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2018年06月14日12:36

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「エリザベス・コステロ」

読書日記
「エリザベス・コステロ」
J・M・クッツェー
 作

オーストラリア在住の世界的作家エリザベス・コステロ。彼女は世界各地で講演を頼まれ、いそいそと出かけては論争を巻き起こして疲弊と後悔の連続となる。「こんな講演引き受けるんじゃなかった。こんなところへ来るんじゃなかった。どうせやっかいなバアサンと思われているだろう……。」

作家と作品のあり方を問う文芸談義だけで構成された珍しい小説。
アフリカの作家とは西欧社会でどういう位置付けで呼ばれているのか。神を捨てた人文学とあくまでキリスト教徒として生きる立場の違い。小説の中で悪を描写するとき、たとえ事実でも蓋をして触れないほうが賢明なこともあるんじゃないか。そしてことさらカフカ的な不条理をわかりやすく揃える事への門前での抵抗。などなど。

ノンフィクションかエッセイかと物議を醸した問題作らしいが、れっきとした小説である。文学論など一般読者にとってはどうでもいい内容のはずだが、主人公の作家と周辺人物のエピソードがおもしろく、ドラマとしてきっちり仕込んであるしセリフややりとりも存分に楽しめる。世界的作家もそれなりにたいへんだね。
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