人は乾電池では無い

■アイドル活動の少女ら提訴＝レッスン料差し引き「無給」−契約解除求める・東京地裁
(時事通信社 - 11月14日 17:00)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=4858824

最近、ルポライターの中村淳彦氏の「女子大生風俗嬢」「ルポ中年童貞」「職業としてのAV女優」とか、その著書を読む機会が増えたんだよ。

いや、俺は風俗利用した経験ねーし、妻帯者だし、AVとかまるで興味ねーのだけどな。

で、その中の、著者の「AV業界は、別にAV女優の為でなく、AVを製作する側の利益と福利厚生の為だけに存在する」って一文に衝撃を受けたもんで。

要は、永続的に安定した利益を確保可能なのは、「製作したり供給する側だけ」なんだ。

曰く、監督やカメラマンや照明に、プロダクションや販売会社に、エロビデオ屋に、紹介文を書くライターとかだが。

AV女優本人には、永続性は絶対に存在しない。それこそ人気が落ちたり容姿が衰えたら、あっさり捨てられる。ま、喩えは悪いが、扱いは「乾電池と変わらん」のでなあ。

で、この記事読んで、妙な相違性を覚えたもんで、今宵は日記を寄せてみたんだ。

果たして、「人間を商品として消費し続ける業界は、正常なのか？」と、思ってねえ。

ま、かような考え持つのも、俺自身、現在「フルコミ（完全歩合制）訪販」なんでな。

基本給も福利厚生も存在しねーけど、仕切りだけは、しっかり明示されてる。今の販社は成約すっと、完工後、契約金額の何パーセントとかだが。

だから、「もっと報酬くれる」って、同業他社が見付かれば、こっちは平気で移籍する。てか、今の販社もそれで引越して来たのでな。

著書からの引用が多くて悪いが、AV業界の場合、最大のタブーが「女優に他の女優の出演料を教えるコト」だそーな。

だから、徹底的にAV女優は、プロダクションの管理下に置かれる。女優間のアドレスの交換は禁止で、その女性の外界への通信手段は、極端に制限される。

・・・でな、この構図、この記事に似てねーかな？

賃金が月額3万8000円って、これだけでも「最低賃金法違反」だぜ。東京都の最低賃金の1/3。新潟の農村で、過酷に酷使されてる外国の実習生の方が、まだ貰えてる。その上、レッスン費名目で手取りゼロなら、「奴隷と同じ扱い」だ。

いや、別に出来高払いで、正常な雇用契約でじゃねーで、俺のような「自営業との随意契約」なら、「どのくれー売れたら何パーの報酬」こそが契約時に明記されるべきだよな。

そして、これで売れるのが、「本当に当人の能力に拠る、完全実力主義の結果かは、甚だ疑問」さ。

俺の業界なら、「数字しか評価基準ねえ」よ。でも、こっちは「芸能事務所の力の強弱や、宣伝予算の違いで左右される」からねえ。

AVでは流石にねーけど、政治家同様の「世襲の多さ」も異常に目立つしなあ。ま、環境が整ってるひとには「ラクして儲かる業界」なんだろーな。

そー云えば、最初に違和感覚えたのは、AKB48だっけ？・・・レギュラー目指して投票目的でCD買わせたりだろ。これ、まるで「格差アイドル」でなあ。

限られた正社員の椅子巡っての、大勢の派遣社員間の過酷な争奪戦の演出さ・・・今、非正規就労に曝されてる若者からすれば、充分、感情移入し易いのだろーな。

これAV業界とさして変わらん、「女性の、使い捨て乾電池化」じゃねーの？

まあ、アイドルどころか、俺、女子アナとかも正直どーでも良い。

で、そっから生き抜いて運良く政界入りした女性議員とかに限って、自身の成功体験が下地に有るせいか「出来ない女性や、貧困女性に物凄げー冷淡」だ。

ま、野郎でも竹中平蔵とか、極貧から登り詰めた結果、判り易い守銭奴に変わったのは存在するけどな。

最大の問題は、「それで一番儲けてるやつは、誰なんだよ？」って視点じゃねーかなあ。

「人は、商品でも投資対象でも無く、本来は効率や生産性よりも、ただ生きてるだけでも、社会に誰かの許可も必要とせず生存し続けて構わなく、そして仮に怠惰に暮らしてるよーに映っても、ひと息着いてる誰かの生存こそが、過酷な現状に死を選ぼーとしてる誰かに、安堵と思い留まる存在で有ったりする」んだよ。

でな、所謂こいつが「人の社会性の所以」さ。

俺達は、「会社が社会に優越してる世界には、決して生きてねえ！」のだから。