルとして誕生したカウンタック２５ｔｈアニバーサリーは、新デザインのフロントバンパーとスポイラー、ＱＶ後期モデルから正常進化したサイドスカート、スポイラーの役割も果たす大型のリヤバンパー、デザインが一新されたエアボックス、リヤの表情を一変させたリヤガーニッシュの追加など、ホラチオ・パガーニ氏の手によってガンディーニ・デザインを継承しながらも、空力性能の向上が図られたのが特徴です。
パワートレーンはＬＰ５０００ＱＶから踏襲され、４５５ｐｓを発生する５１６７ｃｃのＶ型１２気筒ＤＯＨＣ４８バルブエンジンと５速マニュアルトランスミッションの組み合わせです。
サスペンションは新たに採用された『ピレリＰゼロ』タイヤのグリップ力への対応と、乗り心地の向上を目的としてチューニングし直されています。
インテリアでは新デザインのステアリングホイール、リクライニング機構を持つパワーシートやパワーウインドウの採用、オートエアコンのバージョンアップ、細かいところでは新しいヒューズボックスの採用なども行われています。
車両重量は１６８０ｋｇと重くなったものの、高速走行時の安定性が向上したおかげで快適性はこれまでのカウンタックとは比較にならないものになりました。
アニバーサリーになってもリヤウイングの装備された個体が多く観られますが、実は２５ｔｈアニバーサリーにリヤウイングのオプションは用意されていませんでした。
これは空力性能の向上に伴って必要性が薄れたことに起因していますが、ＬＰ４００Ｓ以降のカウンタックのアイデンティティでもあるリヤウイングは、やはりオーナーの間では人気があり、後付された例が多く見受けられます。
キャブレター(上)とインジェクション(下)のフード形状の違い
２５ｔｈアニバーサリーでもＫジェトロニックのインジェクションエンジンがオプションで用意されており、エンジンフードの形状がキャブレター仕様とは異なっています。
新しいバンパーを採用した２５ｔｈアニバーサリーですが、アメリカの一部の州では衝突安全基準をクリアできずにいたため、これらの州では再び不格好な大型の５マイルバンパーの装着が余儀なくされました。
１９９０年７月４日、最後のカウンタックがラインオフしました。
このシルバーの２５ｔｈアニバーサリーは、当初オリジナルのデザインを担当したマルチェロ・ガンディーニ氏へ寄贈される予定でしたが、自分のデザインしたカウンタックへのプライドか、それとも完成したディアブロが自分の理想とは全くかけ離れたものになってしまったからなのか、ガンディーニ氏は受け取りを拒否、この最終生産車はムゼオ・ランボルギーニに今も展示されています。
特別限定車として誕生したカウンタック２５ｔｈアニバーサリーですが、最終的に歴代モデルで最多となる６５７台が生産されました。
ランボルギーニ・カウンタック２５ｔｈアニバーサリー 車両諸元
全長：４１４０ｍｍ
全幅：２０００ｍｍ
全高：１０７０ｍｍ
ホイールベース：２５００ｍｍ
トレッド(Ｆ／Ｒ)：１５３６／１６０６ｍｍ
車重：１６８０ｋｇ
エンジン形式：水冷６０°Ｖ型１２気筒ＤＯＨＣ４８バルブ
ボア×ストローク：８５．５×７５ｍｍ
総排気量：５１６７ｃｃ
圧縮比：９．５
燃料供給装置：ウェーバー４４ＤＣＮＦ×６
最高出力：４５５ｐｓ／７０００ｒｐｍ
最大トルク：５１．０ｋｇｍ／５２００ｒｐｍ
燃料タンク：１２０リットル(６０×２)
トランスミッション：５速マニュアル
�。押ィ横械�
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Ｒ：１．９６０
最終減速比：４．０９０
ステアリング形式：ラック＆ピ二オン
サスペンション形式：前後ダブルウィッシュボーン＋コイル／スタビライザ
ブレーキ形式：前後ベンチレーテッドディスク
ホイールサイズ(Ｆ／Ｒ)：８．５Ｊ×１５／１２．０Ｊ×１５
タイヤサイズ(Ｆ／Ｒ)：２２５／５０ＶＲ１５ ／ ３４５／３５ＶＲ１５ ピレリＰゼロ
アニバーサリーと言えば、ランボルギーニの歴史を変えた偉大な１台があります。
１９９４年の全日本ＧＴ選手権に参戦したレインＸアート・カウンタックです。
世界で唯一のレーシングカウンタックは、寺井エンジニアリングで製作されたもの。
もちろんレーシングパーツは存在しないため多くの部分はノーマル(ノーマルクラッチだったためレーシングスタートは禁止だったとも…)であり、戦闘力は残念ながら低いものでしたが、この時代にキャブレターを搭載したエンジンでレースをするというのも、ヒストリックカーレース以外では考えられないことであり、その特有のエキゾーストノートは人気を博しました。
ドライバーは漫画『サーキットの狼』の作者である池沢さとし氏とベテランの和田孝夫選手でした。
引退後はこのカラーリングのままロードカーに戻されました。
その後、長らく寺井エンジニアリングでレストアが行われていましたが、２０１６年末に完了し、オーナーの元へ戻っています。
ここからはおまけです。
１９８７年、究極のカウンタックとも言われるカウンタック・エボルツィオーネが製作されました。
シャシーやボディは専用のもので、カーボンファイバーの多用によってベースのＬＰ５０００ＱＶとは比較にならない９８０ｋｇという超軽量ボディを構成、ヘッドランプ、ワイパー、ホーン、エアコンといったあらゆるものが省かれており、まさに走行実験のためだけに製作されたカウンタックです。
５１６７ｃｃのエンジンは基本的にはＱＶのものと同じでしたが、４９０ｐｓまでチューニングされ、最高速３３０ｋｍ／ｈを記録したと言われています。
当時テストドライバーだったバレンティーノ・バルボーニ氏によれば、その走りは『ベリーエキサイティング！！』だったといいます。
このカウンタック・エボルツィオーネについてはクライスラー傘下になってもテストが繰り返されていましたが、『クラッシュテスト後に廃棄された』という説と『長年放置されていたがレストアされた』という説があり、真意は不明です。
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