佐野洋子氏　谷川俊太郎氏

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谷川俊太郎氏と佐野洋子氏は　６年ほど夫婦だった。

この、谷川氏公認の非公式サイトに載ってる年譜にも
佐野洋子氏の逝去が書いてある。
この既に消滅したご夫婦が面白いので、調べた。

谷川氏、１９３１年、佐野氏、１９３８年生まれ。

谷川氏の有名な父は、京大時代に５３０通以上のラブレターを書き、
３６歳の時、俊太郎氏が生まれるが、一人っ子。
（このラブレターは保存されてたので、俊太郎氏は最近、出版した）
俊太郎氏は、終戦時、京都の伏見に疎開していて、木津川で遊んだ。

１９５２年、２１歳、２０億光年の孤独でデビュー。
　　　　　　２３歳、幼馴染みの岸田衿子と結婚、２年後離婚し、車免を取って
　　　　　　２６歳、シトロエンを買う。女優、知子さんと結婚。
　　　　　　２７歳、小さな変わった家を新築。
１９６０年、２９歳、長男、賢作氏　誕生。
１９６３年、３２歳、長女、志野さん、誕生。
１９６６年、３５歳、妻と欧米、旅行。フェルメールに心酔。ワイエス鑑賞。
　　　　　　　　　　ニューヨークの２７階に住む。
１９６９年、３８歳、スヌーピーの翻訳開始。
１９７１年、４０歳、ヨーロッパ、家族旅行。
１９７８年、４７歳、長女、アメリカ留学。
１９７９年、４８歳、母、入院。（母は、逝去まで７年くらい認知症）
１９８１年、５０歳、長男、２１歳　結婚。
１９８４年、５３歳、母、逝去。（長男、２４歳、長女、２１歳）父、８９歳。
１９８６年、５５歳、佐野洋子氏とパリ、父とギリシャへ。
１９８９年、５８歳、父、逝去。９４歳。（父は、死の直前まで仕事）知子氏と離婚。
１９９０年、５９歳、洋子氏と結婚。（長男、３０歳、長女２７歳、洋子氏の長男は、２２歳）
１９９５年、６４歳、一人でハワイへ。ロスアンジェルスで長女に会う。
１９９６年、６５歳、洋子氏と離婚。
１９９８年、６７歳、詩のボクシングで、２代目チャンピオン。
２０１１年、８０歳、ニューヨークで、長男、長女一家と。
２０１５年、８４歳。長男、５５歳、長女、５２歳。

佐野洋子氏。

１９３８年生まれ。７人兄弟だが、兄、弟３人が夭折。妹２人、弟１人の４人兄弟に。
洋子氏の母の母は、４人の子を産んだ後、２回目の結婚で　さらに４人生んだ。
このうち、２人づつが、知恵遅れの障害があり、母の兄弟２人は叔母が世話した。
この叔母は、祖父、祖母（後妻？）も引き取った人。
母は、東大出と結婚すると宣言し、５０歳で夫は死ぬが、４人の子を大学に入れた。
洋子氏は、この母が９０歳過ぎて死ぬまで、乳がんと闘いながら世話した。
ヘビースモーカーで、ガンで死ぬ２年前にジャガーを買った。

佐野氏が２３歳で結婚した、広瀬郁（かおる）氏は、本の装丁で有名な人で、
ガンながら、健在らしい。

１９６１年、２３歳、結婚。
１９６８年、３０歳、長男、弦氏、誕生。
１９７７年、３９歳、百万回生きた猫　ヒット。
１９８４年、４６歳、谷川氏と共著。
１９９０年、５２歳、再婚。（長男、２２歳）
１９９６年、５８歳、離婚。
２０１０年、７２歳、逝去。弦氏、４２歳。弦氏も絵本作家。

洋子氏のエッセイ集は、日常生活がはっきり描かれていて、気取りが無く面白い。
中国での生活も、山梨や静岡での終戦直後の生活も、生生しく、よく分かる。
ものすごい読書家なのだが、全然役に立たなかったなんて、何回も平気で書く。
お母さんとの間の、突っ張りあいが、６０年以上たって、添い寝した瞬間、
涙と共に氷解する所は、本当に感動する。
彼女は、母を心から愛せないという罪悪感に一生、苦しんでいた。
どんなに母に尽くしても、心から愛せないと感じていたのだ。

酒は飲めないというが、こんなに男っぽい文章を書く人も珍しいのではないか？
（特徴の一つは、「食べる」と書かず、必ず「食う」と書くところ）
子供の頃から重労働に耐えたと書くが、寝てる時間が長いことも正直に書く。
「私は体が弱いのよ」というのは、女の常套句だが、ガンになっても書かない。
手術の翌日からタバコを吸いに、外へ出たと書く。

冬ソナのペ　ヨンジュンが、男でも女でも無いというのは鋭い。

「百万回生きた猫」は、読んだこと無いのだけど、
あらすじ聞いただけで、随分考えさせられる内容だ。

飼い猫の暮らしの経験を沢山した雄猫が、
野良ネコになって、初めて満足する。
その後、恋をして、家族持ちになり、
妻の死を経験して、永遠の死につく。

考えたら、洋子さんは、パートナーの死を経験していない人だ。
彼女は亡くなったが、彼女の２人の夫は、まだ存命だ。