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2018年06月25日08:48

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映画 「冷や飯と おさん と ちゃん」

東映チャンネルで。 1965年公開。

山本周五郎の原作を、
一時間一話で、三話のオムニバスで描き、
主人公だけ中村錦之助 がまったく違う人間を演じる。

殺陣は一切ない。

この年、同じ原作で、東宝黒澤の「赤ひげ」があるので、意識して制作したんだろうね。
検索して観たら黒澤組の俳優、千秋実と藤原釜足さんが「赤ひげ」には出てないのでこれ幸いと、こっちに呼んでる。
他俳優、

入江若葉
新珠三千代
森光子
三田佳子
小沢昭一
千秋実
佐藤慶
三木のり平
大坂志郎 、、
藤原釜足

女優さんも東宝で活躍している人を呼んだり、
監督、田坂具隆、音楽佐藤勝、というちょっと東映じゃない雰囲気なのだけど、
撮影所は東映なので見た目は普通。

ーーーー

「冷や飯」という最初の話の中での錦之助は、さる藩の若侍。

家は武家だが身分も高くなく禄も少ない、
古書店や屑拾いから古書をあさっていたりして趣味は本を集めること。
通りすがりの若い女性を見染めてしまい、惚れるのだが、
四男坊なので、嫁ももらえず、くすぶっているところ、それが「冷や飯喰らい」だと言う意味。
二四歳にもなるので、父と三人の兄たちから何に使っても良いからとけっこうな金額の金をもらったので、行ったことが無かった高い料理屋に一人で行って憂さを晴らそうとする。
、で料理屋に行ってお座敷に通され、品書きを持ってきてくれと言うと
仲居が、「勧進帳」と言う言い方で、紙に書かれた献立書きを渡す。
その料理屋の部屋で、一人で食べているときに侍と仲居が食べ方の順番がわからないのでいろいろ聞いている会話が、隣部屋に漏れて、聴いていたのがその藩の家老で、
面白い奴じゃと気が付き、その後気に入られ、出世していく、、という、綺麗なお話。

その料理屋で、献立が、

鯉の洗い、芽立て、、、
茶葉 揚げ麩、岩茸、照りショウガ、、
、巻湯葉、重ね昆布、、、
山ユリ根黒ゴマよごし、
深山そば山鹿?蒸し、、
栃の(実)甘露炊き、、
つぐみ生姜溜まり(醤油)焼き、、
ヤマメ雪揚げ、

というメニュー。突出し、お造り、お造り、焼いた肉、蒸し物、揚げ物、上手に出来ている。
これ、原作ではどうなっているか、ちょっと確かめたい。

雪揚げ、というのは、白い細かいアラレをまぶして揚げたもの?
だろうと想像する。

その三人の兄の中に、小沢昭一がいて、
弟に小話をする。

「花が落ちるのは落花、葉が落ちるのは落葉、雪が落ちてくるのは落雪、、
でも馬から人が落ちるのは、落馬、と言う、、
なんでだろうね、、それだと、落人、とならなきゃおかしい、」

馬からは人しか落ちないですわな、
馬から落ちるという事を他人に知らせることができる言葉は、
落馬、というしか他の言い方が無いからじゃないでしょうかね。 

ーーーー

二本目は、打って変わって、エロ話。
三田佳子扮する自分の嫁さんの性欲が強すぎる大工の話だけど、

上方の仕事で二年ほど離れて帰るときに、宿場町で別の女と知り合って
(東宝女優さんの)新珠美千代さんと寝る。
何をするわけでなく寒いから、と、布団の中に一緒に入って寝て、会話する、
そのシーンがえらく長い。
もしかしたら、映画史にも布団の中だけでお互い顔も出ずに
男女が延々と長い台詞だけってシーンは、この映画以外、
そうそうないのではないか?
ってくらい、面白いシーンだった。

あと大阪志郎さんを久しぶりに拝見。
居酒屋で飲むときの酒が、徳利の違いで低級(素焼の陶器)か、高級(磁器)か、がわかるシーンが◎。
ーーー

三話目は長屋の一家貧乏話。
、高級火鉢の職人(錦之助)が、時代が変わって仕事が少なくなり
嫁さん(森光子)と子供四人が、喰っていけないので、
提灯造りの内職と長男は魚の行商で働いている、
錦之助さん、話の中じゅう、ほとんど酔っぱらっている演技が○。
出てくる泥棒が三木のり平さんも○。

あ、それと、友人役で若い時の北村和夫さんが出てて、まだ痩せていてあごがしゅっとしてる顔を初めて見た。、息子さんの北村有起哉ほど細くはないけど、

やっぱり親子だ似てるわ。、

ーー

いつか観ようととっておいた映画だったので、ぜんぶ◎で。

ただし一話一時間、三時間上映で、ってのは、ちょと長い。





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