浜風のつぶやき2017〜13〜さらば鍛治舎監督

まさか、秀岳館が7つも三振を奪われるとは思わなかった。しかも、ストレート狙いできていながらやられたのだ。

それほど広陵の平元投手のできはよかった。

広陵対秀岳館、ともに1回戦で強豪を破る試合を甲子園で見ていた。そして、その強さは両チームともに相手にペースを握れらてもすぐさまそれを取り戻す力だ。だから、今日の試合の注目はどちらがどのような流れで試合を進めるかだった。

序盤は互角、ともに得点圏に走者を進めながらも得点できない。そして、先制は広陵。4回、中村君の安打に送りバントを失策して1・3塁とし、秀岳館川端投手のワイルドピッチでのものだった。

秀岳館も5回に幸地君の一発で同点に追いつくが、広陵は7回に1死2・3塁から平元君がスクイズ、バックホームを焦った川端君はボールに手がつかず内野安打となって1点、さらに高田君の内野ゴロを2塁手がエラーでさらに1点。３−１となった。

秀岳館が失った３点はすべて失策がからんでいた。

だが、２点差くらいならいつでも追いつくのが秀岳館である。しかし、広陵の平元君の丁寧で大胆な投球に秀岳館打線は安打が続かない。先頭打者を一人も出せず本塁打１本だけの得点だった。

広陵平元君は終盤には脱水症状をみせていたがなんとか踏ん張って９回には代打が送られた。その代打村上君が横浜戦に続いて見事な安打で出塁すると高田誠也君も安打で続き、送りバントのあと中京戦で２本の本塁打を放ったプロ注目の中村君が初球の真っすぐをレフトスタントに運んだ。

これで試合は決まった。

秀岳館の放った安打は９本、広陵は１１本の安打を放ったが、勝因は広陵の6つの犠打にあると思う。内野安打となったスクイズをいれると７つということになる。連打が望めない両チームでの一番の違いがここだ。常に得点圏に走者をすすめ、プレッシャーをかける。それが相手エラーを誘い、最後にはボディブローのように効いてくるのだ。

この犠打が広陵が相手にペースを握らせなかった大きな要因だと思う。その点で、広陵中井監督の勝ちだった。

しかし、負けた秀岳館は泣きじゃくる選手の先頭を笑みを浮かべながら歩き最後の甲子園に別れを告げた鍛治舎監督が作り上げたチームとしてファンに大きなインパクトを与えた。これまで３期連続ベスト４。１回戦の横浜、今日の広陵、今回は２回戦敗退だが、このカードは準々決勝、準決勝だったと言っても過言ではない。

その実績は少しも色あせないだろう。少しだけ日程が早くなったが、甲子園を去る秀岳館にも大きな拍手が送られた。


2017年8月17日　第99回全国高校野球　2回戦（於　阪神甲子園球場）
広陵
000 100 203 = 6
000 010 000 = 1
秀岳館