mixiユーザー(id:262618)

2017年08月23日00:08

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『書架の探偵』

ジーン・ウルフの『書架の探偵』(新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)を読みました。

ミステリ作家のクローンとして図書館の書架に暮らすE・A・スミスのもとを大富豪の令嬢コレットが訪れ、借り出した。先ごろ亡くなった父の遺品である本に隠された秘密を、著者であるスミスが解き明かすことを期待して。スミスはコレットと行動を共にするが . . .

アメリカSF界の大御所ジーン・ウルフが84歳にして出版した作品。大森望が色々なところで書いているように、書架で暮らし、物として貸し出される作家のクローンという設定に納得性は稀薄だし、中盤で繰り出したせっかくのSF的な大ネタを、SF的には完全にスルーするという構成も不思議だけれど、物語全体のバランスは取れていてとても面白い。奇妙な設定と時々変な展開はあるものの、いわゆるハードボイルド・ミステリとして十分に楽しめるものでした。これまでの読書経験から、著者の作品には難解というイメージを持っていましたが、この作品は違いました。
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