mixiユーザー(id:2473503)

2018年11月13日16:53

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ネトウヨさんの遺伝子デマ さらなるひねり



え〜、以前に日記で取り上げた、ネトウヨさんが拡散しているこのコピペ。

――――――――――――――――

【韓国人の遺伝子の特徴について】

 米人類学者Cavalii−Sforzaの遺伝子勾配データによれば、 朝鮮人は世界でも類を見ないほど均一なDNA塩基配列の持ち主であり、これは過去において大きな Genetic Drift(少数の人間が近親相姦を重ねて今の人口動態を形成)か、あるいは近親相姦を日常的に繰り返す文化の持ち主だった事を表す。
(文献:The Great Human Diasporas: The History of Diversity and Evolution.
1995.. Luigi Luca Cavalii-Sforza and Francesco Cavalli-Sforza. Addison Wesley Publ. ISBN 0-201-44231-0)

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どういったものかはとりあえずココを参照。

2018.11.1
ネトウヨさんの遺伝子デマを検証する(前編)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1968995199&owner_id=2473503

2018.11.1
ネトウヨさんの遺伝子デマを検証する(後編)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1968995213&owner_id=2473503



コレについて続報があるのでご報告。


まずこの本の邦訳『わたしは誰、どこから来たの―進化にみるヒトの「違い」の物語』がAmazonマーケットプレイスに数百円で落ちてるので入手してみました。
で、該当部分を探してみたのですが…どこにも見当たりません!
しかもこの本、「人種と人種差別」にまるまる1章を充ててある、めちゃめちゃ良書でした。
それを捏造と差別の具にしてるネトウヨさんって一体…。


で調べてみたら、このコピペの記述自体が挙げられたソース内に見当たらない件と遺伝的浮動の説明がデタラメである件はあちこちで指摘されている様です。
しかもそういったサイトのひとつにさらにややこしい話が載っててですね…
何度もリンク先を参照しなければならないのですが、簡単にまとめると


ネトウヨさん「カヴァッリ=スフォルツァの本に『韓国人は近親相姦を繰り返してきた』というデータが載ってる」
   ↓
「その本読んだけど、そんなこと書いてないやんけ」(→【リンク先1】を参照)
   ↓
ネトウヨさん「カヴァッリ・スフォルツァの別の本にそういう話載ってたよ。これこれ、この本ですわ」(→【リンク先2】を参照)
   ↓
「その本読んだけど、やっぱりそんなこと書いてないやんけ」(→【リンク先3】を参照)

…という超展開。
あんたらええかげんにしーや…




【件のサイト】

雑記帳
「朝鮮人は世界でも類を見ないほど均一なDNA塩基配列の持ち主」との言説に関する備忘録
https://s.webry.info/sp/sicambre.at.webry.info/201806/article_20.html


【リンク先1】
ブログ?何それおいしいの?
朝鮮人は世界でも類を見ないほど均一なDNA塩基配列の持ち主 ISBN 0-201-44231-0
https://ameblo.jp/p-chocho/entry-11616068311.html


【リンク先2】
【2ch】気になったニュース(`・ω・´)
【ネトウヨ悲報】ネトウヨコピペ「試し腹」 を検証した結果、やっぱりネトウヨのデマと判明
https://web.archive.org/web/20130924012057/http://kininatta2chmatome.doorblog.jp/archives/7325979.html


【リンク先3】
山形浩生の「経済のトリセツ」
Cavalli-Sforza et al. The History and Geography of Human Genes: 人間の遺伝子分布についての立派な百科事典。ネトウヨどもは本書についてのインチキなデマをやめるように。
https://cruel.hatenablog.com/entry/20130927/1380292813



おお、【リンク先3】は(口は悪いが)博覧強記で進化論系の訳書もある山形浩生先生やないですか。
この人は『マンガ嫌韓流』を評価してたりで、「嫌韓的主張も一部認める」という立場の模様。
一方でデータを重視してもいるので、根拠のない話はちゃんと批判する、ということなのでしょう。


ついでに【リンク先2】の、特にこの件に関係のありそうな箇所を保存しておきます。


――――――――――――――――

3
前:ジェネティック・ドリフト補遺?@[sage] 投稿日:2010/10/08(金) 21:04:40 ID:dB3mMXMl [1/4]
336 名前:名無しさん@九周年 <mailto:sage> [2009/04/05(日) 02:33:33 ID:MD1sHpJY0]
おいときますね

韓国の小中高生の36%に精神に異常が
<http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=...

469 名前:名無しさん@九周年 [2009/04 /05(日) 03:08:23 ID:ZWsOZ7/j0]
>>336
日本人って韓国の火病を科学的に見る人が少ないから、付き合いに失敗するんだよな。
どっかのスレで、「ドイツ人の歯科の教授が、朝鮮人の家族のアゴの骨の遺伝子を調べたら・・、近親交配の率が高い〜」のネタをよく見かけたが、真実じゃないかと思えてしまう。
心当たりがあるんで、妙に納得。自分から境界線を引いて、必要以上に関わらない事が吉。
参考になるか分からんがコピペ↓

136 名前:<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん[] 投稿日:2009/02/28(土) 22:59:09 ID:KSRoaNvI
>>132
> さすがにうそ臭い。

あ、それね、ドイツ人とかそういう部分は尾ひれはひれなんだけど、
大元の話があるの。
ルカ・カヴァリイ=スフォルツァっていうイタリアの理学人類学者が
世界中の集団の遺伝子を研究してて・・・
コリアンのを調べたら「なんじゃこりゃー!?」っていう結果がでたw

>>140
まず集団遺伝学というのは個々人のDNA塩基配列ではなく
ポピュレーション(集団:民族ではなくこういう言葉を使う)単位のデータを


45 スターダストプレス(大阪府)[sage] 2013/09/20(金) 21:20:34.45 ID:vCNNzWoz0
統計処理して考えるのだが・・・
半島人のDNA塩基配列を統計処理してみたところ、常識外れの均一性がでた。
スフォルツァ先生は、過去にジェネティック・ドリフト
(壊滅的な人口減少が起こり、少数の人間が交配を続けた)が起こったのだろうとそう結論つけたが・・・
絶海の孤島でもない限り、ジェネティック・ドリフトが起こる可能性は低いんだ。
なじぇだろう不思議だな?・・・と、人類学の学徒だったころは思ったものだが、今なら分かる。なじぇなのかw

53 名前:ジェネティック・ドリフト補遺?A−1[sage] 投稿日:2010/10/08(金) 21:08:02 ID:dB3mMXMl [2/4]
322 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん :2009/02/15(日) 15:57:13 ID:9Qrt3zwZ
>>317

しかし、集団遺伝学上のデータでは
どう考えても過去に相当数の近親交配が長年に渡って続いていなければありえない
・・・っていうDNA塩基配列なんだよね。
ソース
Cavalli-Sforza, L. L. and W. F. Bodmer. 1971. The Genetics of Human Populations. W. H. Freeman, San Francisco (reprinted 1999 by Dover Publications).

第一どうして試し腹って話がでてきたのか・・・

330 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん:2009/02/15(日) 16:05:22 ID:9Qrt3zwZ
>>325

ああ、カヴァリイ-スフォルツァっていうイタリアの集団遺伝学者が
全世界のポピュレーション(集団:遺伝学の世界では国の代わりにこういう用語を使う)の
DNA塩基配列の特性に関して、包括的な研究本を出したんですよ。

で、その中でコリアンのデータが、普通ではありえないほど
均一なものになっている。

ルカ先生は「近親相姦」とはっきりとは言っていないが、


46 スターダストプレス(大阪府)[sage] 2013/09/20(金) 21:21:38.95 ID:vCNNzWoz0
過去において大規模なジェネティック・ドリフトが起こった可能性を指摘している。

ジェネティック・ドリフトとは、人口が壊滅的に減少し、そこから近親交配が
繰り返されて、集団内のDNA塩基配列が均一化すること。

でも半島ではそんな壊滅的な人口減少は起こってないよね?

だとしたら・・・日常的に近親交配があったとしか考えられないんだ。


54 名前:ジェネティック・ドリフト補遺?A−2[sage] 投稿日:2010/10/08(金) 21:09:13 ID:dB3mMXMl [3/4]
149 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん :2009/02/28(土) 23:04:40 ID:KSRoaNvI
>>140

まず集団遺伝学というのは個々人のDNA塩基配列ではなく
ポピュレーション(集団:民族ではなくこういう言葉を使う)単位のデータを
統計処理して考えるのだが・・・

半島人のDNA塩基配列を統計処理してみたところ、
常識外れの均一性がでた。

スフォルツァ先生は、過去にジェネティック・ドリフト
(壊滅的な人口減少が起こり、少数の人間が交配を続けた)が起こったのだろうと
そう結論つけたが・・・


47 スターダストプレス(大阪府)[sage] 2013/09/20(金) 21:22:32.40 ID:vCNNzWoz0
絶海の孤島でもない限り、ジェネティック・ドリフトが起こる可能性は低いんだ。

なじぇだろう不思議だな?・・・と、人類学の学徒だったころは思ったものだが、
今なら分かる。なじぇなのかw

153 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん :2009/02/28(土) 23:07:37 ID:SHm098f7
>>144
どれだろ、読んでみたい気もする

The application of molecular genetic approaches
to the study of human evolution
あたりじゃないよね


55 名前:ジェネティック・ドリフト?A−3[sage] 投稿日:2010/10/08(金) 21:14:09 ID:dB3mMXMl [4/4]
168 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん :2009/02/28(土) 23:12:47 ID:SHm098f7
>>160
ちょっと古いが1971年の
The Genetics of Human Populationsあたり?

まてよ、1994年の
The History and Geography of Human Genesですか?


49 スターダストプレス(大阪府) 2013/09/20(金) 21:23:07.87 ID:vCNNzWoz0
172 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん :2009/02/28(土) 23:14:37 ID:KSRoaNvI
>>153

悪い、実家に帰ればコピーしたやつがあるんだが、
今正確なタイトル思い出せないや・・・

多分、この辺にもあると思う。

Cavalli-Sforza, L. L. and W. F. Bodmer. 1971. The Genetics of Human Populations. W. H. Freeman, San Francisco (reprinted 1999 by Dover Publications).

176 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん :2009/02/28(土) 23:15:22 ID:KSRoaNvI
>>168
>The History and Geography of Human Genes

それだーーー!!
それそれw
186 :<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん :2009/02/28(土) 23:18:47 ID:SHm098f7
>>176
<

The History and Geography of Human Genes [ペーパーバック]
Luigi Luca Cavalli-Sforza
Princeton Univ Pr
1996-08-05


>
簡略版ならこれですなw

1996年のペーパーバックなのに古本が値崩れしてない
きっといい本なんでしょう

――――――――――――――――

…なんかいかにもちゃんと原書で文献を読み込んでる人が述べてるっぽい変なリアリティーがあるけどガセだった模様。
まぁこの手の学問をきちんと学んでる人がこんなおかしな主張をする筈ないだろうけど。
あと相変わらずジェネティック・ドリフト(遺伝的浮動)の説明がおかしいし。


最後に、【件のサイト】の結論部分を引用しておきます。

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 まず間違いなく、韓国人、あるいは朝鮮半島全体に対象を拡大して朝鮮民族(朝鮮半島地域集団)が、他民族と比較して著しく遺伝的に均一だ、と報告した研究はないと思います。おそらく、朝鮮半島地域集団が他地域集団との比較でより遺伝的に均一だとか、その要因として近親婚の頻度が他地域集団より高いとか報告したまともな研究もないだろう、と思います。現代日本社会で浸透している朝鮮半島関連の情報にはガセネタが少なくないようですから、私も注意しておかねばなりません。

 なお、地域集団単位で近親婚の頻度が高いことはゲノム解析により推測でき、たとえばアラビア人やイラン人は歴史的に高頻度の近親婚が行なわれてきた、と推測されています(関連記事)。また、パキスタン人についても、高頻度の近親婚が指摘されています(関連記事)。個人単位でも、両親が近親だったか否か、ゲノム解析により推測でき、たとえば、アルタイ地域のネアンデルタール人(Homo neanderthalensis)は、両親が半きょうだい(片方の親のみを同じくするきょうだい)のような近親関係にあったのではないか、と推測されています(関連記事)。一方、クロアチアのネアンデルタール人に関しては、両親はアルタイ地域のネアンデルタール人ほどの近縁関係にはなかっただろう、と推測されています(関連記事)。

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コメント

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