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2015年11月14日01:05

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BELL14を修理する

 なんとなく諦めきれずに眺める。バラバラだったシャッター部品の位置関係がだんだん分かって来た。鏡筒内向かって左上に見えているマイナス頭のねじがもげて部品が飛び散っていた。このねじは「レリーズレバー兼シャッター板」の回転軸になっていて、常にスプリングが効いている上に、レバー押下時には不意な力がかかる。かなり強度が必要とされるところだ。ヘタに軸を接着したのではシャッター板が動かなくなる恐れもあるし、スプリングで押されているから接着剤での固定は難しい。しばし長考。

 前オーナーはこれを半田で接着したらしい。一応くっついてはいたものの私がレバーを押し下げたらいきなり分解した。フィルム側から半田ごてを突っ込んだらしく、アパーチャには溶けたような跡と、それを修復した跡がある。(写真左) この小さいカメラに随分器用なことをしたものだが、苦肉の策とは言えブリキに半田はいかがなものか。

 色々考えて、軸基部をべったりと接着してもシャッター板の動作に余り影響しないと言う結論を得た。スプリングも最後に取り付ければ良く、それなら作業自体は難しくない。問題は接着強度だ。無茶と思いながらもエポキシを試したところ、意外なほどしっかり付いた。いやー、凄いなエポキシ。偉いぞエポキシ。念のためレンズ枠(鏡筒にキャップのように被せる)の裏に「ねじの頭押さえ」を付けて完成。裏蓋を閉め明るい方向に向かってシャッターを切ると、赤窓にサッと光が走る。成功だ。

 バラけた部品を取り外した時にコイルスプリングを伸ばしてしまったようで、鏡筒内右下に少し見えている扇型のシャッター羽根の動きが少々怪しい。シリコンオイルも吹いてみたが、なんだかシャッタースピードが遅いような気がする。またシャッター音は「パチリ」でも「チャリ」でもなく、「チ」だった。スプリングが弱くなっているせいかなぁ。スプールもホルダも無い、それ以前にフィルムや現像施設も無いので試写は叶わないが、(ほぼ)元の姿を取り戻した BELL14 に、とりあえず満足な私であった。
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