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2018年06月22日09:24

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鳥肌物のラップシーンと負け犬女のサクセスストーリー…音楽映画『パティ・ケイク$』

カチンコ初監督作品ながらサンダンス映画祭などで絶大な人気を得た音楽映画を観ました。監督は劇中の音楽全てを作曲したジェレミー・ジャスパー。困難な状況の中でもラップで成功を収めようと奮闘する女性を描いた映画です。

舞台はニュージャージ—。呑んだくれの母と車いすの祖母と三人暮らしの23歳のデブ女パティが主人公。音楽で成功し地元から抜け出すことを夢見ていました。ある日、駐車場で開かれたフリースタイルのラップバトルに参加して注目され、正式なオーディションに出場するチャンスを手に入れます。彼女を支えるインド系の相棒や、不思議な魅力を持つ黒人パンク野郎などとバンドを組んでチャレンジします。でも最愛の祖母には死なれてしまい一度は諦めもしますが祖母や母の姿を見て頑張ります。

そんな悪環境の中でも決して夢を諦めなかった一人の女性の姿がシッカリ描かれている映画でした。ラップ本来の抑圧と怒りの精神とエネルギーがはちきれんばかりに炸裂する素敵な映画でした。可愛いおデブちゃんの優しい愛がとても愛おしく見えました。最悪な環境や境遇が行く手を拒んでも、本気で好きになったことを最後までやってのける素晴らしさを教えてくれました。そんな悩んで苦しんで掴んだものだからこそパティの行動や言葉に胸が打たれるのだと思いました。

また“出ていけ! くたばれ!! ”などと罵りあいながらも結局は離れられない家族の不思議な愛情を描いた映画でもありました。そのみっともなくてあきらめの悪い姿こそが人間の本性なのかも…とも感じました。監督のジャスパーはミュージックビデオなどの監督として有名で、19日間で本作の原案を書いてタランティーノなどの指導の下この映画を作ったようです。主人公のパティを演じたのはダニエル・マクドナルドでラップを猛特訓したらしいです。母をブリジット・エバレットが演じていますが彼女は女優で歌手でもあり脚本も書く多彩な人のようです。特に歌声は最高でした。祖母をキャシー・モリアーティがシッカリ演じていました。ラストはパティのバンドの曲がラジオから流れて少しプロの道が開けたところで終わりました。

2017年製作の1時間49分のアメリカ映画でした。

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