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2018年07月17日22:26

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夢のゆめの甲子園2018〜14〜ブーちゃんの涙

習志野の試合が終わるとえんじ色のTシャツが去って球場の観客は半分以下、いや3分の1になる。球場の外には超大型のトラックが待っている。吹奏楽部の多くの楽器を運ぶトラックだ。

しかし、その習志野が去った第2試合。球場にはえんじ色のTシャツがたくさんいた。グランドにはクリーム色のユニフォームに濃紺とえんじ色のストライプのストッキング。校旗もえんじ色だ。

四街道高校、略称は「よつこう」まるで習志野を思わせるチームカラー・・・・

対するのはBシードの流経大柏。西千葉では既にAシードの専大松戸が初戦敗退したため、このシード格付けのまま行けば決勝で習志野との対戦という算段となった。

あくまでシードを真に受けた場合の話だ。

先攻は四街道。1死から走者を出し送ったものの牽制に刺されるという嫌な形で初回の攻撃を終えると、その裏の流経は1死1・2塁というチャンスに4番の安永君が打席に入る。

ボクは躊躇なく彼に「ブーちゃん」という愛称を付けた。

3塁手だ。右投げ左打ちだ。そして太めの体格。決してその体つきから名付けたのではない。モデルがいる。明徳から亜細亜に進んでプロ入りした中田亮二だ。

東都での試合では亜細亜のスタンドから「ブーちゃーん」という声援が飛んだ。100キロを超える身体ながら足も速く、走れるデブと称していた。

安永君はそんな体形だけではなく、そんな空気を持ち合わせていた。そしてひとスイングでライトスタンドに叩き込んだ。3−0と流経が初回からリードした。

Bシードの流経主導で試合は進むのかと思った。だが・・・

2回の表、四街道はあっさり2死。しかしここから内野安打と死球で1・2塁とすると4連打で5点を挙げる。

流経は背番号3の名田君に代えて今野君をマウンドへあげ後続を断つが、3回にはいきなり3連打、無死満塁とされ1死を取るが、白神君にタイムリーを浴びて2点を失った。

四街道の集中打もすごいが、さらに思ったのはシングルヒットで2塁走者が果敢に本塁を狙うことだ。この2回3回で放った安打は9本、四球は1つでエラーはない。それで7点だ。その安打はすべて単打、それで7点を取るのは好走塁なしにはあり得ない。

2塁からの本塁突入、バックホームの間の進塁。タイミング的にはアウトになってもおかしくない場面でも送球がそれて得点に至った。

3回を終わって7−3。

Bシード校を相手に意気上がる四街道は5回に2点を加点、6回に1点を返されるが8回には1点をさらに追加して10−4で最終回を迎える。

マウンドには6回に1点を返された時に交代登板したエースナンバーの信田君が上がっている。

そしてあっさり2死を取る。あと一人だ。

だが、最後の打者となるかと思われた中村君の強烈な3塁ゴロがエラーを呼ぶ。ショートバウンドを合わせそこなった3塁手のエラーだったが、次打者はストレートの四球で打席にはブーちゃんに回ってきた。

しかし、得点差は6点だ。本塁打を放ってもまだ届かない。息詰まる中で飛距離十分のライトへスタンドへのファウルを打つと今度はレフト線へラインぎりぎりのファウルとなるライナーを放つ。

中田亮二を彷彿させる広角打法を見せる。そしてブーちゃんは左中間を破る2塁打を放った。2点、10−6・・・・

だが、そこまでだった。

ピンチになると3塁塁審にタイムをかけピッチャーに駆け寄ること2回。捕手でもなく主将でもないブーちゃんは投手のピンチにも自ら声をかけた。

だが、勢いに乗る県立高校には及ばなかった。四街道の積極的な攻撃に屈した。ブーちゃんは2塁ベースから一番最後に試合終了の挨拶に加わった。ベンチの前では相手の校歌を聞きながら涙をこらえた。

彼には次のステージがあるだろう。長打力と明るさと配慮を持ち合わせたブーちゃん。大学でまたこの姿を見たいと思った。


2018年7月17日 第100回全国高校野球 西千葉大会3回戦(於 県野球場)
四街道
032 020 010 = 10
300 001 002 = 6
流経大柏

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