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2017年02月21日12:57

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ふるさと納税の主旨と現状

 ふるさと納税は、任意の自治体に寄付をすることにより、その金額だけ住民税が控除される。簡単にいえば、どちらにしても支払わなければ税金のうち、一部を他の自治体に寄付できる制度である。

 制度の主旨としては、大都市に比べて過疎の地域では税収も十分ではないため、たとえば故郷を離れて都市に暮らす人たちが、生まれ育った地域に貢献できるよう、納税の一部をそこに回せるようにしようというものだった。もちろん故郷に限ったものではなく、旅先で気に入った町や村、思い入れのある土地などにも適用されるようにした。

 しかし、いくらそういう制度を導入しても、進んで寄付を行う納税者は限られる。そのため、寄付してくれた相手に返礼品として、地元の名産などを送付することになった。

 もともと、この制度がはじまる際にも、返礼品を目当てに一部の自治体に寄付が集中するのではないかという懸念もあった。主旨に沿うために、返礼品は簡素なものにすべきという声も、地方議員のなかからですらあがっていた。

 そして実際、返礼品に注目が集まっていった。それを仲介する企業も現れている。

 ふるさと納税については、そこで暮らす人たちが税負担をする、受益者負担の原則に沿わない点や、本来収めるべき税金の一部を寄付することで返礼品がもらえるため、実質的には節税になり、税の公平な負担にも反する面があるなど、問題を指摘する人も少なくない。
 返礼品についても、パソコンなど、地元特産なのかよく分からないものまである。パソコンが欲しい人にとって、ふるさと納税を利用した場合、実質的に安く購入できることになる。

 もちろん、自治体や仲介する業者も、注目を集めたいだけの返礼品を紹介しているわけでもない。新たな特産になり得る商品を開拓し、知名度アップにも貢献しようとしている。

 大都市のある自治体にとっては、ふるさと納税は逆に本来得られるはずの税収入を失うものになりかねない。ただ、減収分の補てんについては国から交付金で行われるところもあるので、無理にその波に乗って返礼品を上乗せする必要はないともいえる。そういう意味では、事務手続きなども含めて赤字になるのであれば、所沢市のように手を引くというのも一つの方法かもしれない。

 返礼品ばかりが注目される、ふるさと納税。その主旨を踏まえれば、疑問視されるのもよく分かる。しかし納税者として、多少の手間はあっても工夫次第で節税効果が得られるのが魅力だというのも理解できる。
 こうしたバランスのなかで、各自治体も返礼品競争をするところ、あっさり手を引くところと、今後は二極化が進んでいくのではないだろうか。

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■ふるさと納税、所沢市が返礼品廃止へ 税収計算「赤字」
(朝日新聞デジタル - 02月21日 08:36)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=4442244
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