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2017年09月25日23:26

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長谷川幸洋氏の幼児的な安倍擁護

安倍首相「国難突破解散だ」
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=4782831

日頃、北朝鮮の脅威を声高に宣伝していたのに、野党が分解しつつある局面を奇貨として、自身の保身につながるとみるや「国難」を放り出して政治空白を作り出すのだから、相変わらずの支離滅裂さである。

一部の評論家には、選挙とは戦いなのだからこの局面で解散に打って出るのは政治的に当然で、大義など問題にならないと言い切る者もいる。典型的には長谷川幸洋氏である。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/52952

彼はリンク先の記事で次のように言い切る。

「私は、とってつけたような大義名分は必要ないと思っている。なぜかといえば、衆院解散とは本質的に与野党の権力闘争であるからだ。」

もちろん当事者にとってはその通りだろうが、その理屈を国民が引き受けなければならない理由はない。誠に国民目線に立つならば、野党が分解状態にあり、再編成が起こりつつある状況で解散されると、十分な選択肢が揃わない状態で投票しなければならない。安倍首相や自民党にとっては都合がよかろうが、自己都合優先で国民の都合を無視する姿勢は、当然批判されてしかるべきである。

実は長谷川氏自身もそのことは先の引用文の直後で認めている。次のくだりである。

「政権与党はこれこれの国家戦略と理念、政策を掲げて国民に信を問う。それに対して、野党も野党なりの国家戦略と理念、政策を掲げて戦う。国民はそれを見たり聞いたりして、どちらに国の行く末を任せるのに適当か、判断を下す。それが総選挙だ。」

全くその通りだと思う。そして「それが総選挙」であるからこそ、今このタイミングでの解散は批判されなければならないのである。国民は与野党ともに「国家戦略と理念、政策」が整ってもらわないと、「どちらに国の行く末を任せるのに適当か、判断を下す」ことができないからだ。それを「本質的に与野党の権力闘争であるから」良しとしてしまう長谷川氏の認識は、安倍首相と同じくらい支離滅裂である。

また長谷川氏はこのあとの文章の中で次のように言う。

「安倍政権と野党勢力のどちらが国の将来を担うのにふさわしいか、日本の平和と安全、繁栄が脅かされている戦後最大の重大局面で、解散・総選挙は国民の声を聞く最善の機会になる。それこそが「解散の大義」にほかならない。」

「解散・総選挙は国民の声を聞く最善の機会になる」という認識は、先述した如く、選択肢の不十分さ故に「最善の機会」とは言えないので誤りである。野党の離合集散が収まり、構図が明確になった時点こそが国民にとっては「最善の機会」なのだ。解散・総選挙を「与野党の権力闘争」としてしかとらえない長谷川氏には、国民にとっての「最善」など思いもよらないことなのだろう。

結局のところ長谷川氏がやっていることは、「今なら野党が四分五裂していて勝てそうだ」という安倍政権の判断を追認しているに過ぎない。長谷川氏は野党の肩を持つコメンテーターを批判して言う。

「もっともらしい話をしながら、実は権力闘争に負けるのを恐れている。殴り合いのケンカに負けそうだから、土壇場できれいごとを唱える気弱な子供のようではないか。」

この論法で言うなら、安倍政権は「殴り合いのケンカに勝てそうだから、きれいごとをかなぐりすてる子供のようではないか」。国民は長谷川氏と違って、「子供の殴り合いのケンカ」に付き合わされたくないのである。長谷川氏は国政選挙を「殴り合いのケンカ」ないしはその延長と位置づけているのだろうが、大半の国民にとってはもっと重要で意義深いものなのだ。だからこそ「大義」を求めるのである。

長谷川氏はこたびの選挙を「これほど分かりやすい選択はめったにない」と評している。主観の表明であるから是非もないが、国民はこの評価を共有しないだろう。長谷川氏によれば、「北朝鮮情勢が緊迫する中、日米同盟弱体化につながる安保法制廃止を唱える民進党に政治を委ねるべきか。あるいは同盟廃棄や自衛隊解消を唱える共産党に期待すべきか。これだけ路線が明確に違えば、有権者は判断しやすい」のだそうだ。

しかし、今国民が直面しているのは、安倍政権、民進党、共産党という三択ではない。その三者の主張はなるほど明快に違うかもしれないが、わかりやすい部分だけ抜き出してきて「ホラ、分かりやすい」というのは、なんの論証にもなっていない。

今の政治状況は安倍政権が国民の不信を惹起し、その一方で民進党が瓦解し、小池新党が結成され出して、離脱した個々の政治家たちが既存政党とどのように関わっていくか模索している状況にある。長谷川氏の粗雑な整理で捨象されてしまっている要素にこそ国民の関心と戸惑いはあるのである。

殴り合いのケンカに勝てばいい、などという幼稚極まる認識で解散・総選挙を弄ぶ安倍政権とその太鼓持ちにも困ったものである。
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