「こんな叩かれると思わんかった」 岡崎体育、日本初のファンクラブシステムに批判殺到 SNSで真意を明かす
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=4972512
実際に体育君ファンクラブ会員をしていた身としては
これは反発が出て当然でもあると思う自分がいる。
「何でもサービスには対価が発生する」
「お金のない貧乏人が僻んでる」
「お客様は神様じゃない」
そりゃそうだ
概要だけ聞けば誰でもそう思う。
ただ、逆に言えばそれは
「対価を払えばサービスを得られる」
「神様だと思ってくれているだろう」
ということでもある。
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体育君のファンクラブは発足して1年くらい
月額300円ほどかかる
年会費に換算すると3600円。
ももクロやPerfumeの年会費が4000円だと考えれば決して安くはない金額だ。
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発足のとき、体育君はこういっていた
https://natalie.mu/music/news/222952
岡崎体育の公式ファンクラブ「Wallets」が本日3月2日にオープンした。
「Wallets」では岡崎体育の最新情報が随時発信されるほか、ステージ裏での彼の様子を紹介するスタッフブログが閲覧できたり、会員限定グッズやチケットの先行販売に申し込むことができたりと、さまざまな会員特典を用意。岡崎体育はファンクラブの開設に際して「誠に恥ずかしながら岡崎体育のファンクラブができました。Walletsってどういう意味かあんまりよくわからないですが、なんか響きが良かったのでつけました。多分『クジラ』とかそんな感じの意味やったと思います」とTwitterでコメントしている。
https://natalie.mu/music/pp/okazakitaiiku02/page/4
ファンクラブ発足という“ギャグ”
──今年3月に発足したファンクラブ「Wallets」についてもお聞きしたいんですが。岡崎さんがファンクラブを作られたのがちょっと意外でした
ファンクラブを作るのって今の時代、ちょっと体裁が悪かったりするところもあると思うんですよ。ちょっと恥ずかしいというか。だから岡崎体育のファンクラブって今でもいらんやろって思うところはあるんです。
──せっかく作ったのにネガティブキャンペーンをしてどうするんですか……。
僕の中では「岡崎体育なのにファンクラブって!」っていうギャグなんですよ。
──でもたくさんのファンの方が入会してくださってるでしょうし、ファンクラブならではの企画を考えたりは?
もちろんします! 今はファンクラブ限定グッズの販売とか、ファンクラブ限定のブログをやってるんですけど、それだけじゃ物足りないと思うんです。今後は、ファンクラブの人しかダウンロードできひん音源とか、僕の労力だけで済むものでファンの人に喜んでもらえることを自分発信でできたらと思ってます。「岡崎体育、ファンクラブで面白いことやってるで」って言われるような企画を今後考えていきたいです。
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私はいち早くファンクラブに入り、この記事を読んでワクワクしていた。
ライブチケットの先行が発表されてすぐに応募した。
当選した番号はとてもいい番号で、入会してよかった、と思った。
限定グッズは既存アイテムの色違いのTシャツだけだったけれど
とてもうれしくてすぐに購入した。
しかし、そこからとてつもなく忙しくなった体育君はファンクラブに対する熱意をすっかり失ってしまったようだった。
発足して2ヶ月。
ニューアルバムが発売されたあたりからガクンとファンクラブの動きが鈍くなった。
週に一度だったブログの更新はとまり、月に1度から2度のペースになった。
そのブログも何ヶ月も前のライブの様子をマネージャーがあやふやな調子で更新するだけになった。
メルマガは1通も配信されず、音源も配信されなかった。
ファンの交流もなくFCイベントも何もなかった。
最新情報もツイッターで知るのがやっと。
あれだけ夏フェスに出ていたのに情報を知るのはいつも音楽の専門サイトだった。
いったい何を考えてどういうライブをしているのか。
インタビューでは饒舌に答える体育君だったがそれをファンクラブで語ることはなかった。
それでも私は辛抱強く待っていた。
今は忙しいんだろう。体育君はフリーだから。
300円なんて安いものだし、それが体育君の背中をちょっと押すことが出来たなら。
ファン冥利に尽きるもの。
その間どんどん体育君は大きな仕事が決まり、タイアップやCMでその姿を見るようになった。
フェスに行くとてっくんは饒舌に歌った。
「ぜーんぶきみのものさ♪」
ツイッターで体育君がゲームをしたりなんだか忙しそうにしているのを見ながら頑張れ、とひそかに応援していた。
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そんなある日。
いきなりマネージャーがツイッターでひどく明るい調子でファンクラブの仕組みが変わります!
とつぶやいた。
ファンクラブ会員あてでなく、全世界に発信する形で。
そこには「bitfan」という見なれないサイトがリンクされていた。
そのサイトにはでかでかと大きなタイトルが踊っていた。
https://skiyaki.com/contents/147512
ファンの熱量を可視化する「bitfan」いよいよリリース!! 第一弾アーティストは「岡崎体育」! これまでのファンクラブの常識を完全に覆す新サービスを発表!
「熱量」を「可視化」する。
見なれない表現に胸がひやりとした。
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bitfan」では、ファンクラブへの入会・継続、
ファンクラブサイトでのログイン履歴、
ECサイトでのグッズの購入状況、
twitter等による応援・拡散など、ファンの様々な行動履歴を収集し、
独自のアルゴリズムによってファンに「トークン」を付与します。
そして、付与されたトークンに基づいて評価したランキングを表示することで、ファンのアーティストに対する熱量を可視化します。
ファンは自分のランキングの順位に応じて、特別な体験を得られる機会を得ることが可能になります。
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綺麗に色づけされた人型のアイコン。
信じて待っていた自分がまるで記号のひとつ、ゲームのキャラクターになってしまった気がした。
体育君の音楽がいいなと思ってつぶやいたこと、頑張れと思って買ったTシャツ、かわいいなと思って買ったマフラータオル、楽しそうと思って買ったチケット。
すべてがブラックボックス、どこかの誰かが決めたアルゴリズムで熱量が数値化されスコアリングされて分類される。
いっそこれがもっとシンプルに「グッズ10万円買ったら握手ですよ」とか
「チケット100枚買ったらバックステージご招待ですよ」なら納得もいっただろう。
音楽活動にお金は大事だからね。
熱量を可視化する、おしゃれだしこれからのエンタメの新しい形ですよ!といえばそれまでだ。
では何のために?といえばもちろんアーティスト側の為だ。
可視化して熱量の高いファンを優遇することで囲い込みを図る。
いいことだ。
ただ一方で、このランキングは相対評価だ。
熱量の高いファンが増えれば増えるほど、上位ランキングに入ることは難しくなる。
ライバルは他ならぬそのほかの会員だ。
よりよいサービスを受けたければ他のファンより上位に行く必要がある。
体育君がブログで述べたように握手や2ショットチェキを特典にしている以上物理的限界がある。
青天井で競い合わなければいけない。
「こんなキモイデブとそんなに握手したいのかよバーヤバーヤ」
という声はこの際ちょっと置く。
そういうシステムになっている、ということだ。
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「いろいろ話し合いました」
と体育君はブログで語っていた。
「ファンを選別するな、といわれました」とも。
私は、ファンをそんなわけのわからないソフトで選別して欲しくなかったなと思った。
体育君がどういう説明を受けたのか分からないが、体育くんがそれでいいと言ったのならそれでいいじゃん、ということなのだけれど。
その話し合う時間のほんの少しでも、今いるファンクラブ会員に進捗状況なり、こういことを考えてますがどうですか?と聞いて欲しかった。
結果導入されたとしてももっと気持ちよく応援できただろうし、
よーしお姉さんポイントためちゃうぞーってなったかもしれない。
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「こんな叩かれると思わなかった」
と体育君は言った。沢山の批判を浴びる中体育君はこう呟いた。
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https://twitter.com/okazaki_taiiku/status/959401011218563073
ファンクラブ内に優劣をつけているように見えるので、バチボコに叩かれたりしてますけども。
そもそもファンクラブ作ってる時点でファンクラブ入ってる人と入ってない人の優劣つけてると僕は思うんですけどね。どのアーティストもアイドルもスポーツ選手もタレントも。
細分化しただけです。
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優劣、なんて考えたこともなかった私は心底悲しくなった。
世の中には岡崎体育君のファンの人と、そうでない人がいてそれだけのことだ。
ファンクラブに入っているから優位だ、なんて考えたこともなかった。
誰でも入会できるファンクラブに入っていることでどんな優越感が生まれるというのだろうか。
ファンクラブはファンとアーティストで作っていくものだと少しでも思いを馳せて欲しかった。
いろいろなファンが体育君を応援していると考えて欲しかった。
「
ファンクラブコンテンツが更新されなくても、まあいっか、と笑ってたファンがいたことを忘れて欲しくなかった。
そしてファン1人1人の体育君を応援する気持ちを数字のように扱って欲しくなかった。
それが甘い、といわれればそうだ。
世界は数字で出来ているのだから。そんなロマンティズムで飯は食えない。
体育君はフリーでしかもとてつもなく忙しい。
ファン1人1人なんていちいち考えていられないだろう。
体育くんに限らず、子供の書いた似顔絵つきのファンレターよりも、5000円のクオカードの方が値打ちがある、と思う人もいるだろう。
とはいえ、体育君のライブに行くのはお祭りのようで、とても楽しかったのだけれど、
これからはファンとアーティストというよりは、顧客と事業主として一線引いてみていこうと思った今回のことなのである。
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