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2017年09月21日04:50

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総選挙に臨む人、語る人

 来週、9月28日の臨時国会召集で冒頭解散という話も出てくるなかで、総選挙に向けてあちこち慌ただしくなっている。すでに公認候補になっている人たちも、自らの本陣たる事務所を開設しはじめ、資金や人員の確保などを党や関係者と詰めている。また、解散を受けて引退を表明したところや、まだ公認候補が決まっていない選挙区では、各党の都道府県連を中心に大わらわという状況だ。

 当事者やその関係者が、降ってわいた政局に走りまわっている一方で、いわゆる選挙ウォッチャーという人たちのテンションも上がっている。もちろん、床屋政談というのは昔からあって、テレビや週刊誌のネタを肴にあれこれ語る人は少なくない。
 けれども、なかには解散の期日や選挙の予測をピタリと当てる人もいる。メディアに出ている政治評論家よりも、よほど優れた分析をしていて、「何なんだ、この人は」と思うことも少なくない。

 そういう人に秘訣を訊いてみたことがある。彼らが注目するのは、まず首相の外交日程なのだそうな。「政界は一寸先が闇」とはよく言ったもので、今回のことにしても、一か月前はもちろん、半月前ですら予想することは難しかった。ただ、政治にはあらかじめ日程が定められていて、事実上の解散権を握る首相は、そこから自分や与党に有利なシナリオを描こうとする。
 今回、外交日程的には11月は身動きがとれない。初旬はアメリカのトランプ大統領の訪日が控えており、中旬はAPEC首脳会議がある。こういうなかで選挙は無理だから、解散できない。
 11月以降、北朝鮮危機が広がる可能性から、早期の解散という見方もあるけれど、現実的には外交スケジュールに基づく判断とみていい。

 また、夏に支持率が急落した安倍政権だけれど、民進党の代表選やスキャンダルで潮目が大きく変わった。都議選で大躍進した都民ファーストも、国政進出の準備はまだ整っていない。こうした背景も、首相にとって解散を決意させた要因だったのだろう。

 世論の動向が、獲得議席の増減に直結しやすい小選挙区制において、「いつ解散するか」という判断は、首相や与党幹部にとって、最も重要な勘どころである。なぜなら、その結果が、首相の指導力を形成するからだ。どれほど優れた政策を唱えることができても、選挙に強い政治家には及ばない。
 そういう意味で、離党者も相次いだ民進党のゴタゴタは、安倍政権に絶好の機会を与えてしまったことになる。

 また、ウォッチャー氏によれば、「伝家の宝刀」としての解散権だけれど、この効果が最大限に活かせるのは、先の総選挙から二年半あたりまでだという。それ以降は、任期満了の四年が近づくにつれ、与野党も選挙を視野に動き始めるので、「言うこと聞かないのなら、解散するぞ」という首相の脅しも効果が薄れるというのだ。
 前回の総選挙が、2014年12月だったから、三年が近づくいまのタイミングは、解散をめぐるイニシアチブも首相が握りやすい。これに対して、政権交代が実現した2009年(自公政権から民主党政権)、2012年(民主党政権から自公政権)はそれぞれ、任期満了近くまでズルズルと引きずった挙句の結果だった。

 とはいえ、安倍政権が盤石だと思われていた夏までと、都議選を挟んで翳りがみえたそれ以降の世論が大きく変化し、このたびさらに政権への支持率が回復している状況は、一か月とはいえ、世の中の空気は読みにくいということだ。それゆえに、首相としては総選挙は短期決戦で臨んだほうがよく、10月10日公示、22日投票日という公算が強い。
 もっとも、首相の都合でいきなり政局にさらされる候補者や関係者はたまったものではないのだけれど、それも選挙の現実なのだろう。

 政局ウォッチャー諸氏の関心は、すでに日程から各選挙区の候補者や動向に及んでいる。私にとっては、そういう彼らのマシンガントークに付き合わざるを得ない時期が到来しつつある。
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