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2018年07月17日11:06

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お盆のこと

 昨夜、近所のお蕎麦屋さんを通りかかったら、入り口から火が出ていてぎょっとした。でも火をつけているのはお店の人。何ごとかと思ったけれど、ああなるほど、お盆の送り火かと。

 関東と関西では、お盆の日にちも違っている。関西では八月十五日前後、いわゆる旧盆が一般的。関東では七月十五日前後に行うところもある。東京や横浜などではそうした傾向が強い。

 お盆とは、盂蘭盆会という仏教行事がもとになっていて、旧暦の七月十五日近辺に行われてきた。仏教が伝播した各地でさまざまな法会、行事が行われているけれど、日本では一般的に亡くなった親類や先祖が戻ってくる日、と考えられている。欧米で行われているハロウィンとの共通点もあって興味深い。

 明治以降、暦が新しくなったことで、新暦に合わせることも少なくないなかで、お盆に関しては旧暦の影響が色濃い。もちろんお正月や七夕も、旧暦でお祝いするところはまだ残っている(特に旧正月については近年、中国や東アジアのお祭りとして、日本でもリバイバルしつつある)。それでも新暦基準なのは揺るがないところで、旧暦に準じた年中行事で思いつくのはお月見(中秋)くらいしかない。

 関東と関西で、時期のズレはあるけれど、お盆で行うこと自体に大きな違いはない。お墓参りが一般的だけれど、故人を家に招く迎え火や、送り出す送り火を行うところもある。昨夜のお蕎麦屋さんもそれだ。
 いまでは夏祭りと理解されている盆踊りも、もとはお盆の行事で、十五日の夜から十六日の明け方まで踊り明かすようなことも行われていた。戦後になって都市で暮らす若者が増えていくなかで、お盆は暮れから正月と並んで帰省シーズンでもあった。盆踊りの夏祭り化、観光行事化も戦後になってからのこと。徳島の阿波踊りなども、もとは地元行事に過ぎなかったわけだ。

 今年は本格的な暑さが半月ばかり早くやって来たけれど、本来ならば関東のお盆と全国的な旧盆の間が、夏本番の時期といえる。
 ちなみに、旧盆とはいうけれど、それに対して新盆とは言わない。というか、新盆というと、去年の夏からお盆までに亡くなった人がいる年のお盆という意味になる。言い方とすると七月盆とでもすればいいのだろうか。
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