ホーム > mixiユーザー(id:2760672) > mixiユーザーの日記一覧 > いまさらキャノネットQL17

mixiユーザー(id:2760672)

2015年12月06日01:37

616 view

いまさらキャノネットQL17

 私のカメラ初体験はコニカの一眼レフ、コニカFP だった。露出計の無い完全マニュアルのカメラだったがフィルム感度をメモしておくダイアルがあって、時々ぐりぐりして遊んでいた。 DPEのおばちゃんが 800 とかになっているそのダイアルを見て驚いていたが、おばちゃんにしてみればなんでそれで写真が撮れるのか理解出来ないし、私も何が問題なのか理解出来ないしで、噛み合わないトンチンカンな問答があったように記憶している。

 その後ペンタックスの SP をしばらく使う。こいつは露出計が付いていたが、大好きな夜景撮影(バルブで1分露出とか)で役に立たないので、それほど便利とも思わなかった。それでも FP より軽くコンパクトで優しいシャッター音の SP は、なんだか貴婦人のようでかなり気に入っていた。 数ある一眼レフの中でも最もフォルムの美しいカメラのひとつだと今も思っている。

 写真部に入るとみんな当たり前のように一眼レフを買った。私も当時の最新機種ペンタックスの MX を親父に買ってもらった。 SP でいいのに、と思ったが、まぁ自分のカメラは欲しかったので。写真部では私より上の世代はニコンが絶対で、私より下はミノルタが人気だった。また上の世代は望遠を買い、下の世代はズームを買った。ペンタックスに広角付けっぱなしの私は、機材も作風もかなり異端であった。

 高校の写真部でそこそこ充実した日々を過ごした私は、卒業を目前にして何か大きな忘れものをしたような思いにかられる。そして唐突に初めてのコンパクトカメラ、キャノネットQL17 を中古で買う。値段は覚えていないが数千円だったのではないか。この機種を選んだ細かい経緯は忘れてしまったが、レンジファインダー搭載、一眼レフ並みの明るいレンズ、EE なのにフルマニュアル可能、などなど、充実したスペックを見て喜んだのは明らか。その後買った二代目コンパクトのチノン・ベラミとはある意味で対極だ。

 一眼レフと違う撮影スタイルが新鮮だったものの、一眼レフの MX を凌駕するその重さに辟易して、結局最後はバラバラにして遊んでしまった。動作するカメラをわざわざ壊したのなんて初めてだが、今思い出しても不思議なくらい「惜しくない」カメラだった。全体に色乗りがあっさりしていて、何より逆光に弱いのが痛かった。一眼レフならフレアーも確認しながら撮れるのに、レンジファインダーは上がった写真でがっかりするのでショックが大きい。

 その QL17 に、ハードオフで突然出会った。もちろんジャンク。レンズにカビはあるがシャッターは切れる。こんな希少なカメラに出会うなんて運命だ、とレジに走る。帰り道、車の助手席に転がった裸の QL17 の、あぁなんと愛しいことよ。この手の金属カメラは転がしておくとサマになる(笑) まるで昔の恋人を助手席に..と言いたいところだが、その恋人はさっさとバラして部品すらも残っていない。なんだか諸星大二郎の世界だ。家に帰って調べてみると当時世紀の大ベストセラーだったそうで、後の AE-1 や AutoBoy よろしくバカが付くほど売れたらしい。どこが希少か。

 少しいじってみたが、ファインダーに曇りがあり、シャッターには注油が必要だ。幸い電池室の腐食は無い。もうフィルムを通すことも無いだろうが、出来る範囲でメンテしてあげようか。釣りカンが片方無くなっているところを見ると素人が一度開けたものかも知れない。ネットにはそこそこ情報があるから、まぁ老後の楽しみに取っておこう。レンズキャップがどこかに残ってないかな。

 ところで。

 世にフォールディング・カメラと言うのがある。もしくはスプリング・カメラでもいい。蛇腹の付いた、あの如何にも「クラシックカメラでござい」な佇まいの奴らだ。 6x6 や 6x9 なのに安い。安いのに良く撮れる。小さくて軽い。難を言えば扱いにくい。俄然興味が出て来た。なんたって120が使える。うっかりすると116とか620のを掴んでしまいそうだが、少しジャンクショップ巡りをしてみようか。
0 3

コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年12月06日 14:22
     フォールディング・カメラに興味を持った理由のひとつに、逆光に強いのではないかというのがある。現役時代に使っていたペンタックスはコーティングが自慢なだけあってフレアやゴーストが出たことが無かった。近代的なレンズはみんなそうだと思っていたのにキャノネットに裏切られた。ルビテルが好きになれないのも逆光耐性の弱さだ。暗箱のほとんどが蛇腹でレンズ構成も簡単なフォールディング・カメラは、もしかしたらスッキリした写真を撮ってくれるのではないかと期待している。リバーサルで撮ったあの美しい色をまた見てみたい。

     キャノネットは機械としてはとても良く出来ていた。QL の機構は大げさだが確実で、フィルム巻き上げの感触もいい。フィルム装填後に空シャッターなしでフィルム送りが出来るのも洒落ていた。だが巻き上げレバーと同軸の格好良いシャッターボタンは位置が悪く押しにくかったし、シャッター優先EEにありがちな重いものだった。また開放F値1.7はビューレンズを兼用する一眼レフならともかく、コンパクトカメラには無用のものだったと思う。一般的な2.8や3.5から「わずか」1.5段から2段の優位性なんて、犠牲にしたものの大きさからしたら無駄以外のナニモノでもない。

     結局「いい写真を撮りたい人」のための機械ではなく「消費者が飛びつきそうな売れるスペックの」機械だったと悟った私は、それを喜んだ自分を許せず、ついにそれをバラすという暴挙に出たのだ。私にしてみればキャノンは「商売は上手だが買いたくない」カメラメーカーになった。ただ後になって友人に借りて使ったオートボーイ(もしかしたらオートボーイ2)には驚かされた。レンズが素晴らしかった。あれは欲しいと思った。

     ルビテルは前述した通り逆光に弱く順光厳守のカメラだが、その代わり画面の隅々までキッチリとピントが来る。いつか朝日に輝く富士山でも撮りに行ってみようか。そういう被写体は多分大型フィルムの独壇場で、もしかしたらルビテルが本当に活躍出来る場なのかも知れない。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年12月07日 06:39
     QL17 のことをネット調べると、「よく写る」という評判が多い。確かに作例を見るととてもシャープだ。私はこってりぼってりが好きなのでキャノネットかベラミかなら一も二もなくベラミを選ぶが、それはあくまで私の好み。ちなみに現役時代にほぼ「付けっぱ」で使っていた M 28/2.8(薄い奴)は一度もフレアやゴーストを出したことが無いが、解像感で言うとイマイチなレンズであった。風景を撮るとなんだか締まりの無い絵になって、被写体によっては「あれ、こんなはずじゃ...」となることもあった。

     色乗りの浅いレンズと言うのはフレアの多い出来の悪いレンズと思っていたが、そこはそれ、写真なんて趣味のもので、この写りが大好きな人だって当然いる。から、気に入らなくてバラして捨てたなんて話はキャノネットのファンに失礼な訳で、気を悪くした方にはお詫びしたい。代わりと言ってはなんだが、今回入手したものは大事にするつもり。機会があったら撮ってみたいものもある。線が細く色乗りが浅いからこその被写体を思い付いた。いつかフィルムを通す日が来たら是非試してみたい。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2015年12月18日 11:08
     時々引っ張り出してピントを合わせてシャッターを切る。本体の重さも去ることながら、とにかくホールディングが悪い。巻き上げレバーに親指、レリーズボタンに人差し指を当てた状態でフォーカスレバーを操作するとカメラがぐらぐらする。

     レリーズボタンの位置が悪いから右手でカメラの重さを支えられない。フォーカスレバーが左下にあるので左手も重さを支える役に立たない。この状態で重いレリーズを押し切ろうとすると、その力を受ける場所がなく、カメラがおかしな動きをする。こりゃブレたな、というイヤな手応えが残る。

     撮れた写真のフレアの多さに辟易したカメラだったが、撮影中も快適とは言えなかったことを思い出した。このカメラをいじっていて一番気持ちがいいのはフィルムの巻き上げ動作だが、撮影そのものには直接関係ないところだ。やっぱりこのカメラは好きになれない。

     一方で、レンズの写りには少し興味が出てきている。作例を見ると鉛筆の細密画のような美しい風景が目を引く。最近は、これをキャノネットで撮ったらこんな感じかな、と「エア・キャノネット」している自分がいる。ビルは綺麗に写りそうだ。木造の家はどうだろう。「キリキリと解像する」ことがなんだか魅力的なことのように思えてきた。老後はキャノネットとベラミを持ってぶらぶらする、てのはどうだろう(笑

mixiユーザー

ログインしてコメントを投稿する