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2015年09月17日15:22

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QV-10 を使ってみる

 押し入れから QV-10 を発掘した。今年20歳。驚いたことに乾電池を入れたら動いたが、背面液晶は少し劣化しているようだ。パッシブ液晶は遠からぬ将来全滅してしまうのかも知れない。なんだか惜しい。

 色んなことを忘れている。まずピントは通常とマクロ、絞りも通常と開放の切り替え式。シャッターボタンを押すとほぼタイムラグなしで記録される。レンズは35ミリ換算で 60mm くらい。液晶の小ささと相まって穴から被写体を覗くような感覚。解像度が低いのでなるべく形が単純で色が鮮やかな被写体を探すが、そうそう注文通りには行かない。「撮る」と言うより「撮れた」ものを楽しむしかない。電池は意外に保つ。面白がって40枚ほど撮る。

 さて問題はパソコンへの転送だ。PC用のシリアル9ピンアダプタが見つからないので PowerMac 7600 にお出まし願う。ケーブルを繋いだはいいが何をしたらいいのか思い出せない。アプリケーションフォルダの「デジカメ」フォルダを漁ると、CAMConverter 0.4、CAMomile、Digital Camera Manager Import、QV-10パソコンリンク、QV-FileTool といったものが並んでいる。最後のは HyperCard と自作 XCMD で作った自分用のツールだ。

 QV-10パソコンリンク に一括保存というメニューを見つけた。 QV-10 の電源を入れ直すこと数回、やっとカメラを認識して転送が始まる。1枚10秒、40枚で10分近くかかった。途中で電圧がドロップして電池交換。電圧を測ると1.46V。厳しいね。出来たファイルはフォルダ名に連番が付いているだけの謎ファイルで、ヘッダに JFIF のシグネチャは無い。なんだこりゃ。ここで CAMConverter にファイルをドロップすると、おお jpeg ファイルが出来た。

 この jpeg ファイルがまたくせもので、PixelCat でも Photoshop でもうまく開けない。GraphicConverter で開くと 480X240 の横に長くなった画像になったので、バッチで 540X360 にリサイズする。当時どうしていたのかまるで思い出せない。Photoshop で読み込むためのプラグインとか、純正よりも綺麗な画像を読み出せるフリーウェアとかがあったような気がする。そう言えばあの頃はマックのフリーウェアが元気だったなぁ。ちょっと調べたら CAMConverter はまだダウンロード可能になっていた。すげ。

 得られた画像はアナログテレビのキャプチャにも劣る。まるで数十回のダビングを経たVHSの地下ビデオみたいだ。メーカーが最初に想定していた「カメラの液晶を見て楽しむ」が本来的な使い方なんだろうと思う。それでも当時は普及し始めたスキャナと並んで貴重なデジタル入力機器のひとつだった。その後のデジカメの発展ぶりはご存知の通り。マビカはその火付け役にならなかった。ソニーはある意味アップルとは真逆のメーカーで、「作りたいもの」を作るばかりで「使ってみたいもの」を作るのがヘタだ。

 写真はリサイズ後のもの。 GIMP でレベルとカラーバランスを整えたほか、自販機は軽くシャープネスをかけている。とにかく画素が少なくトーンが貧弱なので、補正で出来ることは限られている。全体に映像が暗かった。もしかしたら撮像素子も劣化しているのかも知れない。
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